船上での結婚披露宴は初めての経験でした。

空も晴れ渡り、クルーズには絶好の日和でした。

桟橋前では、友だちや親戚が集まって輪を作り、談笑していました。

普段着で来てくれという事でしたが、女性はさすがに、少しおしゃれな感じです。

「WINE CRUISE」と黒地に白抜きで見える中央の看板の、左手に泊まっているのがその船です。

船の入り口で、花束を抱えたサリーとアイザックが並んで、私たちを笑顔で迎えてくれました。

これは、友だちに声を掛けられてカメラに向かってポーズを取ったところを撮りました。

いかにも幸せいっぱいの雰囲気が伝わってきます。

私たちの席は、前日スワンバレーのドライブで一緒だった二人と同じでした。

右端の青年は少し情けない顔をしていますが、理由があります。

彼はなんと、３０分も遅れてきたのです。

わざわざシンガポールから駆けつけてくれた彼を待ちに待って、携帯で何度も連絡を取り、最後にはサリーが泣き顔になる場面もあったりして、なかなか感動的な出だしだったのです。

船内には温かい雰囲気が流れ、みんなリラックスして談笑しています。

形式張らない気楽さがいい感じです。

みんなが飲み物で一通りくつろいだあたりに、アイザックとサリーが通路に立ち、マイクで話し始めました。

そして手にした用紙を読み始めたのですが、それは結婚の誓いなのでした。

聞きながら何度もドッと笑いが起こる、楽しいスピーチでした。

読み終わると、ひときわ大きな拍手がわき起こりました。

司会もなければ、式次第もない、肩肘の張らないほんとうに気さくな祝宴です。 　

左がその誓いの言葉。

二人が読み終わった後、船内のみんなが一人ずつ署名します。　

珍しかったので、後で写真を撮らせてもらいました。　

二人のスピーチが終わると、船室の前に用意してある料理を、それぞれが皿に盛って食事が始まりました。

日本ならさしずめ、バイキング料理です。

食事の合間に、サリーとアイザックはテーブルを移動しながら、みんなと談笑してまわります。

このフレンドリーさは、とても居心地のよいものでした。

ウェイトレスは、食事の間飲み物をついでまわったり、食器を片づけたり、テーブルをまわってさりげなくサービスしていました。

パースから河口にかけてのスワンリバーは、川と言うより湖のような広さになります。

市街地も、川岸と言うより湖岸という感じに見えます。

「パース１」の「夜景」とはまた違った趣です

レジャーも湖や海とほとんど同じ感覚で行われています。

以下のウオータースポーツは、いたるところで見られました。

これはスキーではない、別の乗り物に乗って走っているようです。

初めて見る乗り物です

こちらもバイクのような乗り物に乗って、ボートに引っ張られて走っていました。

なお、緑の木々の間に見える背景の家並みは、別荘のような優雅さです。

実は、スワンリバーの河口は、高級住宅街になっているのだそうです。

これも、高級住宅街と見られる建物の続いている河口で見かけたヨット。

近くにはたくさんのヨットが係留されているヨットハーバーがありました。

この白いケーキは、サリーのお母さんの手作りです。

お母さんは、少し前に癌で亡くなったのですが、サリーの結婚のことを知り、娘の披露宴のために作ってくれておいたのだそうです。

そんなことはおくびにも出さず、明るく幸せにみちたケーキカットでした。

ケーキカットの後はダンスが始まりました。

最初はふたリずつがペアーになり、「ラブミー テンダー」の曲に乗って、ゆったりしたダンスでした。

一回目のダンスが終わってしばらくすると、今度はロック調の元気な音楽が流れてきました。

それにあわせてまたダンスが始まりました。

今度は円陣を組み、それぞれの振り付けで体を前後左右に揺すりながらのダンスです。

時折その円の中に入って激しく踊り、周囲の拍手を浴びる踊り手が登場します。それを交互に繰り返して、なかなか盛り上がりのあるダンスが続きました。

その様子を動画で見るには、下をクリック。

ダンスの後は船首に出て休憩です。

その時の、幸せに酔いしれている二人。

二人に遠慮してか、最前列には誰も座らないのでした。

遠来の私たちにはいつも明るい笑顔でサービスしてくれます。

スワンバレー以来の仲良しメンバーです。

撮影時には木の上に作った巣だと思ったのですが、よく見ると枝はないし、どうやら街灯の上に巣を作ったみたいです。

それにしても遠くからよく目立ち、はっとさせられる巣でした。

何の鳥かわかりません。

突然船長の放送があり、「ドルフィンが船の右手にいる」という内容でした。

みんなが手で指す方向を見ると、この背びれが見えました。

何枚か撮ったなかから比較的よく写っているのを紹介します。

船中のみんなが喜んではしゃいでいるのを見ると、実際に川で目にするのは珍しいのだと思いました。

全身が見えないのが残念ですが、けっこう近くを過ぎて行きました。

岸辺で見た珍しい木の中でも、これは面白い木。

いかにも南洋風です。

こんなにヨットが並んでいるのですから、どんなに広い川かわかると思います。

見てるだけでこちらまでゆったりくつろげるような風景です。

もっともこちらはただ見てるだけなので、この優雅さを実際に味わっている人たちがうらやましい。

５時間にわたる遊覧船の航海も終え、船着き場に戻ってきました

川から見ると、市街地がこんな近くに迫ってきます。

それぐらい街からすぐの所に、乗船場はあるのでした。

船から下りると、若い人たちが並んで、陽気にはしゃいでいます。

後ろ向きになったサリーが、その若者たちに花束を投げました。

花束を受け取った若者がガッツポーズをしています。

他の若者はそれを称えて拍手。

そのあと一人の女性が花束を受け取った若者にキスをしていました。

ほほえましいしきたりです。

披露宴の３日後、帰国の日に、アイザックとサリーに、サリーの通った大学と、夕日の沈む海水浴場を案内してもらいました。

これがスワンリバー、パースの大学の向かいを流れています。

左側の川にせり出した桟橋？の手前で、水遊びをしている家族がいました。

サリーもよくこうして遊んだと言います。

そのスワンリバーと市街地を背景にして撮ってもらいました。

川と言ってもどんなに大きいかわかると思います。

大学構内の一角に、大型スクリーンとたくさんの簡易椅子を備えた コーナーがありました。

夏の夜はここで連日映画が見られるのだそうです。

二人の部屋の壁は本で埋まっていました。

アイザックの後ろの壁には、二人の写真が飾られています。

その右下に見えるのは「うちわ」。左下には「ひょっとこ」や「おかめ」の面も飾られています。

日本の記念に飾ってあるのがうれしかったです。

インド洋に沈む夕日が見たい、という妻の希望で、パースの西の海岸に案内してもらいました。

これがオーストラリア大陸西岸の海水浴場

この海はインド洋です

午後の遅い時刻で、泳いでいる人は少数でした。

もっとも、オーストラリアでは紫外線が強いので、海水浴は３０分以内と言われているそうです。

夕食は、その海岸にあるレストランでご馳走になりました。

サリーの後ろにあるついたては、竹製でした

なんとなく日本を感じさせるので、その手前のテーブルについての食事。

料理はイタリア風でした。

顔が白く飛んでいるのは、夕日が窓から射しているから。

食事後、しばらく海を見ながら別れを惜しんでいるうちに、太陽が沈み始めました。

逆光で３人の姿はほとんどシルエットに。

後ろの砂浜にいる若者は、もう一人の女性とずっとビーチバレーを続けていました。

左側に見える支柱はバレーのネット用。

その夕日をアップで。

沈みゆく夕日に、釣り人が浮かび上がって幻想的です。

これがきっと最初で最後の、南半球で見る、落日です。

そう思うと余計に、旅情が湧いてきました。

夕日は、大型船の後ろにゆっくり沈んでゆきました。

この風景を目に焼き付けてから、飛行場に送ってもらったのでした。