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◇SVC
連結動詞Vにより、「主語S=主格補語C」という構造的意味を表します。
連結動詞には、次の2つの型があります。
・be型の連結動詞:補語の現状を示します。
be型: be、keep、remain、stay
外見動詞:appear、look、seem
五感動詞:feel、smell、sound
・become型の連結動詞:補語の結果状態を示します。
become、get、go、grow
主格補語Cが文の主語Sを後ろから叙述的に修飾することにより主語Sを補足説明し、
「文の主語S+主格補語C」=意味的な「主語+述語」です。
She remained silent. 彼女は黙ったままだった。
s←、 ←v
S V C
形容詞silentは文の主語Sheを叙述的に修飾しており、
「She(主語)は、silent(述語)の状態である」というように、
「She+silent」=意味的な「主語+述語」です。
言い換えれば、silentの意味上の主語は、文の主語Sheであるといえます。
(注)存在のbeはSVA、連結のbeはSVC
Mary is here. メアリーはここにいる。
s v← ←--
S V A
場所を規定する副詞hereは動詞isを修飾しています。
SVAのbe動詞は存在を意味しています。
The radio is in my room. そのラジオは私の部屋にある。
----s---- v← ←--------
S V A
場所を規定する副詞句in my roomは動詞isを修飾しています。
「The radio+in my room」≠意味的な「主語+述語」であり、
SVCではなく、SVAです。
これらに対して、
Mary is wise. メアリーは賢い。
s← ←v
S V C
形容詞wiseは動詞isを修飾しているのではなく、形容詞として主語Maryを
叙述的に修飾している主格補語Cです。
SVCのbe動詞は連結動詞として機能し、「S(Mary)=C(wise)」を意味しています。
つまり、「Mary+wise」=意味的な「主語+述語」です。
このように、be動詞の意味の違いからSVAとSVCを区別することができます。
■尚、私見ですが、存在のbeと連結のbeを識別できない場合、
SVAの場合もSVCの場合も存在のbeと見做して差支えないと思います。
AやCに相当する語句の意味を考えれば、副詞としてbeを修飾するSVAなのか、
主格補語として主語を叙述的に修飾するSVCなのか明らかだからです。■
(1)be型の連結動詞
(a)Cのパターン
・特徴づけ
Sを特徴づけます。
Mary is wise. メアリーは賢い。
s← ←v
S V C (形容詞)
・分類
Sが或る集合の構成員であることを示します。
I am a Cathoric. 私はカトリック教徒です。
s← ←--v-----
S V -C(名詞)--
・同定
疑問文の答えとして用いられる文で、補語には名詞(句)がきます。
What is the capital of france? フランスの首都はどこですか。
v→ →--------s----------
C V ----------S---------- (疑問代名詞)
→ It's Paris. パリです。 (It=the capital of france)
s← ←v
S V C (名詞)
尚、この疑問文の文型は、次のように見做すこともできます。
What is the capital of France?
s← ←--------v----------
S V ------C(名詞句)------
→ Paris is. (Paris=What)
S V
・指定
Sの内容を明らかにします。
What I saw was a tiger. 私が見たのは虎だ。
----s---← ←-v---
----S----- V ---C--- (名詞)
His excuse was that the bus was late that morning.
----s---← ←--------------v-----------------
-----S---- V -----------C(that節)--------------
彼の言い訳は、その日の朝はバスが遅れたというものだった。
(b)SVC=[SV+前置詞句」
SVC=「SV+wh句 」
SVC=「SV+wh節 」
SVC=「SV+that節 」
SVC=「SV+to do 」
SVC=「SV+doing 」
She is in good health. 彼女は健康だ。
s← ←---v--------
S V -C(前置詞句)-- (inは「状態」)
前置詞句in good healthは動詞isを修飾しているのではなく、
形容詞的(叙述的)に主語Sheを補足説明しているので主格補語Cです。
SVCのbe動詞は連結動詞として機能し、S(She)=C(in good health)を意味しています。
これに対して、
The manager is in his office. マネージャーは執務室にいる。
-----s----- v← ←-----------
-----S----- V -A(前置詞句)-
では、前置詞句in his officeは動詞isを修飾しているので副詞句Aです。
SVAのbe動詞は存在を意味しています。
be動詞の意味の違いからもSVAとSVCを区別することができます。
This computer is of great use. このコンピュータは大いに役に立つ。
------s----← ←----v------
------S------ V -C(前置詞句)- (ofは「記述」(〜の性質を持つ))
We are not yet out of danger. 私達はまだ安全ではない。
s← ←----v------
S V -C(前置詞句)-
The question is which to choose. 問題はどれを選ぶかということだ。
-----s----← ←----v--------
-----S------ V ----C(wh句)----
The fact is that I've spent all the money. 実はそのお金を全部使ってしまったのです。
---s--← ←------------v--------------
---S---- V ----------C(that節)----------
This is why our team won. これが我々の勝った理由だ。
s← ←-----v--------
S V ----C(wh節)-----
The problem was whether he will agree to it. 問題は彼が賛成するかどうかだ。
-----s---← ←----------v--------------
----S------ V -------C(whether節)--------
× The problem was if he will agree to it.
× ----S------ V -------C(if節)-------------
if節は補語Cになれません。
My hobby is to collect foreign stamps. 外国の切手を集めるのが趣味だ。
---s---- ----v----- ------o-------
---S---- V ----C----- (to不定詞)
Her job is playing the piano on the stage. 舞台でピアノを演奏するのが仕事だ。
---s-← ←-v--- ----o----
---S--- V C (動名詞)
(c)その他のbe型の連結動詞
She remained silent all the time. その間中彼女はずっと黙ったままだった。
s← ←v
S V C (形容詞)
When the crops fail, the people go hungry. 不作だと人々は飢える。
----s---← ←v
----S----- V C (形容詞)
goは「常に〜している」(習慣・恒常的状態)の意味。
Keep smiling whatever happens. 何が起ころうとにこにこしていなさい。
(s)← ←v
(S) V C (動名詞)
The weather stayed cold. 天気は相変わらず寒かった。
-----s---← ←v
-----S----- V C (形容詞)
(d)その他のbe型の連結動詞(外見動詞)
She seems to be very happy. 彼女は幸せのようだ。(幸せに見える)
s --v-- c
S V --C-- (to不定詞)
= She seems φ very happy.
s← ←v
S V C (形容詞)
「to be」を挿入することにより、「She」と「happy」との間の
意味的な「主語+述語」の構造を明示します。
「to be」を省略しない場合、「to be」はseemsの補語C、「happy」はbe動詞の補語、
「to be」を省略する場合には、「happy」はseemsの補語Cと考えるとよいです。
The baby appears to be hungry. 赤ちゃんはお腹が空いているように見える。
---s---- --v-- c
---S---- V --C-- (to不定詞)
= The baby appears φ hungry.
---s--← ←v
---S---- V C (形容詞)
appearは客観的事実について用いますが、seemは主観的印象にも
客観的印象にも用います。
Jim looked to be in poor health. ジムは体調がすぐれないような顔をしていた。
s --v-- ------c-------
S V --C-- (to不定詞)
= Jim looked φ in poor health.
s← ←----v-------
S V ------C-------
It looks like rain. ひと雨きそうだ。
s← ←--v---- (Itは非人称のit:天候)
S V ----C---- (前置詞句)
= It looks as if it's going to rain.
---← ←----------------------
S V ------A(前置詞句)-------
She doesn't look her age. 彼女は実際の歳よりも若く見える。
s← ←-v---
S V ---C--- (名詞)
(e)その他のbe型の連結動詞(五感動詞)
He felt cheated. 彼は騙されたと感じた。
s← ←v
S V C (過去分詞)
This cloth feels soft and smooth. この布は手触りが柔らかくすべすべしている。
----s---← ←-----v-------
----S----- V ---C(形容詞)---
How did the coffee smell?
←v ----s---←
C ----S----- V
→ The coffee smelt wonderful. コーヒーは素晴らしい香りだった。
----s---← ←v
----S----- V C (形容詞)
補語である形容詞wonderfulを問うために疑問副詞howを用います。
Your plan sounds interesting. 君の計画、面白そうだね。
----s--← ←v
----S---- V C(形容詞)
上の例は「C=形容詞」ですが、形容詞形がない単語の場合には
次のように[C=「of+名詞」=形容詞]を用います。
What does his breath smell of ?
←v2 ----s---← ←v1
-C2- ----S----- V C1 (Whatはofの目的語)
→ His breath smells strongly of brandy. 彼の息はひどくブランデー臭い。
----s---← ←--v---- (brandyはofの目的語)
----S----- V ----C---- (前置詞句)
前置詞ofの目的語である名詞brandyを問うために疑問代名詞whatを用います。
(2)become型の連結動詞
She became a teacher. 彼女は教師になった。
s← ←--v----
S V -C(名詞)-
The weather got warmer. 天気は暖かくなった。
-----s---← ←v---
-----S----- V C (形容詞)
The meet has gone bad. 肉が腐った。
---s--← ←v
---S---- ---V---- C (形容詞)
goは悪い状態への変化に用います。
She fell ill. 彼女は病気になった。
s← ←v
S V C (形容詞)
The well has run dry. 井戸が干上がった。
---s--← ←v
---S---- ---V--- C (形容詞)
The leaves turned red. 紅葉した。
----s---← ←v
----S----- V C (形容詞)
Everything turned out well. 結局、何もかも上手くいった。
s← ←v
S ----V----- C (形容詞)
(3)能動態で受動的な意味を表す自動詞
(中間態動詞middle verb、能動受動態activo-passive)
能動受動態は、元来は他動詞である動詞を、自動詞のように用いて、
能動態の形式でありながら受動的な意味を表す用法です。
(a)通例、現在時制で用いられます。
(b)SVA=「SV+様態の副詞」
SVC=「SV+形容詞 」の型です。
元来は他動詞である動詞を自動詞として用いる場合、
受動的な意味「主語Sは他動詞Vされる」と解釈せざるを得ません。
SVAのA、SVCのCとして、easily、well、like〜、tenderのような
様態の副詞や形容詞を義務的に伴います。
These cakes eat crisp. この菓子はカリカリする。
-----s---← ←v
-----S----- V C (形容詞)
= These cakes are eaten crisply. (受動態)この菓子はカリカリと食われる。
-----S----- ----V---- 副詞
「crisp」は形容詞なので、自動詞「eat」を修飾する義務的副詞語句Aではなく、
主語「These cakes」を後ろから叙述的に修飾する主格補語Cと考えるのが妥当です。
(研究社「新英和大辞典」第6版を参照して下さい。)
「These cakes+crisp」=意味的な「主語+述語」です。
The meat cuts tender. この肉は軟らかく切れる。
---s--← ←v
---S---- V C (形容詞)
= The meat can be cut tenderly. (受動態)この肉は軟らかく切られる。
---S---- --V--- 副詞
「tender」は形容詞なので、自動詞「cuts」を修飾する義務的副詞語句Aではなく、
主語「The meat」を後ろから叙述的に修飾する主格補語Cと解釈するのが妥当です。
■以下は、能動態で受動的な意味を表すSVCに類似するSVAの例です。
下記の例文では、他動詞「read、shave」を自動詞的に用いながら
受動的な意味「主語Sは他動詞Vされる」を表していると解釈できます。
The book reads easily. この本は楽に読める。
---← ←----
---S---- V A
= This book is easily written. (受動態)この本は楽に読まれる。
----S---- --------V--------
= This book is easy for me to read φ. (readは他動詞)
----o---- s ---v--- (φはreadの目的語This bookの本来の位置)
----S---- V C
「to read」は文の主語「This book」を目的語とする遡及的不定詞です。
遡及的不定詞については、
◆Tips(その2) ◇遡及的不定詞etroactive infinitive、遡及的目的語retroactive object
を参照して下さい。
This scientific paper reads like a novel. この科学論文は小説のように読める。
---← ←----------
----------S---------- V -A(前置詞句)-
A thick beard shaves with difficulty. 濃い顎鬚は剃りにくい。
----← ←-------------
------S------ V --A(前置詞句)--
次の例文は、能動態の他動詞「cut」がそのまま能動的な意味「切れ味が〜だ」を
表していますが、SVAの一例として取上げています。
This knife cuts well. このナイフはよく切れる。
--← ←--
----S----- V A (副詞) ■
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◇SVCA
連結動詞Vにより、「主語S=主格補語C」という構造的意味を表すと同時に、
主格補語Cの機能を果たす形容詞が、前置詞句やthat節、to doなどの
義務的に必要とされる副詞語句Aを伴います。
(1)SVCA=「SVC+前置詞句」
Mary is good at English. マリーは英語が得意だ。
s← ←v
--← ←--------
S V C ----A----- (前置詞句)
She is afraid of rats. 彼女は鼠が怖い。
S V C ----A-- (前置詞句)
He is sure of his success. 彼の成功を(彼自身が)確信している。
S V C ----A--------- (前置詞句)
He is sure to succeed. 彼が成功するのを(話し手が)確信している。
s← ←v
--← ←--------
S V C ----A----- (to不定詞、副詞的用法)
I'm afraid of going out alone at night. 怖くて夜一人で外に出ることができない。
S V C ------------A-------------- (前置詞句)
= I'm afraid to go out alone at night.
s← ←v
----← ←---
S V C ------------A----------- (to不定詞、副詞的用法)
He was aware of a danger. 彼は危険に気づいていた。
S V C -----A----- (前置詞句)
= He was aware that there was a danger.
s← ←v
---← ←---------------------
S V C -----A----------------- (that節)
You can rest assured of his recovery. 彼が回復するのは間違いないよ。
S V C -------A------- (前置詞句)
= You can rest assured that he will recover.
S V C -------A------------ (that節)
(2)SVCA=「SVC+that節」
I was conscious that something was missing. 何かなくなっていることに気づいていた。
s← ←v
-------← ←------------------------
S V C -----------A-------------- (that節)
We are glad that the Smiths are coming. スミス夫妻が来るのを喜んでいる。
S V C -----------A-------------- (that節)
I am sure that Roy will win. ロイが勝つものと確信している。
S V C -----------A----- (that節)
Mary is afraid that she may fail again. また失敗するのではないかと心配だった。
S V C -----------A----------- (that節)
He was aware that there was a danger. 彼は危険に気づいていた。
S V C -----------A----------- (that節)
= He was aware of a danger.
s← ←v
---← ←---------
S V C -----A----- (前置詞句)
You can rest assured that he will recover. 彼が回復するのは間違いないよ。
S V C ---------A---------- (that節)
= You can rest assured of his recovery.
S V C -------A------- (前置詞句)
The suspect remained adamant that he had had nothing to do with the bank robbery.
-----s---← ←v (adamantは形容詞)
-----← ←-------------------------------------------------
-----S----- V C -----------------A(that節)-------------------------
容疑者は相変わらず銀行強盗とは無関係だと頑強に言い張った。
(実用英語技能検定 2013-1 1級)
(3)SVCA=「SVC+to do」
SVCA=「SVC+wh節 」
She is (very) interested to know the answer. その答をとても知りたがっている。
s← ←v (interestedは形容詞化した過去分詞)
--------← ←----------------
S V C --------A--------- (to不定詞、副詞的用法)
Thank you, I'm very gratified to hear that. 有難う、それを聞いてとても喜ばしいです。
s← ←v (gratifiedは形容詞化した過去分詞)
-------← ←----------
S V C -----A------ (to不定詞、副詞的用法)
= Thank you, it's very gratifying to hear that.
s← ←v (gratifyingは形容詞化した現在分詞、現在進行形ではありません)
S V C ---真主語--- (itは形式主語、to不定詞は名詞的用法)
He was not certain which way he should take. 彼はどの道をとればいいのか自信がなかった。
s← ←v
-----← ←----------------------
S V C ----------A------------- (wh節)
Are you aware what kind of man he was? 彼がどんな風の人だったか気づいているのか。
V S C ----------A------------ (wh節)
= Are you aware of what kind of man he was?
V S C -------------A------------ (of+what節)
■受動態に類似するSVCA
過去分詞が形容詞化したものは、後ろにby〜以外の前置詞がきます。
また、veryなどで修飾することができます。
I was (very) surprised at you. 君にはほとほと呆れた。
-------← ←----
S V C ---A-- (suprisedは形容詞化した過去分詞)
We were (very) surprised to see that photo. その写真を見て驚いた。
S V C ---A------------- (suprisedは形容詞化した過去分詞)
I am (very) interested in chess. チェスに大変興味を抱いている。
S V C ---A---- (interestedは形容詞化した過去分詞)
She is (very) interested to know the answer. その答をとても知りたがっている。
S V C ---A-------------- (interestedは形容詞化した過去分詞)
以下の文は、過去分詞の後ろにby〜がくる普通の受動態です。
詳しくは◆Tips(その2) ◇受動態:動詞的受動態と形容詞的受動態(SVCA)の区別を参照して下さい。
I was surprised by a knock at the door. ドアをノックされてびっくりした。
S ------V------ (suprisedは他動詞の過去分詞)
I was interested by what you told me. 君の話に興味をそそられた。
S ------V------- (interestedは他動詞の過去分詞) ■