日々のエッセイ

 寒くなりました。今年もいつの間にか月ごとのカレンダーが、あと二枚。初冬だけれど、十一月はまだ暖かい日も多いので、お散歩日和になるかも。

        

 11月15日の七五三の参拝者用でしょうか、神社の境内にこんなオブジェが登場していました。数字の真正面からカメラを構えれば、ちょうど本殿が写るようになっていて、可愛い着物姿の子どもたちがたくさんポーズをとることでしょう。スーパーでも千歳飴が並んでいますね。薄いピンクや白の棒状の飴、食べたのはいつだったかなぁ。

        
 豆本作り、秋も続けています。コロナ禍の趣味として初めたのですが、楽しくて、いつの間にか10冊超え。

        
 今月はこんなものを作りました。タイトルは『ペンパル』。この言葉、今ではすっかり廃れてしまいましたね。訳すなら、文通友だち、かな? その昔はよく使われていました。メール時代になって、手紙を書くこと自体減ったので、「文通」という日本語だって知らない人も増えたのでしょう。でも、この本のタイトルは、敢えて昔ふうに『ペンパル』。

        
 文字を覚え始めたばかりの女の子が、文通してくれる友だちを探そうと、ポストに手紙を入れます。すると、何もかも好みがそっくりな同い年くらいの女の子から返事が来て・・・。さて、この文通、うまくいくでしょうか?

        
 このページが自分では気に入っています。女の子が「好きな食べ物」として、文通相手に「ビスケット」を紹介するところです。見てのとおり、絵は、アップリケや紙片のコラージュ。実は、吉祥寺に行った時に、素敵な布屋さんがあって、入ってみたら可愛いアップリケがたくさん売っていました。エッフェル塔やコケシなど、8種類を選んで買ってきたので、「これで何か作れないかな?」と思いたち、この豆本が生まれました。全部のアップリケを使い切るように、文章を考えるのが楽しかったなぁ。

                  
 街の中の小さな博物館をめぐるのが好きです。『ちいさな硝子の本の博物館』は、一見、ふつうのお店みたいですが、入ってみると手作りガラスにまつわる書物や、職人さんの書いた貴重なノートなどが並んだ、れっきとした博物館。ガラス関連の書物は、約850冊所蔵されていて、店内で自由に読むことが出来ます。

                  
 古い『キンダーブック』を見つけました。テーマは、もちろん硝子。あたたかみのある絵は、武井武雄さんによるもので、昭和29年に出た本です。ガラス製品って今も昔も、そうデザインが変わらないので、古さを感じさせません。

                 
 ステンドグラスを描いたページが特に素敵。色ガラスを通して、光が降り注ぐ様子を、息を飲むようにして見つめる子どもたち。こんな美しいステンドグラスに向き合ったら、今の子どもたちもきっと同じ表情でガラスに見惚れるだろうなぁと思います。

                    
 この博物館があるのは墨田区で、大正時代に創業された『松徳硝子』も墨田の代表的なガラス工場です。店内には、そこで作られていた往年の美しいガラス製品が飾られていて、在庫があれば買うことも出来るようです。気になったガラスのお皿が、上の写真。半分に切った林檎をそのまま固めたような珍しいデザインです。他にも、手にとると、びっくりするほど軽いグラスなど、見せて頂きました。

                 
 誰かのお家に遊びに来たような雰囲気の、可愛らしい博物館でした。ガラスっていうと夏のイメージですが、暖かくした部屋でガラスの器でお食事するのも、夏とは一味違う感覚で良いかも。

             
 晩秋の知らない道を歩いていたら、良い感じの煉瓦塀がありました。ずいぶん古い塀のようですが、レンガの色が深みがあってきれい。貸し駐車場の一角に壊されずに残っています。絵になる風景だからか、よく雑誌の撮影に使われていて、この日もカメラマンとモデルさんがいました。レンガは秋に似合いますね。

                 
 暖かい飲み物を用意して、長い夜に創作の続きをしましょう。
 寒さに負けず、元気に過ごしたいですね。

 2021年11月
 
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