本望英語教室: 基本5文型例文集
◇文型X: SVOC(見掛け上のSVOC)
本項目では、文型SVOCを理解し易くする便宜のために、 文の見掛け上の形からSVOCと見做して取扱っています。
叙述用法の形容詞が前に置かれた名詞を後ろから修飾して、 名詞と形容詞との間に意味的な「主語+述語」の構造が成立するのと同じように、 目的格補語Cは、目的語Oを後ろから叙述的に修飾して、 目的語と目的格補語との間に意味的な「主語+述語」の構造が成立します。 この時、O=Cと表す場合もあります。
この意味的な関係が成立する場合には、常にSVOCと見做すことができますが、 動詞の本来の意味と動詞が目的語・目的格補語に及ぼす作用を考えると、 force型 「S+appoint+O+to be/as 〜」 「S+regard +O+as/for 〜」 の型だけが真のSVOCであると言え、その他の動詞の真の文型は、 SVO、SVOOです。
特に、「SVO+to do」≒SVOCと見做すことができる場合でも、 真の文型はSVO、SVOOである場合が殆んどです。 この場合の真のSVOに於ける目的語O、SVOOに於ける直接目的語DOを ネクサス目的語(補文)と呼びます。
従って厳密な解釈が要求される場合、本項目でSVOCとして取上げている例文の 多くは、真の文型SVO、SVOOと解釈すべきであることをお知りおき下さい。
詳しくは、◆基本5文型例文集 ◇見掛け上のSVOCの真の文型を御覧下さい。
ネクサス目的語、補文については、 ◆基本5文型例文集◇見掛け上のSVOCの真の文型 (1)補部構造とネクサス目的語(補文) 安藤貞雄氏著「現代英文法講義」(開拓社) 第37章 補部構造 37.4.5.ネクサスを補部にとる動詞 〃 「英語の文型」 ( 〃 ) 10 いわゆるSVOC型 10.2.「目的語+非定形動詞」の構造 意味的な「主語+述語」の構造については、 ◆基礎知識 ◇日本語と英語の違い、英語の特徴 (4)意味的な「主語+述語」の構造 叙述用法については、 ◆基礎知識 ◇形容詞の限定用法と叙述用法 ◆ 〃 ◇現在分詞、過去分詞の限定用法と叙述用法 ◆ 〃 ◇前置詞句の叙述用法 ◆ 〃 ◇名詞句の形容詞的用法(限定用法、叙述用法)と副詞的用法 を参照して下さい。
■凡例: s、vは意味的な「主語+述語」の構造に於ける主語、述語 ---←、←---は後ろから修飾される語句、修飾する語句 ---→、→---は前から修飾する語句、修飾される語句 SとCとの間、OとCとの間に意味的な「主語+述語」の構造が成立する場合、 S=C、O=Cと表記する場合があります。
尚、to不定詞の動詞的用法の場合、名詞句を叙述的に修飾するというよりも 動詞そのものとして機能すると言えるので、意味的な「主語+述語」の構造を 「--s←、←v--」ではなく、「--s--、--v--」と表記しております。 to不定詞の動詞的用法については、◆基礎知識 ◇to不定詞の用法 (4)動詞的用法 を参照して下さい。■
People call him Dave. 人は彼をデーブと呼ぶ。 s← ←v S V O C (Cは名詞) ≒ People call him who is Dave. (不自然な文ですが、このような意味構造になります。) s← ←v S V C 名詞「Dave」は目的語「him」を叙述的に修飾しており、 「him(主語)は、Dave(述語)である」というように 「him+Dave」=意味的な「主語+述語」です。 言い換えれば、「Dave」の意味上の主語は、文の目的語O「him」であると言えます。
O.K, skipping or skimming, call it what you will, let's have a contest! O S V (他動詞will=want) s← ←----v------ V O ------C------ (Cはwh節) 分かったわ。石切りでも水切りでも何でもいいけど、競争しましょう。
He made Ms. Green his secretary. 彼はグリ−ンさんを秘書にした。 ----s--← ←---v------- S V ----O---- -----C------- (名詞)
You should keep your room tidy. 部屋をきちんと整頓しておくべきです。 ----s--← ←v S V ----O---- C (形容詞) ≒ You should keep your room which is tidy. (不自然な文ですが、このような意味構造になります。) s← ←v S V C 形容詞「tidy」は目的語O「your room」を叙述的に修飾しており、 「your room(主語)は、tidy(述語)である」というように 「your room+tidy」=意味的な「主語+述語」です。 言い換えれば、「tidy」の意味上の主語は、文の目的語O「your room」であると言えます。 この場合の形容詞「tidy」は、叙述用法です。
The news made them happy. その知らせを聞いて彼らは嬉しかった。 s← ←v ---S---- V O C (形容詞)
What made him stay home? 彼はなぜ家に居るんだい。 s v S V O C (原形不定詞)
We want you to come. 君に来て欲しい。 s ---v--- S V O ---C--- (to不定詞の動詞的用法) ≒ We want you who come. (不自然な文ですが、このような意味構造になります。) S V 原形不定詞「stay」、to不定詞「to come」は、目的語O「him」、「you」を 叙述的に修飾すると言うよりも、動詞そのものとして機能します。 「you(主語)は、to come(述語)する」というように 「you+to come」=意味的な「主語+述語」です。 言い換えれば、「to come」の意味上の主語は、文の目的語O「you」であると言えます。
Her doctor ordered her to rest for a week. 医者は彼女に一週間安静にするよう指示した。 s ---v--- ----S----- V O ---C--- (to不定詞の動詞的用法)
We all consider him to be a hero. 私たちは皆彼を英雄だと見做している。 s --v-- --c--- --S--- V O C (to不定詞の動詞的用法) = We all consider him φ a hero. s← ←-v-- --S--- V O --C--- (名詞) 「to be」を省略しない場合、「to be」は「consider」の補語、「a hero」はbe動詞の補語、 「to be」を省略する場合には、「a hero」は「consider」の補語と考えるとよいです。
We all consider him to be honest. 私たちは皆彼を正直だと見做している。 s --v-- c --S--- V O --C-- (to不定詞の動詞的用法) = We all consider him φ honest. s← ←v --S--- V O C (形容詞)
I saw him cross the street. 彼が通りを渡るのを(一部始終)見た。 s v ----o----- S V O C (原形不定詞)
I saw him crossing the street. 彼が通りを渡るのを(部分的に)見た。 s← ←v ----o----- S V O C (現在分詞)
= I saw him who was crossing the street. S V ----O----- 現在分詞「crossing〜」は目的語O「him」を叙述的に修飾する目的格補語Cで、 「彼が通りを渡る」と能動的に訳されます。 「him(主語)はcross(述語)する(渡る)」というように 「him+crossing」=意味的な「主語+述語」です。
I heard my name called. 名前を呼ばれるのが聞こえた。 ---s-← ←v S V ---O--- C (過去分詞) ≒ I heard my name that was called. (不自然な文ですが、このような意味構造になります。) S ----V----- 過去分詞「called〜」は目的語O「my name」を叙述的に修飾する目的格補語Cで、 「名前が呼ばれる」と受動的に訳されます。 「my name(主語)はcall(述語)される(呼ばれる)」というように 「my name+called」=意味的に「主語+述語」です。
Would you mind me opening the window? (私が)窓を開けてもよろしいですか。 s← ←v ----o----- S V O C (openingは現在分詞) = Would you mind my opening the window? (s) v ----o----- (my openingは名詞句) S V ----------O----------- (openingは動名詞)
cf. Would you mind opening the window? (貴方が)窓を開けて下さいませんか。 s v ----o----- S V --------O--------- (openingは動名詞)
Can you imagine him doing such a thing? 彼がそんなことをしている光景を想像できますか。 s← ←v -----o------ S V O C (doingは現在分詞) = Can you imagine his doing such a thing? (s) v -----o------ (his doing〜は名詞句) S V ----------O----------- (doingは動名詞)
I imagine him to be an actor. 彼は俳優であると思う。 s --v-- ---c---- S V O --C-- (to不定詞の動詞的用法) = I imagine him as an actor. s← ←----v------- S V O ------C------- (前置詞句)
We call that asking for trouble. それは自業自得というものだ。 s ----v----- o S V O ----C----- (askingは動名詞) 「call+O+名詞」という形をとるので、「asking」は動名詞であると言えます。 これに対して、前出の I saw him crossing the street. 彼が通りを渡るのを(部分的に)見た。 s← ←v ----o----- S V O C (crossingは現在分詞) では、「see(知覚動詞)+O+do(原形不定詞)」という形が基本なので、 「crossing」は現在分詞であると言えます。
I found it to be of no help. それが役に立たないことが分かった。 s --v-- ----c----- S V O --C-- (to不定詞の動詞的用法) = I found it φ of no help. s← ←--v----- S V O ----C----- (前置詞句) 先の文のto不定詞句「to be〜」や「to be」を省略した後の文の前置詞句「of〜」は 目的語O「it」を叙述的に修飾しています。 「it(主語)は、to be〜(述語)である」、「it(主語)は、of no help(述語)である」 というように「it+to be〜」、「it+of〜」=意味的な「主語+述語」です。 言い換えれば、「to be〜」、「of〜」の意味上の主語は、 文の目的語O「it」であると言えます。 この場合の前置詞「of」は、叙述用法です。
以下の例文の前置詞「as、for」は、目的語Oと目的格補語Cが、 意味的な「主語+述語」の構造にあることを明示するために用いられています。
We regard him as a crank. 私達は彼を変人だと考えている。 s← ←--v----- S V O ----C----- (前置詞句)
I can't accept her story as true. 彼女の話が真実であるとは認めることができない。 ----s--← ←-v--- S V ----O---- ---C--- (前置詞句)
We take freedom of thought as a matter of course. S V --------O--------- ---------C----------- (前置詞句) 私達は思想の自由を当然のことと見做している。
Do you take me for a fool? 俺を馬鹿だと思っているのか。 s← ←--v----- S V O ----C----- (前置詞句)
You mistake licence for liberty. 君は放縦(licence)を自由と思い違いしている。 s← ←--v------ S V O ----C------ (前置詞句)
■見掛け上はSVOCでも真の文型はSVOである場合
I saw him cross the street. 彼が通りを渡るのを見た。 s v ----o----- S V O C (a)(見掛け上の文型) S V ------O(補文)------- (b)(真の文型) 見掛け上はSVOCでも、動詞によっては真の文型はSVOである場合が有ります。 (a)は見掛け上はSVOCですが、(b)のように真の文型はSVOであると考えるのが 妥当です。
知覚動詞の文は、便宜上、SVOCとして解釈しても意味が通りますが、 意味的に、他動詞「saw」の対象は「him」だけではなく「himがcrossすること」なので、 「him+cross the street」全体が目的語Oであると解釈すべきです。 (b)のように、「him+cross」=意味的な「主語+述語」の目的語Oを ネクサス目的語nexus objectと呼びます。 ネクサス目的語は、主語sと動詞v、目的語oに相当する語句を備えて文の形式をとるので、 補文complement sentenceとも呼びます。
但し、本サイトでは文型SVOCを理解し易くする便宜上、見掛け上から SVOCとして取扱っています。■
■見掛け上はSVOCでも真の文型はSVOOである場合
「SVO+to do」は、見掛け上はSVOCですが、授与動詞を用いた文の真の文型は SVOOです。
I told him to come. 彼に来るように伝えた。 s ---v--- S V O ---C--- (見掛け上の文型) S V IO ---DO-- (真の文型) = I told him φ to come. (補文DOに於けるto comeの意味上の主語sが脱落) s ---v--- S V IO -DO(補文)-- 直接目的語DO「to come」はネクサス目的語(補文)DO「s+to come」から 補文DOの主語sが脱落したものです。
しかし、便宜上、見掛け上のSVOCとする解釈でも意味が通ります。
この点については下記の文献を参照して下さい。 安藤貞雄氏著「英語の文型」(開拓社) 10 いわゆるSVOC型 10.11.I advised her to see a doctor.のタイプ(SVOO型) ■
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