日々のエッセイ

 春の陽気に包まれると、なんだか元気がムクムク湧いてきて、新しい事を始めたい気分になりますね。4月は"始まりの季節"、身の回りの様子が変わった人たちもたくさんいるのでしょう。
    

 ギャラリーウシンで行われていたBOOK展も、無事に終了致しました。ご来場頂いた皆様、ありがとうございました。
 今回は、BOOK展に合わせて、オリジナル絵本を制作しました。
      

 ギャラリーオーナーの細野敦子さん、イラストレーターの川畑都さんと共に作った絵本『イマジナリージャーニー』。
 コロナ禍で気軽に旅行が出来ない今の時代、せめて空想の旅を楽しみましょう、という趣旨で、主人公のミモザが、ぬいぐるみのポケと一緒に、各国をめぐります。訪れる場所は、パリ、キンセール、フィジー、桂州、ペトラ。文中の単語が、それぞれの国の言葉に翻訳されている点も、この絵本のポイントです。知らない国の言葉を知り、旅の気分を盛り上げて頂けたら、と思います。

        

 会場で展示されていた本の様子です。色とりどりの風船で、可愛らしく飾られていました。

          

 主人公のミモザちゃんを、羊毛人形作家の松田富美子さんが作って下さいました。片手に赤い風船、もう一方の手には、しっかり相棒のポケを抱えて。

            
 こちらは「ポケ」の立ち姿です。絵本に描かれたキリンそっくりに、まつげもあります。手足も動く、凝った造りですね。

          
 川畑さんの絵も、赤いフレームに入って、展示されていました。ミモザとポケが、長い旅を終えて、お家へ戻って、カンパイする場面の絵です。どこかの国の切手みたいで、ポップで楽しくなる絵。

          

                  
 編みぐるみ作家の菊地ゆかさんも、絵本から飛び出してきたような「ポケ」を作って下さいました。泣いているポケ、絵本の中のイラストとそっくり!

 『イマジナリージャーニー』(いしだ絵本)は、アマゾンでも販売されていますので、絵本の旅に出たくなったら、是非、ページを開いてみてくださいね。

              

 会場全体は、こんな雰囲気。テーブルや椅子がゆったり置かれ、誰かの部屋を訪れたような感覚で、物語世界を味わって頂けたのではないかと思います。

               
 私がBOOK展用に書いた幻想物語も、テーブルでゆっくり読んで頂けたかしら? トランク型のファイルの中に、物語が入っていました。

               

 オーナーさんが作って下さったQRコード。ここにスマホをかざせば、私のホームページに飛ぶようになっています。スマホ時代の必須アイテムですね。

 ギャラリーへ行く道、いつもとは違うルートで車を走らせていたら、春の風情たっぷりな川越街道を少し進んだところに、きれいな街並みがありました。舗道に、楽器をデザインした、こんなタイルが嵌め込まれていて。ピアノの他にも、ホルンや和太鼓など、歩くうちに見つかり、散歩が楽しくなります。
               

  林の中に可愛らしい四角いお家があり、窓辺にこんな風に鉛筆のオブジェが並んでいました。詩人さんが営むお店のようで、パンと豆乳スープをテイクアウト。パンには、ヒマラヤ岩塩とギーがたっぷり。ギーとは、インドでは一般的なバターオイルだそう。ヘルシーで、とても美味しかったです。
                

 お店の中には本がたくさん並んでいて、子どもの頃に私が好きだった本たちと、ラインナップが被ります。高柳佐知子さんだったり、谷山浩子さんだったり、優しいファンタジー系。林の中、サワサワと葉ずれの音がして、小鳥が澄んだ声で鳴き、黄色い蝶が舞うロケーションは、物語が醸し出す雰囲気とぴったり。居心地がいいなと思うのは、子どもの頃、大好きだった本の世界へ戻った気分になれたからでしょうね。柏葉幸子さんの『地下室からのふしぎな旅』は、実はまだ読んだことがなかったので、お店で駆け足で読ませて頂きました。初版のイラストが素敵です。
                      
   都市部の緊急事態宣言も解除になり、さぁ春を満喫しよう!と、お出掛けの人も増えていくことでしょう。賑わいも戻ってきますね。でもまだ油断せず、手洗い、マスクで「うつらない」「うつさない」を守りたいですね。道ばたに、子どもの可愛らしい落書き、「ドライブに行こうよぉ!」という、誰かへのお願いかな?
                      
 良いスタートをきれる4月でありますように!


 2021年4月
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