日々のエッセイ

                      
 12月は寒いし、何かと忙しい月だけれど、クリスマスやお正月が控えていて、心弾む時期でもあります。今年はホームクリスマスを、と考えている人も多そうですね。部屋をいつもより飾りつけ、みんなの好きなお料理を並べ、あたたかくして迎えれば、もうそれだけで特別な日になりそう。雪の舞う夕暮れ時、窓辺にポッと灯りを点し、家の前に停まる車の音に耳を傾け、プレゼントを抱えたお客様が玄関に入ってきた瞬間、クラッカーを鳴らして「メリークリスマス!」。そんな光景が、いろいろな場所で繰り広げられているのでしょう。豪華なイルミネーション以上に、まばゆい思い出になりますね。

                        

  バラの名前に「ホワイトクリスマス」というのがあります。白バラの代表種で、ボリュームのある美しいバラ。秋バラの時期に、この花を見たので、写真に収めました。香りも良く、クリスマスのテーブルにあったら、一輪だけでも映えるだろうなぁ。そういえば「クリスマス・ローズ」という名前の花も知られていますね。ローズと付いても、そちらはキンポウゲ科だそうです。12月に咲くバラのような花なので、名付けられ、別名は「冬の貴婦人」。バラではなくても、優雅な花であることは間違いありません。

                  
  花の香りがするカード・フレグランスを、お財布の中に入れています。南フランスのフレグランスブランドが出しているもので、赤い小さな二つ折りのカード。ほんのりとマグノリアの上品な甘い香りが漂います。マグノリアって、どんな花?と思うかたも、「モクレン」と聞けば、早春に枝々に咲く真っ白で大きな花が、すぐ浮かぶでしょう。よく見掛けるモクレンも、マグノリアの仲間。香りが良いので、香水やシャンプーなどに使われていますね。枝の高いところに咲いているので、そばで香りを楽しむことが出来ないために、フレグランスとして求められるという説もあります。お財布の中に、ひと足早く春の香り。ささやかな喜びです。

                  
 冬に読みたくなる絵本として、ジュナイダさんの『NORDIC TALES』(サンリード社)についての紹介文を書きました。ウェブサイト『新作の嵐』にアクセスして頂くと、全文が読めますので、よろしくお願い致します。ジュナイダさんの絵は、ひとつの場面にたくさんの細かい物語が隠されていて、それを丹念に一つ一つ、眺めていくのが面白いです。表紙の真っ白な背景が、北欧の雪景色みたい。この絵、数年前に三越のクリスマスキャンペーンとして使われていたので、広告として覚えているかたも多いのでは。

                 
 タイトル通り、北欧児童文学の代表的な作家、トーベ・ヤンソンとセルマ・ラーゲルレーヴ、それにH.C.アンデルセンをオマージュした絵本で、それぞれの作品の一節と、それに合わせた絵が載っています。読んだことのない作品もあるので、絵本を閉じた後、原作にも手を伸ばしたくなる一冊です。

                 
 線路脇の道にズラリと並んで立っているコンクリートの杭。何という名前か知らないのですが、その杭の上部が、赤白に塗り分けられていて、線路脇を歩く時にいつも、「サンタさんの整列みたい」と思って見ています。

                         
 ね? なんとなく、サンタさんの帽子に似ているでしょう? クリスマスが近づくと、いろんな人たちがこの赤白の衣装を着て、にわかサンタさんに変身するのでしょう。我が家も、その役はたいてい、実家の父だったなぁ、なんて思い出します。ケーキ屋さんのおねえさん、ピザ屋さんのおにいさん、新聞配達のおじさん・・・、今月は何人、サンタさんに会えるのでしょう?

                  
 ヴィンテージの日記帳が売っていると聞いて、都内にある日記専門店へ行ってみました。ワインやジーンズなどで「ヴィンテージもの」が尊ばれていますが、日記帳もそうなんだなぁと、びっくり。復刻されたのではなく、当時のままの物なのですから、紙質も今とは違い、そこがまた良い感じ。表紙の子どもたちの絵柄も、レトロなところがオシャレでもあり、新鮮でもあり。私も日記は毎年、つけているので(一日数行ですが)、新しい日記帳を買いたいのですが、結局、無難なものを選びそう・・・。

                 

 楽しいクリスマスを! そして、1年の締め括りが良い時間になりますように。

 2020年 12月
 
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