あんなに暑かった夏がストンと過ぎてしまい、最初は拍子抜け感がありましたが、この時期になると、さすがに秋に馴れてきました。暑くもなく、まだ本格的な寒さにもならない今の季節を、ゆったりと味わいたいですね。
彼岸花の群生地へ行きました。彼岸花というと赤のイメージですが、実際には白や黄色やオレンジなど、いろいろ咲いています。今まで、各地で彼岸花を見てきましたが、物悲しい秋に咲く、毒性を持つ花というマイナスイメージがどこかあって、寂しい花のように思っていました。 が、今回、ここを訪れて、イメージがガラリと変わりました。というのは、とりどりに着飾ったコスプレーヤーたちが楽しそうに集まって、花を背景に写真を撮り、すごく陽気な空気が流れていたからです。大輪の花に顔を寄せ、陶酔しきって”自分らしいビジュアル”を作るのに夢中な若者たち。モダン着物やダテ軍服に、赤い和の花は絢爛にマッチして、新鮮に映りました。 花畑の中央には、こんなピンクのドアも設置され、自由に使える撮影の道具になっていました。
秋といえば、読書の秋。
今年は、御書印帖を持って、個性派本屋さんをめぐっています。
昔、秩父で御朱印めぐりをしたことがありますが、これはその本屋さんバージョン。御朱印は、神社仏閣を参拝して、その後に朱印を頂き、記念に持ち帰ります。御書印は、参加書店に行って、「御書印、お願いします」と頼むと、300円でお店独自の朱印とメッセージを入れてくれます。
最初の朱印は、いつもお世話になっている絵本専門店『くわのみ書房』さん、と決めていました。最初に頼んだ書店で、この御書印帖を頂けるので、自分で用意する手間が要らないのが便利です。良書と美味しいコーヒーと専門知識の高い店主さんとの会話を楽しめる本屋さん。
次に訪れたのは、広々とした店内に、アート系の本や旅の本などが揃った『プント』さん。オーナーは、ご主人がグラフィックデザイナーで、奥様がスペイン語の通訳をなさっているそうで、店内の本もこだわりがいっぱい。 キャラクターのプントちゃんが可愛い朱印です。
このお店のそばに、こんなオブジェがありました。これ、西新宿の高層ビルの前にも巨大なものが昔から置いてありますね。
かつて東京新聞でコラムを書いていた時、LOVE像をピックアップして、取材した覚えがあります。ロバート・インディアナが手掛けたパブリック・アートだそうで、今でも待ち合わせの目印として活用されています。ここにあるのは、それをうーんと縮めた、住宅街向けサイズ。周りの木々によく似合っています。
これは、『草舟あんとす号』さんのロマンティックな朱印。草花に関する本や雑貨が並ぶ、素敵なお店で、以前、フランスガムさんの展覧会が書店内で行われ、その時に初めて訪れました。朱印がフランスガムさんのデザインしたロゴだと聞いて、ふたたび小平へ。店主さんはタロット占いも専門的にやっているそうで、ちょうど占いの最中にお邪魔してしまったのですが、快く描いてくださり、このお店ならではのお洒落な朱印が気に入っています。
こちらがお店の全景。植物をかたどったフェンスも、草花の専門書店らしさにあふれていますね。このお店の隣には、ヨーロッパ風なお菓子屋さんや花屋さんが並んでいて、とても可愛い一帯です。
御朱印帖を手に、本屋さんめぐり、これからも続けていきたいです。
コスモスの季節、うちのベランダには鉢植えがあります。意外と育てるのが難しいけれど、そよ風にユラユラ揺れる様子が、いかにも秋という風情。
来月、新刊が出ます。『窓の向こう、その先に』(岩崎書店)です。物語にぴったりな絵を描いてくださったのは、北見葉胡さん。
ネット書店で、予約が始まっているようです。
そして、12月1日(日)の午後2時から4時まで、京成大久保駅(千葉県)からすぐの『カフェ・パパ』さんにて、この本のトーク・イベントが開催予定です。担当編集者さんと私とで、本が完成するまでのあれこれを、楽しくおしゃべり出来たらと思います。
企画は『くわのみ書房』さん。(オーナー 那須庸仁さん 電話047-419-3567) 来月のHPで、詳しい事をお知らせしますね。 年末のお忙しい時期になりますが、是非、遊びにいらしてください。
トーク・イベントの後は、美味しいケーキとお茶を楽しめるそうなので、私も今からワクワクしています。
さわやかな秋を!
2024年10月
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