日々のエッセイ

 寒くなりました。気のはやい街では、もうクリスマスやお正月を謳った広告があふれ、急かされます。が、11月は11月の景色を楽しみたいですね。 色でいうと、明るいグレイのイメージを持つ11月。赤や黄色に染まった街路樹をひきたてる色。

  

 11月1日は「わん、わん、わん」と読んで、犬の日だそうです。犬の日にちなんだ、ちょっと切ない物語を、『新作の嵐』サイトに掲載して頂いています。絵は、小野寺美樹さん。先に絵があって、それに文を付けました。ボルゾイとダックスフンドがじゃれあう様子を「初恋」」に喩えて書きました。ぜひ、読んでみてください。

   

 新しい豆本が出来ました。『チョコレートの王冠』です。自由を求める王子さまが、急に王位を継ぐことになり、「なら、王冠はチョコレートで作って」と、せがんだことから、とんでもない展開へ。
 装画・挿絵は、広瀬摩紀さんです。

  

  この豆本には2つ物語が入っていて、もう一編は、好奇心旺盛なペンギンが主人公。“自分は人間”と思っているペンギンの絵が可愛いです。
 広瀬摩紀さんは、TASC Monthlyの表紙画や、茅ヶ崎市民文化会館のロゴイラストなどを手掛けていらっしゃり、エスプリの効いた絵が魅力的。お会いした時に、フランスの美術学校時代のお話をいろいろ聞かせていただき、面白かったです。日本の学校と違い、ヌードデッサンのモデルに、年老いたムッシュやマダムもいて、シワのひとつさえカッコ良く、デッサンに力が入る、とのこと。人生を刻んだシワ、いいですね。

  

 12月には自由が丘で展覧会を開かれる広瀬さん。再会できるのを楽しみにしています。豆本は、ミンネサイトで販売中。

 読書の秋に、村上春樹ライブラリーを訪れました。

 
 

 エントランスから、ワクワク感を誘います。村上春樹の作品は、有名なものはいくつか読みましたが、こんなにもたくさん世に出ていて、世界各国で翻訳されているんだなぁ、と再認識する本棚。

 
 

 随所に、本をゆっくり読めるスペースが設けられています。
 
  

 こんなテーブルやイスで本を開けば、ハルキワールドにどっぷり感情移入できそう。

 
 
 空想力をかきたてる、真っ白な顔なし人形が、あちこちにいるのも可愛いな。

 

 これは、トイレのマークなのですが、見慣れたピクトさんじゃないところが、目を引きます。
 春樹ファンじゃなくても、じゅうぶん楽しめる図書館。秋の散歩に、いかがですか?

 読書の秋、人生を変える一冊にめぐりあえるかもしれません。
 良い秋を!
 
 2025年11月

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