植替えに付いて  


 用土に付いて
 
 巻柏は過湿を嫌うので、排水性が良く、しかし保水性が良い用土が良いと言われています。
参考書籍には、富士砂、軽石類、坑火石、赤玉土、真砂土、川砂等の記述が見られますが、
現在は一部に赤玉土を使用している方も居りますが、硬質鹿沼土単用が主流です。

 私の居住地は硬質鹿沼土の産地です、そのため他の用土の使用経験が有りません。
これから述べる事は、硬質鹿沼土単用と解釈してください。

 赤玉土など、他の用土に植えてあった品を入手して、根鉢(鉢の形に成った根)を崩さずに、
周りに鹿沼土を入れて植え替えると、新根が鹿沼土になじめないのか、成績が良くありません
赤玉土など、他の用土に植えてある品を入手した時は、入梅前なら即古土(根)を洗い流して、
鹿沼土に植え替えます、この様にした時は、2〜3週間遮光下に置きます。
一時元気が無くなりますが、一月も過ぎると新しい根が活躍をはじめ、元気を取り戻します。
入梅以降に入手したときは、来春まで植え替えをせずに、そのまま管理します。


植替えに付いて
 
 幹の立ち上がった大株では、数年に一度の植替えで大丈夫ですが、成長旺盛な若株で、
五寸鉢以下の品では、毎年植え替えた方が良いようです。

 巻柏の植替えは、四季にとらわれず実施している方もあるようですが、私の経験では、
葉桜期から5月末までに、植替えた物が最も成績が良いように思われます。

 この時期の植替えなら、根鉢(鉢の形をした根)を、大きく崩しても大丈夫です、
この時期なら前述のように、全ての古土を落とすほど、根鉢を崩しても大丈夫ですが、
通常の植替えでは、それほど崩す必要は有りません、崩さぬ方が良いでしょう。
鉢から抜いたら、上土(うわつち、鉢表面の土)を払い、植替え用具のピンセットなどで
根鉢の肩の部分から、下に向かって軽く崩します。
この時、多少根が切れても大丈夫ですが、根を切り詰める事はせずに、根鉢を崩すだけの
方が良いでしょう。 
この時期は株分けなども適期です、株分けでは大きく根を痛めますが、大丈夫なのですから、
この時期なら多少根を痛めても大丈夫です、株分けや根鉢を大きく崩して植替えた場合には、
元気を取り戻すまで、しばらく遮光して休ませて下さい。

この期を逃しても、入梅前なら適期と言えるでしょう。

 植え替え時、あまり大きな鉢を用いるのは良くありません、葉姿とのバランスも有り ますが、
根鉢より一回り大きくして、回りに新しい土が、少量入る程度が良いでしょう。 
根鉢が固くて崩れない時や、根を切りたくない時には、両手の平で根鉢を叩く様にすると、
根を切らずに根鉢を小さくする事が出来ます。

 最適期の植え替えなら安全ですが、酷暑期を除けば、いつでも植え替えは可能です。 
最適期以外の時期に植え替える時は、根鉢を崩さず上土(うわつち、鉢表面の土)を払い、
根鉢の下を広げて、元の鉢より一回り大きな鉢に植え付けます。 

適期、安全、の意味を理解して下さい、適期以外の植替えでは、効果の上がる事も
ありますが、方法や管理によっては、巻柏を痛める等の、リスクを伴うと言う事です) 

 植付けは、鉢底に粗めの土をいれ、植え土にはそれより少し小さめの土を使用すると、
見た目が綺麗になります。
今は便利な世の中で、土も大小に振り分けされた物が販売されています。
粗い土を使用したほうが、しっかりした根が張るようですが、大きな巻柏でなければ、
中粒と小粒を購入して、鉢底に中粒を、植え土には小粒を使用すると良いでしょう。

 前の項でも触れましたが、巻柏は新しく出る葉の元には新しい根が出ます、この新根が最も
活躍している様に思われます、従って深植えすると元気良く生育し、葉色は美しくなります。
しかし、根塊の高さは巻柏の年輪です、綺麗な葉を取るか、年月を経た姿を取るか、それは
貴方のお好みです。

(ここで「葉」と表現した部分は、実際は枝に当り、巻柏の「葉」は通常「鱗」と言われる部分で、
「鱗」一枚が「葉」の一枚に当り、通常「葉」と表現する部分は、「枝」に当るそうです。)


肥料に付いて

 肥料は醗酵油粕などの、有機質肥料を使用したほうが、色彩が良く上がるようですが、
臭いや虫などの問題で、使用できない場合は、園芸用の暖効性の化成肥料を使用します。
少量の化成肥料は、ホームセンターなどでも、販売されています、購入の際には、
必ず「暖効性」又は「遅効性」と表示されたものを購入して、使用してください。
農業用の即効性の化成肥料は、巻柏には向きません、害が及びますので注意下さい。

 暖効性化成肥料では、マグアンプKが長く効き、安全で良い肥料なのですが、回りの根が
焼ける欠点があります、マグアンプKを使用するときは、直接根に触れないように、植え替え
時に元肥として鉢底入れる事を、お勧めします。 
マグアンプKを入れて、植え替えた鉢は、その年の追い肥は不要です、一年間効き続けます。 
肥料の適量は、水の管理によっても、違いが生じますので、適量は断言できませんが、 
3寸鉢なら、大粒5〜6粒ほどで良いと思います。 

 元肥や置き肥を使用しない場合は、ハイポネックス等の液肥でも大丈夫です、この場合は、
千倍以下に薄め、5月〜7月初旬まで、月に2〜3回程度、如雨露で散水してください。
 
 肥料のやりすぎは禁物です、巻柏は肥料が無くても、色彩が悪いながらも生き続け、
多少は成長し続けますが、過肥料では株自体が、肥料負けで消滅します。
肥料の功罪に付いては前述したのでここでは省略します、再確認はここをクリックして下さい。


   管理人の一人言

 表 向   写真や図が無くて、文章だけでは解り難いと思いますが、お許しください。

  本 音  それは解っているが、写真撮ったり加工したり面倒だし、図を書くのはなお面倒だ、
 此れで間に合わせてもらうべ〜。

      えっ、「何とか成らないか」ですって・・・・・ 贅沢言うな ・・・ ってが。     


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