日々のエッセイ

 いよいよ2025年もラスト1ヶ月となりました。クリスマスで華やいだ街を歩くのは、ウキウキしますね。

    

  
 
いつの時代もクリスマスに届くカードは、ロマンティックな夢が託されています。代官山蔦屋で見つけた中原淳一カードは、絵柄から推測すると、昭和10年代前半のイラストを復刻したものでしょうが、とても可愛くて、自分用に買いました。
 腕を左右から通す筒形のアームウォーマーは、昔の少女画によく出てきます。時代を映すファッションも、絵が教えてくれます。
 このカードは、背景の雪景色が別の薄紙で、とても手がこんでいて、特別感があります。当時の女の子たちは、こんなカードを友だち同士で贈って、クリスマスを心待ちにしていたのでしょう。

   

 
 
12月は年賀状作りに忙しくなるのが恒例でしたが、最近は年賀状じまいをする人が増えたので、時代は変わったなぁと思います。私は紙物が好きなので、続けようと思っていますが。
 郵便事情の変化で、デンマークでは今年末でポストが廃止されるとのこと、長い歴史の街角ポストが消えるのは寂しい気がします。
 日本には、まだちゃんと、ポストがありますから、お手紙文化を盛り上げていきたいところです。でも、若い世代は、手紙よりメールでしょうか?
 と、思っていたら、そうでもなさそう。
 なぜなら、全国の“お手紙カフェ”は、連日、若い人たちで満席と聞いたので。

   

 蔵前にあるお手紙カフェ『封灯』へ行ってきました。平日の夕方に訪れたら、やっぱり満席で入れなかったのですが、中をのぞかせてもらいました。
 ここでは、“1年後の自分”に向けて、お手紙を出すことが出来ます。封筒や便箋、イメージカードなどを、お茶とともに提供され、封にはシーリングワックスを押せます。


  


 ズラリと棚に並んだお手紙たち。圧巻です。書いた人が1年後に受け取りに来るまで、ここできちんと保管されるそうです。封を開けた時、365日経って、成長した自分を実感できるかもしれません。

  

 12月に読みたい絵本は、『モーションシルエット』。数年前のクリスマスに頂いた本ですが、冬の夜にぴったりな幻想的な絵本。

  

 
 
造形が素敵な絵本です。「かげからうまれる物語」というサブタイトルからわかるように、ページのまん中に向かってライトを当てると、白紙の部分に影が浮き出て、画面が完成されます。
 たんぽぽの綿毛を飛ばす女性、オバケに追いかけられる少年、月を目指して走り出す汽車・・・、クリスマスの夜は、部屋の電気を消して、絵本の世界へ入り込んでみるのも楽しそう。

   
 
 
12月は贈り物の季節。手作りのものをラッピングする機会もあるのでは? 私が20代の頃、童話よりもイラストの仕事がよく入ってきて、当時、こんなイラストを書いていました。横浜ハンズの店内に「ご自由にお取りください」と置いてあるリーフレット。果たして、これで本当にきれいにラッピング出来るのか・・・。でも、良い思い出です。

   

  楽しいクリスマスシーズンをお過ごしください!


 2025年12月

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