日々のエッセイ

 2022年 寅年が始まりました。良い年になりますように。今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

        
 年賀状に虎の絵を描きました。トラのトランペット・・・。ダジャレです。今年は明るく楽しく暮らそうと思っています。

         
 頂いたクッキーは、干支バージョンの缶入り。中に小さな絵本まで入っていて、頼もしいトラが世の中の禍を消し去り、猫たちの暮らしに漸く日常が戻って、長いこと会っていなかった仲間たちと再会、パーティーが開かれるところが描かれています。現実の世の中も、そうなってほしいですね。

          
 年明けは改まった雰囲気になって、手紙や葉書に名前の印を捺したくなります。名前の一文字を刻んだ篆刻は、母が作ってくれたもの。こんな硬い石を刻むのは大変そうですが、「そうでもなかったわよ」と言われました。印を捺すと、ちょっとしたサインもそれらしく見えます。

          
 お正月に着物を着ている人を見掛けることも少なくなりました。でも、今月10日の成人の日には、式に出るため着物を着る人が多いのでは? モダンにアレンジされた令和の着物姿は、襟元にレースをあしらったり、パンプスと合わせたり、帽子をかぶったり、普段のファッションの感覚が盛り込まれていますね。自由で、遊び心いっぱい。いいなと思います。

          
 小学校の校庭で、児童たちとその親たちが凧あげをしていました。うまくあがるたびに、子どもたちの歓声。首が痛くなりそうなほど曲げて、凧の行方を追っている子どもたちの真剣なまなざし。昔ながらの遊びもやっぱり楽しいですね。一緒に見上げているうち、爽快な気分になります。

         
 最近、移動図書館をよく利用しています。たくさんの本を積んで、町のいろいろな場所に時間差で停車していくバスのことです。ネットでリクエストしておいた本も運んで来てくれるので、わざわざ図書館へ出向かなくても、家に近い停車場で本を受け取れる便利なシステム。バスに積まれた本は、たいてい話題作や人気作なので、特に読みたい本がない時も、ふらりと寄ってみると、面白い本に出会えます。バスの本屋さんも、ときどき見掛けますよね。上の写真は、アート系の素敵な本を集めた移動本屋さんです。

         
 フランスの新年を祝うお菓子”ガレット・デ・ロワ”をテーマにした絵本を読みました。『王さまのお菓子』(世界文化社)です。パイの中に、フェーヴと呼ばれる陶器の小さな置物が一つ入っていて、切り分けられた自分のケーキに、そのフェーブが入っていたら、「王様」になれます。 ケーキにはたいてい、紙で出来た王冠がついて売っているので、フェーヴを引き当てた子は王冠をかぶって、一年間の幸せが約束されるそうです。
 この絵本の帯は、取り外すと王冠に早変わり。絵本のカバーの下には、デザートを食べ終えた後の様子が隠れています。お菓子の甘い香りが漂ってきそうな、あたたかなお話です。レトロなパステルカラーの色調も、優しげ。

          
 何年か前に食べたガレット・デ・ロワから出てきたフェーヴは、猫と、アルルカン風な人物の顔。大切にとってあります。この絵本を読んだら、今年も食べたくなりました。1月の上旬なら、近所のケーキ屋さんでも売り出しているようですから、買ってみようかな?

 実家で本棚の整理をしていたら、大学の卒業文集が出てきて、そこに何十年も前の私が、この和歌を選んで”人生の門出”の決意を書いていました。「かたしとて 思ひたゆまば なにごとも なることあらじ 人のよの中」 これは、明治天皇が作られた和歌ですね。たぶん、実家から近かった明治神宮で新年のお参りをして、おみくじを引いて、そこに書かれていた歌が好きで覚えていたのでしょう。今年の私の気分と通じるので、この歌を時々くちずさんでみよう、などと思う2022年の始まりです。
 
 笑顔あふれる一年にしましょうね。

 2022年 1月
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