日々のエッセイ

 桜の便りで各地に春が広がっていきます。お花見に行きたいけれど、花粉症が気になる・・・という人も多いのでは? 私も少し花粉症が出ています。

         


 イースターの飾りも、よく見掛けるようになりました。カラフルにペイントされた卵やうさぎがシンボルとなるイースターは、キリストの復活を祝う日で、春分を過ぎた最初の満月の次の日曜日に設定されます。なので、今年は20日になるそうです。
 フランスでは、4月1日が魚に関する小さないたずらをしてもいい日らしく、誰かの背中にそっと、魚型に切った紙を貼り付けたり。ポワソンダブリルという、魚型のお菓子がケーキ屋さんの店頭に並び、魚で春を招くようですね。

         


 コートをクリーニングに出して、さぁ春のスタイルへ。レースで春を呼ぶのはいかがでしょう? ベルギーで盛んなボビンレースを扱うお店の前を通りました。(夜で閉まっていたのが残念。でもウィンドウから見るのも素敵でした) レースの型が描かれた台紙にピンを刺し、”ボビン”と呼ばれる木製の糸巻きを交差させながら、細い糸を編んでいく技法です。手作りならではの繊細さや、あたたかみを感じるレースは、品があって美しいですね。

         

 本を愛する人なら、春のお出掛けに『市ヶ谷の杜 本と活字館』が楽しいのでは? 大日本印刷の古い建物(なんと大正末期に建てられたもの)を整備して、活字文化を楽しむ場所として公開されています。実は私、新卒で三年間、この会社の商業印刷部署の営業開発で働いていたことがあり、当時は市ヶ谷工場へもよく顔を出していたのですが、街もビルもすっかり綺麗になっていて驚きました。でも、工場で働く人たちの制服はあまり変わっていなくて懐かしい。

         
 

 活版印刷のプロセスが楽しみながら理解できるようになっています。上の写真は今ではもう見る機会も減った、活字を拾う作業台。すごく小さな活字をピンセットで拾っていく作業は、どれだけ根気がいたのでしょう。熟練の職人さんが、いとも簡単にスイスイ活字を拾う様子が、映像で見られます。大きなスクリーン上で、自分で活字を拾う”バーチャル職人体験”もでき、当時の”本を作る情熱”を身をもって知ることができます。

         

 見学に疲れたら、”活字ベンチ”で、ひと休み。レトロな建物によく似合う、ユニークなベンチです。館内で売られている珈琲を手に、ゆっくりパンフレットを読むこともできる憩いの空間です。

         

 赤いボディがオシャレな卓上活版印刷機は、イギリス製。実際に栞作りに挑戦してみました。ローラーのついたハンドルを軽く何回か上下させ、丸いインク盤のインクを版にのせていきます。最後にハンドルをグッと下まで下げると、紙にしっかり色がつきます。なんだか、昔、使っていた”プリントごっこ”を思い出させます。でも、こちらは色ののり方が本格的。

         


 出来た! 青と黒の二色刷り(シアンとブラックというほうが印刷屋さんっぽいかな) 活版印刷は、色をのせた部分にポテッと厚みがある感じがして、すごく良い風合いです。レーザープリンターでは出せない味があるのです。だから、活版にこだわるアーティストの方々もいらっしゃるのですね。 この栞、乾くまで一週間かかりますが、もうすっかり乾いたので、文庫本のお供に連れて歩きます。

         
 
 同じ市ヶ谷の、少しだけ離れた場所にある、DNPプラザも、本と遊べる場所。さまざまな企画展示をやっていました。ダンボールの本棚があって、組み立てが簡単そうだし、本が増えるたびに形を変えられそうだし、引っ越し時には捨てられるので、いいアイディアだなと思いました。

         

  今年の桜、皆様、どんな想いで見上げているでしょう。 今年咲いたばかりの、綺麗な桜の写真を頂いたので、時期が過ぎても楽しめそうです。 春は、何か、ワクワクするような新しいことが始まる予感。 良い春をお迎えください!

  2025年4月
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