ウィンザー城はロンドンから西へ約36�q、電車で1時間足らずです。

ウィンザー・セントラル駅に着いたとき、切符を手にしたまま改札に備えて歩いて行ったのですが、知らないうちに駅前の広場に出てしまいました。

あわてて振り返り、改札を探したのですが、見当たりません。客は列車から降りるとそのまますたすた駅の外に歩いて行くのでした。

駅では改札がないことを初めて知りました。

車内で車掌が検札しているのだそうですが、私たちはその検札にも会いませんでした。
尤も、違法乗車の罰金はかなり高額だとか。

左の写真は駅から出てすぐの光景。ウィンザー城はセントラル駅の目の前なのでした。

左の丸い塔はヘンリーII世が建てたラウンド・タワー。ほぼ城の中央にあり、天守閣に相当する施設です。高さが70ｍもあるそうです。

女王が城内に滞在しているときは女王旗が、不在のときはユニオン・ジャックが掲げられることになっているそうです。
この時掲げられていたのはユニオン・ジャックなので、エリザベス女王は不在。

この塔の下の部分がミドル・ウォードといい城で最も古い部分。その下（西）側がローワー・ウォード、塔の上（東）側がアッパー・ウォードです。

左の写真は、ラウンド・タワーの真下（ミドル・ウォード）からローワー・ウォードの方角を撮ったもの。

写真右端の建物はアルバート記念礼拝堂。
41歳で亡くなったビクトリア女王の夫アルバートを悼んで、10年間かけて美しく装飾したのだそうです。

ビクトリア女王は夫の死後、40年間喪に服します。二人は女王の方からプロポーズしたといわれる間柄でした。

1901年彼女が81歳で亡くなるときの「埋葬は夫の傍らに」という遺言どおり、二人はここに眠っています。

この写真の左端の黒いボードに、白い文字で何か書いてあります。それに気づかず次の写真（セント・ジョージ礼拝堂前の広場）を撮ろうとしたのですが、その時思わぬ事件？が起こりました。

下の写真は衛兵のいる場所からミドル・ウォード（ラウンド・タワーのある場所）の方角を振り返って撮ったのですが、妻の姿が広場の前景に入るように、構図を考えながら後ずさりしていると、突然後ろで叫ぶ声がします。

友好的とは思われないその声の大きさに驚いて振り返ると、衛兵が上の写真左端に写っている黒いボードを興奮して指さしています。そのボードを読んでみると、「PLEAS KEEP DEMAND THE WHITE LINE」とあります。

なんだこれは、と考えていると、今度は私の足下の白いライン（上の写真の妻の横にかろうじて写っている）を指さしてしきりに何か叫んでいます。
私は白いラインを踏みつけてその内側に入っていたのでした。

まさか肩にかけている銃で撃たれることは無いだろうと思いましたが、できるだけ穏やかな笑みを浮かべて「I'm sorry」とわび、白線の外側に出たのですが…

観光客相手にしては高飛車な注意の仕方だなあ、と思いました。

その後で改めて撮ったのがこの広場の写真です。

ラウンド・タワーの北側にあるノルマン門は、この奥にある君主の私室を守るため、1360年に建設されました。

門の上の部屋はかつて牢獄として使われ、フランス王やスコットランド王が捕らわれていたこともあるそうです。

門の下には石落としの穴がありました。　　↓

　

ノルマン門をくぐるとステート・アパートメンツです。
ここには王族のプライベート・ルームがあります。

謁見の間や寝室（ナポレオンが宿泊した寝室もそのまま残っているそうです）のほか、国賓を招いた晩餐会が行われる豪華な大広間などもあるそうですが、あいにくこの時は非公開でした。

このステート・アパートメンツの一角がビニールシートで覆われていました。
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1992年にプライベート・チャペルの祭壇付近から出火し、たくさんの部屋が焼け落ちたのだそうです。1997年に完全に復旧したそうですが、この時はまだ工事中だったのです。

ステート・アパートメンツからの帰り道、衛兵が歩いていました。

黒い熊の毛皮の帽子姿は観光客に人気なのですが、彼らは英国陸軍の近衛兵で、一般部隊と同様に実戦部隊としての訓練を受け、最新の装備を支給されているのだそうです。

その銃を携帯しての見回りは、観光地にしては少し物騒な気もするのですが。

ウィンザー城の観光を終え、ロンドン市内に帰って土産を探しに繁華街に行ってみました。

繁華街と言っても日本と違い大きな看板はありません。通りの上にはクリスマスの飾り付けが掛かっていました。

数軒まわってチョコレートなどを土産に買った後、この店で自分用にコーヒーカップを買いました。

我が家のコーヒーカップは２・３年で壊れてしまうのですが、このカップはあれから17年になるのにまだ健在です。

マシューは週に1回英会話教室を開いていました。
その生徒のみなさんが、マシューの両親の歓迎会を開きました。

その時の余興に盆踊りを披露したのですが、マシューのお母さんも混じって踊りに挑戦。

ちょうど彼岸の時だったので、我が家のお墓参りに誘ったら喜んで来てくれました。

お寺を始め、日本のお墓や彼岸の風習が珍しそうでした。

最後に夏祭りの時の写真を。マシューが帽子に挿しているのは内輪。

イギリスでは珍しいせいか、よほど気に入った様子でした。