日々のエッセイ

 
暑くて雨風の強い日も多かった夏が足早に過ぎ、9月になるとすっかり秋です。今年は夏が短かったなぁと思うし、取り立てて何かをやったという実感が無いのですが、コロナ禍だから仕方ありませんよね。オリンピックも遠い出来事のような気さえします。

       
 今年も、ギャラリーウシンで行われる恒例の『efuto展』に参加しています。届いた人に笑顔も贈る絵封筒。ダンボールをペイントした手作り封筒に、フェルトで色を足して、こんなふうに仕上げました。

       
 便箋には、小さな物語を添えて。ブルガリアの可愛い古切手の絵柄から、イメージしてダンボールを切り貼りしながら絵を描きました。

        
 便箋は二枚あって、若い婦人バージョンと、年を重ねた紳士バージョン。小さい物を切ったり貼ったりの作業は楽しいです。

        
 こちらは夏に、ギャラリーウシンのオーナーさんから届いた素敵な絵封筒です。一番左端だけが本物の切手で、ずらりと並んだ建物の切手を描いて“街並み”が表現されています。ノスタルジックな家々の雰囲気は、ギャラリーのある川越の町みたい。 

             
 エジプト風な絵封筒は、いつも私の物語に絵を付けてくれる小野寺美樹さんの作。運命の車輪部分は、手でクルリと回すことが出来る仕掛け付き封筒です。絵封筒展、たくさんの作家さんの御作品が一堂に見られるので、毎年、楽しみです。
 メールも便利だけれど、手紙は「自分らしさ」を表現でき、相手に伝えられるから、想いを込めたい時は億劫がらずにペンをとってみるのもいいかもしれません。

  
efuto展 9月3日(金)〜25日(土) 11時から5時 日・月・火休み
  ギャラリーウシンにて 川越市宮下町2-20-3
  川越氷川神社のすぐそばです。機会がありましたら是非。

     
 手紙を書いたら、ポストに投函。ポストって、赤くて四角い物が基本ですが、昔の丸型ポストもときどき見掛けますよね。さまざまな色があって、見つけに行くのが好きです。黄色いポストは、隣の町の郵便局の入り口にありました。幸せの黄色いポストだそう。
     
 銀色のポストは、近くのおもちゃ会社の前に設置されていました。正式なポストではないけれど、手紙を入れたくなります。宇宙の果てまで届けてくれそう。
   
 最近、見に行ったポストは、目の覚める青色で、こちらも「幸せのポスト」と呼ばれています。海辺の町によく似合う色。行ったのが土曜日だったので、このポストの前で記念写真を撮っている人たちが何組もいました。車で来て、実際に手紙を投函している人もいて、町のシンボルのような役目を担っているのかな?
 これからも、いろいろな町のいろいろなポストに会いに行きたいです。

    
 青いポストの近くに、広々とした厩舎があったので、寄ってみました。そばで馬を見るのは久しぶり。たてがみがサラサラで、綺麗に整えられている馬たち。想像するよりずっと大きかったです。

         
 厩舎の壁に飾ってあった青い馬の絵が印象的。絵の前には、大きな体重計が置いてあり、そこは馬の健康管理の場所のようです。

        
 厩舎を囲む柵に、こんなシルエットが。なんとなく宮沢賢治を彷彿させます。柵の反対側には、帽子をかぶった貴婦人のシルエットがあったので、馬を観に来た紳士の姿なのだろうなぁ。

        
 敷地内に、珍しい車が・・・。草原に映える銀のトレーラーは、クリント・イーストウッドが乗っていたものと同じ型だとか。今はスタジオとして使われているようです。

        
 厩舎の隣にある西部劇に出てきそうな建物は、レストラン。厩舎に立ち寄っただけの私たちに、オーナーさんが「ちょっと中をのぞいてみて」と、声を掛けてくれました。「中が面白いんだよ」

        
 この『ザ・マベリック』というレストラン、本当に面白かったです! 中に入ると、オールドウエスタン調の家具で設えた素敵なテーブル席やカウンターがあり、遠くまで旅に来た気分。でも、面白いのは、その先のドアの奥。開けると、なんと「牢屋」がいくつも現れました。

         
 それぞれの牢屋の中で、囚われ人の気分になって、お料理を楽しめるというわけです。西部劇につきものの“ジェイルハウス”まで作ってしまうなんて、拘りを感じます。でも、ご馳走が食べられるし、密を避けられるし、贅沢な牢屋ですね。

          
 今月の豆本は、装丁だけを手がけました。絵は、さきほどの絵封筒でも紹介した小野寺美樹さん。ほしがり屋のねずみくんが、あれもこれも買い物を続け・・・。

          
 家が荷物でいっぱいになるたびに、引っ越しを続け・・・。そのうち、巨大な家に移り住み、そこに相応しい巨大な天使像を買ってきますが・・・。可愛いねずみくんなのに、ラストは思いっきりバッドエンド。私の作る豆本は、全部ハッピーエンドにしてしまうので、ブラックユーモアがお好きなかたには、こういう豆本がいいのでは? ねずみが主人公だから、表紙はねずみ色にしたくて、お菓子のパッケージを使ってみました。有名なお菓子ゆえ、「あ、これは」と思う人がいたりして。

         

 稲刈りのシーズンに、こんな筆記用具を頂きました。お米のボールペン。最初、お米とペンって全然結びつかなくて、びっくりしました。本体のプラスチック部分が、廃棄するお米で作られているのです。規格外のお米やくず米などを有効利用して、こんな風なバイオマスレジンに代えていけば、二酸化炭素が削減され、SDGsに貢献するというわけです。早速、使ってみたら、とても書きやすい。すっかり気に入って、愛用しています。

 落ち着いて創作活動が出来そうな気温になったので、やりたいことを進めていこうと思います。皆様の9月も実り多い月になりますように!

 2021年9月
 トップページへ
 前回のエッセイへ
 次回のエッセイへ