日々のエッセイ

 先月末は十年に一度の大寒波がやって来て、「今日も寒いね」が合言葉でした。皆さまのお住まいの地域は、いかがでしたか? 大雪に悩まされている方もいらっしゃることと思います。春が待ち遠しいですね。

      
 花屋さんや雑貨屋さんの店先に、ミモザを見掛けるようになりました。黄色い可愛らしい花の姿に、春の予感。近所には、ミモザをリースにしてドアに飾っているお家もありました。鮮やかな色で、見ているだけで元気がむくむく湧いてきます。

        

  寒さで乾燥しがちな手に使っているのが、『とちおとめ』というハンドクリーム。苺のエキスが入った、ほんのりピンク色の伸びの良いクリームで、本当に苺の香りがします。美味しそうだし、手もしっとりするので、気に入っています。

       

 木曜日に街を歩いていたら、こんな看板に出くわしました。『木曜日は本曜日』と書いてあります。本曜日の「本」の文字は、「木」と「ページを開いた本」が重なって作られています。へぇー、木曜って本を読むのにぴったりな曜日なんだな、と納得。「今週もあと一日」の仕事が済めば、お待ちかねの週末! 夜はゆったりした気分になれそうで、本を開く余裕も生まれそう。このキャチフレーズが浸透すれば、木曜の本屋さんは賑わうかも。

     

     

  今月は冬の豆本『夜の家具屋』を作りました。閑散とした夜の家具屋に整然と並んだ家具たちを眺め、主人公は「あのソファ」「このテーブル」がもし家にあったなら、私の人生(家族関係)は変わっていたかもしれない・・・と、切なく過去を想う物語です。私にしては暗めの話かな。白いインクのペンが手元にあったので、暗い色の紙を使って何か描きたいと思い、作り始めました。新宿の大きな家具屋さんに閉店ぎりぎりに駆け込んだ時の風景が、モチーフになっています。
 春になったら、春の豆本も作りたいな。

 下の写真は、先日、安珠さんの写真展を観て、印象深かった一葉です。様々な国の女の子たちが(一人の少女の扮装ですね)同じ本を熱心に読んでいます。これ、私も小さな頃、買ってもらった本で、今も本棚にあります。

   

  本のタイトルは『どうぶつ会議』。ケストナーの名作です。人間たちの平和会議がなかなかまとまらないのに業を煮やして、全世界の全種類の動物たちが立ち上がり、「子どもたちのために!」をスローガンに、平和な社会実現のため、奔走するお話です。

     
 戦争の無い世の中を創りたい! 子どもたちが安心して暮らせる未来を創ろう! という強い気持ちがどのページにも表れています。もう 七十年近く前に書かれた物語なのに、防衛費を増額しなくちゃならないような現代にうってつけの絵本かもしれません。

    
 動物会議で、新たな平和条約が決まり(その内容もぜんぜん古びていません)、動物たちがかくまっていた全世界の子どもたちを、親たちの元へ返す準備が整い、大人たちが平和を心底喜ぶシーン。現実の世の中も、こんな展開になってほしいものですが・・・。

    
 本にはさまっていた、9才の私が書いた読書感想文。本の表紙を模して表紙を作っていました。岩波書店のこの本は、全ページに挿絵があるので、それが一番嬉しい、と当時の私が書いています。ラストで「会議開催日」を知らせるミミズが、地球を堀り進み、やっと反対側にたどり着いたものの、会議はとっくに終わっていた、というコミカルなオチにも注目していました。感想文の最後は「おもしろかった! いうことなし。どうぶつのみんな・・・! バンザーイ!」と結んでいました。

 さて、毎年3月に川越のギャラリーウシンさんで開かれるBOOK展に、今年も参加します。今年のテーマは、昔懐かしい「ガリ版」。オーナーさんがネットで、アンティークなガリ版機を手に入れたエピソードから、今年の企画展の構想が生まれました。ガリ版って、知らない方も多いでしょうね。私が小学生の頃は、まだ学校にガリ版機がありましたし、大人になってからも”プリントごっこ”というガリ版の進化系みたいなミニ印刷機で年賀状など作っていました。今は昔、ですね。
         
 ガリ版にまつわるショートストーリーを5編、作りました。一つの物語に一つの絵がつき、その絵も下手ながら自分で描きました。上の作品は、若い男の先生が夜の教室で、せっせと遠足用の歌集をガリ版で刷っていると、月の子と名乗る女性が手伝いに来て・・・、彼女は幻? それとも現実? というようなラブストーリーです。

  BOOK展は3月15日から4月8日まで、キャラリーウシンにて。来月のHPで詳しいことをお知らせしますね。

     
 写真はジャガイモの袋、ではなく、実はチョコレートなのです。フランスのお菓子屋さんが考えた、ユニークなチョコ。中にはジャガイモそっくりな小さなチョコが詰まっていて、ギフトとして渡すと面白がってもらえそう。2月14日はバレンタインデー、チョコレートの季節です。最近は、気になる男性にあげるのではなく、自分へのご褒美として高級チョコレートを買う女性が増えているとか。確かに、この時期のチョコレート売り場は、種類も豊富だし、パッケージもグレードアップされていて、ついつい何個も欲しくなりますね。誰に贈るにしろ、ハッピーな気分になれたら、それで良し!
 寒い2月も、大いに楽しみましょう。

 2023年2月
 
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