日々のエッセイ

 本格的な秋になってきました。とは言っても、気温は例年より高め。昼間はコートが要らない、11月らしくないお天気の日もありますね。いつも車で通るイチョウ並木も、今年は色づくのが遅そうです。

  


  今月は、新しい本が出来ます。本屋さんに並ぶのは、11月下旬くらいでしょうか。秋色に染まった木々や町の様子も美しい表紙は、北見葉胡さんが描いてくださいました。

  

 『窓の向こう、その先に』(岩崎書店)というタイトルの、小学高学年向きの児童書です。物語は秋からスタートして、クリスマスシーズンを経て、翌年の5月まで続きます。出会いと別れの物語。友情に向き合う物語。ハッピーエンドばかり書いていた私としては珍しく、この作品ではバッドエンドの先に見える希望、のようなものを描いています。

 

 エイジ・ギャップ・フレンドへの理解や、児童虐待に気付いた時の対処という難しい問題にも、私なりに触れていて、創作中は子どもの目線でいろいろ考えました。何が正解かわからない問題に直面し、とまどい、やがて後悔を知って、主人公の少女は少しずつ大人になっていきます。

 


 主人公の大好きな場所は、自分の家の窓辺。窓のイメージは、父の書斎の縦長の窓です。インドアプレーンに凝っていた父は、手作りの飛行機をいくつも天井からぶら下げていて、機能的なアトリエといった趣。この窓から都会の空を見上げて、飛行機を作っていたんだろうなぁ、と思います。

 

 その窓をモデルに、この絵を描いていただきました。イメージにぴったりです。透けた紙に印刷されているので、中表紙の電車が窓からのぞける仕掛けになっているところが素敵です。

  

 この本の刊行を記念して、12月1日(土)の午後2時から4時まで、カフェ・パパさん(千葉県習志野市)にて、編集担当の山田さんと私とで、トーク・イベントが行われます。本が出来るまでの話や、表紙が決まるまでのプロセスなど、「本作りって、こんなふうなんだなぁ」と思っていただけるイベントになると思います。
(おかげ様で、満席となりました。ありがとうございます)

 


 散歩道の片隅に、こんな猫の出入り口がありました。壁が猫型にくり抜かれていて、可愛いシルエット。通っている猫ちゃんを見てみたいな。

 

 
こちらの道は、夜になるとスポットライトが浮かびあがり、通る人をみんな、舞台の役者さんに変えてしまいます。最近はやりのロゴライトの一種かなぁと思うのですが、楽しい計らいですね。

 
今年もあと、たった2ヶ月。いいえ、まだ、たっぷり2ヶ月もあるのですから、今年のうちにやりたい事をたくさんチャレンジしていきましょう!
 

 2024年 11月

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