最初のバラ苗を購入したのはコメリ（室根で唯一バラ苗を売っている店）でした。その植えつけ方を知るために急遽近くの書店でバラ栽培の本を買い求める、という泥縄な出発でした。

ところが書店に一冊しかなかったバラの本（『バラを美しく咲かせるとっておきの栽培テクニック』NHK趣味の園芸ガーデニング21）は、後で考えると最適な手引き書でした。

その後盛岡や仙台、東京に出かけるたびに書店でバラの本を探し求め、10数冊購入したのですが、結局最初に出合ったこの本が一番参考になりました。

新たなバラ苗の購入は、コメリの店頭に立ち寄ることと、『NHK趣味の園芸バラ大百科』（932種類のバラを紹介）をもとにｲﾝﾀｰﾈｯﾄで注文する、という２本立てで行いました。

その結果が以下にご紹介するバラの花となりました。

切り花の最初のアイスバーグは、花の色「純白」の基準品種なのだそうです。

右側の「丹頂」は、白い花弁が先端に向かうにつれ赤味を増していくという、不思議な彩り（覆輪というそうです）

名の由来は、白い花弁の先に紅がさす姿がツルのタンチョウを思わせるから。開発者は日本人で、日々新たなバラが創作されているのでした。　

次の「カーディナル」は「赤色」の基準品種。一時切り花として一世を風靡したそうです。

「夕霧」は白地の花弁の縁が淡紅色に染まっていき、花の形も中央が少し窪んで特徴があります。和風の庭によく合うというので選びました。

「ダブル・ディライト」はクリーム色に赤の覆輪が鮮やかです。香りもよく、名の意味は「二重の喜び」だそうですが、それは色合いのすばらしさと香りの良さを指すのだそうです。
「世界バラ連合殿堂入り」に輝く名品。

その次の「ﾋﾟｴｰﾙ・ドゥ・ロンサール」は、花の中心が淡桃色で、外に向かって淡くなり、外弁はほとんど白になります。花の形はカップ咲きで、これも「世界バラ連合殿堂入り」に輝く名品です。

「ブラッシュ・ノワゼット」は、 花の色がかすかな淡桃色です。右側の蕾にその色が少し見えています。

花の形は花弁が盛り上がる「ポンポン咲き」。花は小ぶりで、甘い香りがあります。

日陰でも育つというので、板塀の陰になってほとんど陽の差さない玄関前に去年植えてみたら、膝丈の苗が１年で２ｍほどに伸びました。

アメリカ作出の、半つる性オールド･ローズ。

板塀の後ろが中庭になるのですが、その廊下側にバラを植えてみました。

最初は「レディ・エマ・ハミルトン」。今年の６月に苗を植えたばかりですが、中庭に足を踏み入れると最初に目に入ります。

赤みがかったオレンジ色の蕾から、アプリコットオレンジともオレンジイエローともいわれる色に変化します。

フルーツの甘い香りが強く、花の形はカップ咲き。枝が細いせいで花はうなだれ気味ですが、オレンジの明るい色が目立ちます。

2005年イギリス作出のフロリバンダ。

次の「バレリーナ」は、花は淡桜色で中心部が白い一重咲きです。花びらの直径は２〜３�pの小輪なのですが、それが集まって大きな房咲きになり、枝全体が花に覆われる感じになりました。

１年前は頼りなさそうな苗だったのですが。
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可憐な色合いは遠くからも目を引きます。妻の友人の一番のお気に入りだそうです。

1937年イギリス作出のHMsk（ハイブリッド・ムスク）。

「ラブ」は、花弁の表が赤色で裏が白色。花の形は剣弁高芯咲きといって、花弁が外側に巻いて尖り、中心が高くなっています。

1980年アメリカ作出。 ＨＴ（ハイブリッド･ティー）とＦ（フロリバンダ）の両系統を引き継ぐＧｒ（グランディフローラ）

　　　　　＜参考＞
ＨＴ（ハイブリッド･ティー）は四季咲きで大輪の花をつけ、Ｆ（フロリバンダ）は春から秋まで咲き続ける中輪房咲きのバラ。ともにガーデンローズの人気を二分する現代バラ。

上の段のHMsk（ハイブリッド・ムスク）は、多花性で花房が大きい四季咲きの現代バラ。

「夕霧」は「切り花」の２番目の写真で紹介しましたが、白地の花弁の縁が淡桃色から淡紅色に染まる半剣弁高芯咲き。

蕾から徐々に開いていくさまには楚々とした雰囲気があります。開き終わると左側のように花びらの先端が尖って、独特の形になります。

1987年日本作出のＨＴ（ハイブリッド･ティー）

「パレード」はローズ色の大輪ロゼット咲き（花弁が何重にもなり、外側が大きい）で、満開になると丸弁のゆるいカップ咲きになります。

枝先に次々と花を持ち、６月から途切れなく咲き続けています。

ベーサル・シュート（株元から新しく発生する枝）が６本も伸び、去年植えたバラ苗の中で一番の成長ぶりです。

枝が細い割に大きな花をつけるので、花はうつむき加減に咲きます。切り花にしてもうつむいてしまうのが残念

３ｍ以上伸びるそうなので、窓の上を這わそうと思っています。

1953年アメリカ作出のLCl（ラージ・フラワード・クライマー＝大きな花をつける、つるバラ）

８月の中庭のバラの様子を撮ってみました。

左から順にパレード、夕霧、ラブ、バレリーナ、レディ・エマ・ハミルトンです。

夕霧は色が白くつぶれて撮れています。パレードと接して１ｍ50�pほどの高さに花をつけているのは、ベーサルシュートが思った以上に伸びたせいです。

赤く写っているのがラブ。

バレリーナは１度花を終え、新たに伸びたシュートが花をつけたのですが、それがほとんど白になっています。

レディ・エマ・ハミルトンも下側に２つ花をつけています。

左の写真の右側に咲いている白とピンクの花は、「おいらん草」。

　　　　　＜参考＞
「ブラッシュ・ノワゼット」はオールド・ローズで、それ以外は現代バラ（モダン･ローズ）なのですが、その区分は1867年にあるのだそうです。

この年にフランスの育種家が発表した「ラ･フランス」は、初めて完全な四季咲き性（四季にわたって開花する性質。剪定で新しい枝をつくり、次々と花を咲かせ続ける性質）を持ったハイブリッド･ティーの第１号品種でした。

その後フロリバンダなど他の現代バラも作出されてきました。それで1867年以前に育成されていた系統をオールド･ローズ、1867年以降に育成された系統をモダンローズ（現代バラ）と言うのだそうです。