ホテル「MISS MAUD」は、フロントの女性の服装や左側に置いてある人形、背景の赤い建物の風景など、雰囲気がちょっと異国風です。

オーストラリアも立派な異国なのですが、ホテルの経営者がスウェーデン人なので、これがスウェーデン風なのだろう、と思いました。

遊覧船での結婚披露宴の後、姪とホテルで待ち合わせ、街に出ました。

夕食はベトナム料理店です。

レストランが混んでいたこともあり、店の前の歩道に置かれたテーブルでの食事となりました。

風が涼しく、夕闇が濃くなるにつれて明るい灯がともっていくさまは、風情がありました

ただ、生のモヤシにスープをかけて食べる料理は、初めての経験でした。

翌朝、ロットネスト島へ出かけました。

ロットネスト島はパースから船で１時間半ほどで行ける、インド洋上に浮かぶ小さな島です。

島ではマリンスポーツも盛んだそうですが、途中のスワンリバーや海の景色もよく、観光客だけでなく地元でも人気のスポットだそうです。

川岸でボート遊びをしていました。

丘の家の庭先に通じる岸の階段や桟橋の様子を見ると、これはどうも個人所有の船とボートのようです。

そういえば、スワンリバーの河口は高級住宅地だったのでした。

上で爆音がするので見上げると、飛行機が宣伝の横幕？を引っ張って飛んでいました。

何の宣伝だったのかな。

河口を抜けて海に出ると、帆船に出会いました。

風をあやつってゆっくり進んでいく姿は優雅です。

島に着くと、船から自転車を降ろしている人たちがいました。

ロットネスト島は、バスだと２時間で回れる狭さなので、景色を見ながら自転車でゆったり回るのが人気なのだそうです。　

島から東の海を見やると、遠くにパースの高層建築群が見えます。

海上にかかる靄で煙っていますが、この近さです。

パースからスワンリバーを下ってきたからですが、海岸からだと３０分の距離だそうです。

手前に見えるボートは、ロットネスト島の港の、たぶん観光用だと思います。

私たちも港の近くのレンタル店で自転車を借り、サイクリングで島を巡ることにしました。

バックに見えるこんもりした木々が、島を覆っています。

眺めのいい場所で一休みすると、「DYER ISLAND」という表示がありました。

dyeは染料のことなので、染料となる植物が取れるのかも。

島の反対側にたどり着くと、灯台が見えてきました。

ここからの眺めは見事でした。

思えばこの向こうはアフリカ大陸になるわけです。

そう思いながら、遮るもののない広々とした海原に見入りました。

その左下の海辺に、海水浴をしている人たちがいました。

なんだか見たことのある光景だと思ったら、これが観光パンフレットの宣伝に登場する海水浴場なのでした。

海の青さと白砂の美しさは、確かに絵はがきのよう（？）でした。

海水浴といっても泳いでいる人は少なく、砂浜でのんびり過ごしています。

ロットネスト島はゆっくり滞在し、リラックスするリゾートアイランドなのです。

太陽の照りつける中、自転車をこぎながらの島巡りは、なかなかの運動になりました。

だらけて過ごしている日本では味わえない経験です。

出発点の船着き場に戻っての、充実の一枚

さすがに少し疲れた感じが見えます。

子どもたちも島巡りからかえって、木陰で一休みしていました。

船着き場の傍にも海水浴場がありました。

奥に見えるのは、宿泊施設のようです。森の中にも宿泊施設がたくさんありました。

バスタオルを肩に掛けているのは、紫外線が強いのでその対策だと思います。

ここでも泳ぐ人は少なく、砂浜に設けられた休憩所で横になっている人の方が多かったです。

私たちも日差しを避けて、休憩所でしばらく横になってのんびりしました。

これも贅沢な体験でした。

帰りの海は風が出て、かなり波が立ってきました。

その波間をウィンドサーフィンでゆく若者がいました。

船から見えている間は、上手に波を乗りこなしていました。

あのまま無事に港まで帰れたのかな。

船が海からスワンリバーの河口に入ると、水上スキーを楽しんでいる人たちがいました。

けっこう船の近くまで寄ってきます。

こちらの日常感覚からは遊離した、映画のシーンでも見ているような情景です。

こちらはボートでなくパラグライダーを動力に走る水上スキーです。

ここでもウィンドサーフィンが行き交っていました。

ボートもひんぱんに行き交っていました。

この３艘のボートの奥には、さらにたくさんのボートが係留されたハーバーが見えます。

丘の上の家々も高級住宅だと思います。

パースの富める人たちの生活は、贅沢なものだなあ、と実感させられました。

パースは「最も美しい街」と言われるだけあって、いたる所に公園があります。

その公園で珍しい木がありました。名前はわかりません。

その公園から歩道に出ると、カンガルーの彫像がありました。

「通勤途中の人々」と同じ作者かもしれません。

なお、ここで写真を撮っていると、にこにこしながらそれを見ている子ども連れの家族がありました。

撮り終わると話しかけてきたのですが、なんと日本語でした。
日本人家族が観光で来ていたのです。

このカンガルーと一緒の家族写真を撮ってあげました。

翌日はピナクルズの観光ツァーを申し込みました。

ピナクルズは、パースから北に約２５０キロ離れたナンバン国立公園にある、西オーストラリアで１番人気の観光地だそうです。

早朝７時の出発。

その途中、自然林で生活するコアラが見られる、ヤンチェップ国立公園に寄りました。

公園はパースから４５分ぐらいの所にありました。

その公園で、ユウカリの木に座っているコアラです。

目は開いているようなのですが、動きはほとんどありません。

コアラはユーカリの葉しか食べないので、いるところは限られているのだそうです。

そこから少し行ったゴルフ場の脇でツァーのバスがとまり、カンガルーがいる、と教えてくれました。

カンガルーは、早朝によくゴルフ場の草を食べに来るのだそうです

ナショナルパークのカンガルーと違い、警戒心があり、動きも機敏でした。

バスの窓から見える景色は、野原と林なのですが、その中に見慣れない木がありました。

オレンジの花を咲かせた木で、かなり頻繁に目にしました。

この木はクリスマスの時期に咲くので「クリスマス・ツリー」と呼ばれているそうです。

これもよく見る植物です。

昔はブラックボーイズと呼んでいたそうです

ヨーロッパ人が海から見ると、槍を構えた原住民に見えたから、というのですが、差別的な呼称なのでグラス・ツリーに変わったとのこと。

走っているバスの窓越しのせいで、ブレた写真になりました。

パースから２時間半でSand　Duneに着きました。

ここでサンド・ボードができるのだそうです。

少し風がありましたが、ボードが配られました。

滑ってみると、思ったほどスピードが出ません。

やはり雪と違って砂のブレーキが効いているのでした。

それでも珍しさもあってか、みんなはしゃぎながら滑っていました

なお、この砂丘には映画のロケもよく来るそうで、このときもこの丘の斜め右後ろの砂丘の谷間で、ロケをしている一隊がいました。

そこからピナクルズに向かう途中、運転手が何か叫んで車を止めました。

降りて取ってきたのがこのトカゲ。

これを素手で捕まえてくるのですから、運転手もたいしたサービス精神です。

やはり運転手が車を止め、右側を指しながら見るように促します。

カンガルーでした。

藪の間から両足で立ってこちらを見ています。

この時は一匹だけでした。まだ若い感じです

後ろの植物はグラス・ツリー。

昼食は運転手手製のバーベキューでした。

何時間も運転し続けて、昼食も準備するのですから大変です。

同乗のガイドさんは日本人で、青森県出身だそうです。

パースが気に入って住むようになったそうです。

これが片道５時間以上かけてやってきたピナクルズ。

砂丘に林立する岩の列柱は壮観です。

pinnacleは「そそり立っているもの、小尖塔」の意味で、砂漠にそそり立つ岩に注目しての命名。

「荒野の墓標」とも言われたりするそうです。
墓石に見立てる人もいるんだな。

本来なら荒涼とした光景も、明るい日差しのもとで見ているからか、原初的なエネルギーが感じられてきます

不思議な空間です。

４０分ほど自由に散策した後、また長い道のりをバスに揺られて帰ってきました。

帰りはトイレ休憩と海岸に立ち寄ったとき以外、ほとんど眠っていました。

それでも夕方、まだ日のあるうちに、パースに着きました

ホテルのレストランの様子です。

宿泊者だけでなく、一般の人も自由に利用できるレストランです。

料理は自由に選べるバイキング型。

レストランの中央にあるこのコーナーから、好きなのを取り集めます。

果物も飲み物も豊富で、食べ放題。

快適な朝食でした。

そういえば、バイキング料理はもともと北欧から伝わったのですから、このスウェーデンのホテルは本場なわけです。

どうりで、この中央に置かれたセットも機能的でした。

最後の朝、キングス・パークに行ってみました。

公園に入るときれいな歌声が響いてきます。

歌声のする方に向かっていくと、この３人が３重唱を奏でているのでした。

思わぬ出来事に、しばらく木の下に座って鑑賞しました。

朝から、得した気分になりました。

スワン川を見下ろす見晴らしのいい場所に、不思議な木が立っていました。

これもボトルツリーの仲間ではないかと思います。

案内板があるところを見ると、ここは格好の観賞スポットだと思います。

公園は400ヘクタールもあるという広大さです。

その中から噴水を。

下の写真と比べるとわかるのですが、同じ場所でも時刻によって微妙に噴水の種類が異なるのでした。

この広大な公園で市民がのんびりとくつろいでいるのを見ると、豊かさとはこういうことなんだな、という気になってくるのでした。

公園の散歩から帰ると、ホテルのレストランの歩道側の席で、コーヒータイム。

このあと、姪はメルボルンまで、飛行機で帰ったのでした。