��Los Angeles�≠ﾍスペイン語が由来で、「天使」の意味。ニューヨークに次ぐ米国第２の都市です
��映画の都�＜nリウッドや、高級住宅地ビバリーヒルズ、リゾート地サンタモニカが有名です。

これが初めての海外旅行でした。

墜ちたらこれで最期だな、と覚悟を決めて乗ったのですが、太平洋上に連綿と続く雲海を高度１万メートルから見下ろすわくわく感は、それまでに味わったことのないものでした。

壮大なスケールで刻々と変容していく雲の絨毯を、飛行機の小窓に張り付いて子どものように無心に眺めていました。

海外旅行を経験済みの妻は外の景色に全く興味を示さず、私の横で気持ちよさそうにぐっすり眠り続けているのでした。

夕食はホテルの外に出てレストランを捜したのですが、街頭は暗く、やっと見つけたレストランも質素なものでした。

後で知ったのですが、このホテルはサウスエリアにあり、1992年5月（2年8ヶ月前）、死者53人、負傷者約2,000人、放火件数3,600件というロサンゼルス暴動のエリアに近接していたのでした。

黒人被疑者に対する白人警官の暴行事件と白人陪審員による警官への無罪評決、黒人少女射殺事件などが発端となり、差別に対する黒人社会の怒りが噴出したのでした。

そういえばレストランの客も道ですれ違う人々も、ほとんどがアフリカ系アメリカ人でした。

左の写真の男性は、私が勤務していた高校で３年間AET（アシスタント･イングリッシュ・ティーチャー）をしていたジムです。
妻が日本語を教えていたこともあり、１日案内役を買って出てくれました。

ジムの家はロサンゼルスから２時間ほど離れているのですが、ホテルを訪ねて驚いたそうです。上に述べたロサンゼルス暴動のエリアのすぐ近くだったから。

それでホテルが立派な割に安く泊まれるのだろうという話でした。

写真はオルベラ街のクリスマスの飾り付け。

オルベラ街はロサンゼルス発祥の地。1781年にメキシコ人がこの地に農場を作り始め、この場所を「天使たちの女王の広場」と名付けました。これが��Los Angeles�＝＜鴻Tンゼルスの由来。

��その２�≠ﾌ写真の右側の十字架に、その文字のレリーフがあります。

今でこそ人口が380万人を超える大都市ですが、市制が敷かれた1850年は1610人だったそうです。

この路地にはメキシコ料理店や民芸品の店が軒を連ねていました。
　参考までに土産品を ↓

　

この路地が最もメキシコらしい、ロサンゼルスで一番古い通りなのだそうです。

しかしあいにくの雨で閉まったままの露店が多く、観光客もまばらでした。

次にジムが案内してくれたのが、ロサンゼルスの歴史を展示している古い家（その３・その４）でした。

この家は市発足時代の市役所で、当時の状況を写真などで解説する資料館になっているのでした。

ロサンゼルスが発展し始めるのは、19世紀末の油田の発見だそうです。それでも1900年にはまだ人口10万人だったのが、第2次世界大戦で軍事物資や原油の供給地として発展し、ダグラスやロッキードなど地元に工場のある軍用機の需要で潤います。

こうして西海岸最大の商業や金融の拠点となったのでした。

近年はハリウッドに代表される映画産業や、ディズニーランドなど観光産業の発達によるところが大きいそうです。

資料館見学の後、昼食はオルベラ街のメキシカンレストランでした。
室内の装飾もいかにもメキシコ風。

ジムのおすすめはタコスと豆料理でした。

タコスは、メキシコ人の主食であるトウモロコシをすりつぶした生地に様々な具が包んである、メキシコの国民食だそうです。

豆料理はどこか納豆の味わいに似ていました。

ロサンゼルスがその発祥から食生活まで、深くメキシコと関わっていることを体感しました。

��南カリフォルニアでもっとも有名なビーチ、サンタモニカ・ビーチは、世界中から集まった観光客でいつも賑やか�≠ﾆパンフレットにあったのですが、あいにくの雨で人出はありませんでした。

左の写真は来た証拠にヨットハーバーの入り口で撮りました。

��人工のヨットハーバーとしては世界最大といわれるマリナ・デル・レイ�≠ﾌ一部を、せめて写真で ↓

��年間降水量は300mm程度と少ない　1年中天気が良く、カラッと晴れている　冬の平均気温も約15度前後と、1年中カラッとして過ごしやすい��

パンフレットの宣伝文句とは裏腹に、ものすごい土砂降りとなりました。車から降りるのも無理なので、ビーチの方角をあてに車内からフロントガラス越しに撮った写真。

前日飛行場からタクシーでホテルについたときも雨だったのですが、その時の運転手の言葉が忘れられません。
��ロサンゼルスでは年に１週間ぐらいしか雨が降らない。それなのにあなた方は雨に遭ったのだから、ラッキーだ�≠ﾆ言うのでした。

それにしてもここまで��幸運�≠ﾉ恵まれるとは思いませんでした 。

高級ブティックの建ち並ぶ通り��ロデオドライブ�≠燻ﾔからゆっくり眺めて通ったのですが、予約しないと店には入れてもらえないそうです。

人口は３万4000人弱なのに銀行は100を超え、一戸当たりの預金額が平均で２億円強だとか。

椰子の街路樹が続く通りの両側に邸宅が並んでいるのですが、通りに接する門から建物の玄関までが100ｍはある豪邸ぞろいでした。

交差点には信号がありません。せかせか運転する必要のない、ゆったり余裕のある人々の世界だからなのか。

左の写真は、ビバリーヒルズ･ホテルです。

全世界で2,000万枚以上を売り上げたイーグルスの「ホテルカリフォルニア」のジャケットで有名です。

(下をクリックするとその曲が聞けます)

私もこの歌がお気に入りだったので道路側から撮ったのですが……。雨天に加え思った以上の暗さで、車内から撮ったのも無理があったかピンぼけでした。

雨宿りに一時立ち寄ったスーパー。

中央が吹き抜けの３階からなる建物は、瀟洒な感じでした。雨のせいか客はまばらでしたが。

ロサンゼルスのハリウッドヒルズには、写真の白いランドマークが設置されています。これがハリウッドサインです。

Hollywoodとは「ひいらぎの森」という意味ですが、もともとはイチジク果樹園だったそうです。

初期の映画は屋外の明るい場所でしか撮影できなかったので、雨天の少ない、太陽の輝くロサンゼルスに映画制作者が注目したのだそうです。

最初にハリウッドにできた映画スタジオは1911年でしたが、あっという間に映画産業の中心地になりました。

チャイニーズ･シアターは、アカデミー賞授与式が行われたり、ハリウッド映画の初演が行われる、世界的に有名な劇場。

劇場の前庭には、ハリウッド・スターのサインや手型・足型が刻まれたブロックが並んでいました。
このブロックは200人分はあるそうです。

妻は映画好きなので俳優の名前をたくさん知っているのですが、たまたま私でも知っている俳優の名前があったので、そこに並んでみました。

二人の足下のブロックはソフィア･ローレン、その前のブロックはマリリン・モンローです。

道路の向こうの右側、青い屋根のある櫓の手前を左に入っていくと、アメリカ最大の日本人街、リトル･トウキョウです。

日本から北米大陸への移住が始まったのが1884年。翌年この地に日本食レストランが開店、25世帯の日系人が居住し、日系児童のための学校もできて、リトル･トウキョウと言われるようになりました。

しかし私たちが行ったころは韓国人や中国人の店が目立ち、日系人の間では「リトルトーキョーは終わった」とも言われ始めていたそうです。

写真左側の建物の壁には、かつての日本人社会の様子が写真で紹介されていました。

1960年代に公民権法が施行されてから、アメリカ政府の過去の差別政策への自己批判が始まります。

1978年には日系アメリカ人による謝罪と賠償を求める運動が起こりました。

こうして1987年、アメリカ政府は第二次世界大戦中の日系人収容に関して公式に謝罪します。慰謝料として一人2万ドルが支給されたのでした。

南京大虐殺や慰安婦問題などに対する日本政府の態度と比較すると、この件に関しては自国の歴史に真摯に向き合おうとするアメリカの姿勢を感じます。

ハリウッドの店舗街を回ってみたのですが、日本と違って品ぞろいがおおざっぱな感じでした。

あまり購買欲も湧かないまま歩いていると、いつのまにか住宅街に出ていました。

家の前に小さな芝生の植え込みのある、決して大きくはない家並の続く通りには、ほっとするような暖かさがありました。

ビバリーヒルズの豪華な邸宅はいかにも別世界という感じでとても肌には合わないのでしたが、こちらは庶民のつつましい生活が感じられて穏やかな気持ちになりました。

今のアメリカはものすごい格差社会になっていて、中産階級が没落し、超富裕層と貧困層に分化し始めている、とも言われます。

それにつけても、せめてこの住宅街のような穏やかな環境で誰もが平和に生活できるといいのになあ、と思わせるような通りでした。

アメリカの経営者の所得はせいぜい従業員の20〜30倍だったのが、いまでは270倍になった、とか、世界ではトップ85人の財産が底辺層35億人の財産に匹敵する、という記事を読むと、なにかやりきれない気持ちがしてくるのですが。