日々のエッセイ
 秋もだんだん深まってきますね。過ごし易い季節になりました。私のほうは、真夏の頃から顔全体が赤く腫れ、市販薬で治していたら、良くなったり悪くなったりの繰り返し。さすがに長く続くので、皮膚科で診てもらったところ、マスクによる接触性皮膚炎らしいです。顔には、水以外は何もつけない生活。スキンケアはしなくていいの?と不安になりますが、肌は順応性があり、乾燥も気にならず。巷で「肌断食」という言葉を聞きますが、これがそういう状態なのかな?と、
続けています。
                  

 十月の最大のイベントといったら、ハロウィン。町のあちこちでカボチャのオバケたちを見掛けます。上の写真は、公園にたたずむカボチャのかかし。今にも踊り出しそうな雰囲気です。ケーキ屋さんへ行くと、カボチャを使った季節限定の美味しそうなケーキがいっぱい。つい、買いたくなってしまいます。

                    

 去年のハロウィンの日には、こんな食卓にしました。メインは、かぼちゃのドリア。ハロウィンのために、ネットでもさまざまなレシピが出ているので、作り易そうなものや、身近な材料で出来るものを選んで、今年も何か作ってみようかなと思います。去年よりグレードアップさせたいなぁ。

                    
 ギャラリーウシンで約一か月間、行われていた絵封筒展が終了しました。私もロボット型手紙で参加しました。会場では、オーナーさんがこんなふうに、大きな封筒の装飾で各作品を彩ってくださり、”夢あるお手紙”の世界が広がっていました。ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。

                    
 雨降りの秋の日に、久しぶりに本の街、神保町を歩きました。今回、見てみたかったのはシェア型書店の『パサージュ』。パリのアーケード街が店名になっているだけあって、半円型にくり抜かれた壁やシャンデリアの灯りが、どこかフランス風で小粋。ここは仏文学者の鹿島茂さんがプロデュースした本屋さんで、小さく区切られた本棚の一つ一つが、”個人書店”なのです。月額料金を払えば、誰でも本屋さんの店主になれるというわけ。こだわりの古本や魅了的なZINEなど、普通の本屋さんでは探せない本に出会える場所です。本棚を見れば持ち主の個性がわかる、と言われるように、それぞれの棚に”その人の表情”が見えてくるようです。
                     
 神保町にはブックホテルもあるんですね。本が建物になっているロゴが可愛い。何も用事が無くても、こういうところに泊まって、本を読むだけの時間を作るのは面白いかもしれません。日常の中での読書は、ページを開いていても「あ、あれをやらなきゃ」とか「これを忘れてた」なんて雑念が入ることが多いですから。
                   
 部屋のいくつかは、人気漫画とコラボしているみたいです。フロントにも本棚があり、本好きならワクワクしそうな場所です。泊まった後に、本屋さん街を歩くにも便利。
                     
 神保町のガードレールは、開いた本がデザインされています。絵柄には2パターンあり、もう一つは”羽ペン”でした。本の街ならでは、ですね。

                   
 場所が変わって、こちらのポストは千駄ヶ谷駅のそばにあります。ゴールドのポスト。いつも車で通る道にあったのに、初めて気がつきました。オリンピックで活躍した金メダリストを称えるために、選手や監督のゆかりの地に設置されているようですね。ここは競技場の前なので、東京オリンピックの余韻を楽しむ人たちが、ポストとともに写真を撮っていました。写真では、へこんだ部分が黒く映ってしまいますが、全部金色で、まばゆいです。

             
 ハロウィンを表した絵は、安西水丸展で観たものです。水丸さんの絵、懐かしい。三十年くらい前は、この画風を見ない日は無いくらい、本や雑誌の表紙、新聞広告、ポスターが日常にあふれていました。今見ると、ちょっとレトロ感があり、のんびりしていて、そのシンプルさがますます心地良く思えます。ここに描かれている本は、水丸さんとよくコンビを組んでいた村上春樹さんの『ランゲルハンス島の午後』ですね。私も発売当初に買った本で、探したら今もあり、再読しています。
              
 こちらが実際の本の表紙です。絵に描かれた本と色が違うだけで、まるで別の本のような印象です。表紙を開くと、水丸さんのサインやポストカードが出てきました。紙媒体の本は、当時の空気感がひっそりはさまっているところがいいなと思います。

              
 今月、読んだ絵本は『森のささやきの標本室』(A&F)。クラスメートとの会話に入れない繊細な女の子が主人公です。図書館で過ごしていたら、本の中からささやき声が・・・。女の子は声に誘われ、森のページの中へと迷い込みます。さまざまな森の音たちが、文字になって流れるように描かれているのが素敵です。

             
 この絵本に出てくる庭のティータイムの様子。そういえば私は、ティータイムの場面がある絵本を多く買っているような・・・。きっとそういうシーンに魅かれるのでしょうね。画面で、お茶をサーブしているのは、霧のおじさま。霧がたちこめると、すべての音が吸い込まれ消えてしまいます。森の中では、その静寂さも大切なのだと教えられます。夜と緑の優しい絵本です。

              
 読書の秋、お気に入りの本を見つけて楽しんでくださいね。

 2022年10月

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