日々のエッセイ

 あけましておめでとうございます。
 今年は卯年。跳躍の素晴らしいウサギさんみたいに、ピョーンと気持ち良くステップアップする年にしたいですね。
       
 日本画の和紙で、うさぎを折ってみました。折り紙なんて何年ぶりか・・・。いつもは干支鈴を飾りますが、年末に探したら、なぜかうさぎだけが見当たらず、急遽、作りました。うさぎの鈴、どこで遊んでいるのやら・・・。

       
 お正月に着物をまとう若いお嬢さん、美しい絵になるはずですが、街ではあまり見掛けないですね。それで、和装のお人形たちに登場してもらいました。着物を着ると、仕草も自然にたおやかになりそうです。

  今年は暖冬かな、と思っていましたが、1月になるとやはり寒さは厳しくなってきます。寒い季節をぬくぬくと温めるものといえばーーー薪ストーブとか、湯気のたつお鍋とか、それに毛糸!
         
 店先に暖かそうな毛糸の小物を並べたお店がありました。窓ごしにテーブルが見えて、いっけんカフェかなと思ったのですが、どうやら毛糸の専門店のよう。テーブルについて、編み棒を楽しそうに動かしている人たちがいます。
         
  暖かいお店で、棚いっぱいに並んだ毛糸の中から好きな色を選び、テーブルについて熱いお茶を飲みながら編んでいくと、心まで温まりそう。編み方がわからなくなったら、教えてくれる人もいるでしょうから、一人でやっているより効率がいいかも。

         
 糸で編んだ可愛いバラの栞を、姪が作ってくれました。花の部分を文庫本の上にちょこんと出して使います。本に花が咲いたみたいで、読書が進みます。

         
 さきほどの毛糸屋さんの近くに、静かで小さな公園があるのですが、その中にウッディな不思議な造形物を発見。 なんだろうと近付いてみると、なんと公衆トイレでした。山小屋風な個室が五つ並び、遊歩道めいた小径までついています。そういえば渋谷区内には、建築家がデザインしたアートなトイレが幾つもあると聞きますよね。これもその一つなのでしょう。まるで冒険心をそそる遊具みたい。実はこれ、かの有名なオリンピック競技場を作った建築家さんの作品。入り口のトイレマークも、内装も、木の風合いを活かしたデザインになっていました。珍しくて、写真を撮ってしまったけれど、公園にいた子どもたちはもうすっかり見慣れているのか、目もくれずにバトミントンに興じていました。

          
 この絵本は、百年以上前のイギリスでの暮らしが描かれた、素朴で親しみやすい回想記です。『ミス・カーターといつもいっしょに』(暮らしの手帖社)を描いたヘレン・ブラッドレイは、六十才を過ぎてから、孫たちに自分の子ども時代の様子を伝えようと、絵筆を執り始めたそうです。大型絵本で、どのページにもたくさんの人たちが細かく描かれ、その中から七才のミス・カーターを探すのも、子どもにとっては楽しい遊びになることでしょう。イングランド北部の、小さな町には、百年前でも汽車が通り、家族で繁華街のモダンなお店にショッピングへ出掛けます。ママさんたちは、知り合いの恋の行方を噂したり、女性参政権を獲得するためのミーティングに参加したり、なかなか行動的。そのくせ夫の前では昔気質な控えめな面を見せて、家庭の平穏を守ったりもします。遥か遠い時代のお話なのに、根っこのところは今とあまり変わらないのかもしれません。

          
 祖父の家へバカンスのためにやって来たミス・カーター。海で遊ぶのを楽しみにしていたのに、あいにく満潮で浜に出られません。その代わり、桟橋で行われたピエロのショーを見ることが出来ました。ピエロたちは歌います。「1909年がくりゃ、おれらはみんなスッてきに楽しくなる。なぜって、ほら世界はオイラのもの。1909年には」 ピエロが歌うのは、来年への希望の歌。いつの時代にも、皆は来る年への期待を抱いています。1909のところを、2023と代えて読んでみるのはどうでしょう?

 今月、作った豆本は『ピーコック・プライド』というタイトルの、14編の物語集です。
       
 一編ずつ、モノクロの絵がついています。ちょっと不思議な、ちょっと怖い物語ばかり。装丁は、チョコレートのイメージかな。今年も豆本作りは、続けていきたいです。

                  
 うさぎをかたどったドーナツを頂きました。可愛くて食べちゃうのが惜しくなります。
 卯年は、元気に、陽気に過ごしたいなと思います。新しい手帳に、素敵な予定をたくさん書き込みたいな。私は手帳を日記代わりにしていて、18才くらいの時から、毎日、短く書いています。過去の手帳を開くことはめったにないですが、たまに掃除で見つけて、開いたりすると、その日の出来事が写真よりも鮮明によみがえります。言葉の力って、すごいな。今年も嬉しいことをたくさん書きたいです。
 皆様の2023年も、良い年になりますように!

 2023年 1月
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