日々のエッセイ

 冬はこんなに寒かったんだ、と実感する2月です。今年は1月も、わりと暖かな日が多かったので、コートも布団も軽いものばかりを使っていたのですが、冬らしい物をやっと出してきました。

               
 雪が積もる地域も、天気予報を見るたびに増えてきますね。私の住む町では、めったに雪が降らないので、朝、目覚めて外が真っ白だと、特別な、厳かな感じがします。音が雪に吸い込まれ、静かで。陽が昇った頃には、外に出て、子どもたちに混じって、雪だるまを作ってみたくなります。

               
 さて、先月に、小さな絵本が出来ました。『うわさのしゃしんかん』という、町の写真館を舞台にした物語。イラストレーターの安藤麻咲子さんが描いてくださった交差点の絵は、横断歩道に縦線があって、ここが古くからある道路だというのがわかります。ペンキを塗った箇所に水が溜まって、スリップ事故を起こす可能性があるからと、もう25年も前から、新たに作られる横断歩道には、縦線が廃止されているそう。そんな道の角に建つ写真館も、ずいぶん前から、同じ様子で町を見守っているのです。
               
 写真館にやって来たのは、ふしぎなお客様。生まれてから一度も、写真を撮ってもらったことがないから、ぜひ一葉!と意気込んでいます。
               
 ショーウィンドウに飾られていた写真たち。どことなくアルカイックスマイルで、神秘的です。安藤さんの絵は、無国籍な感じで、ふしぎな物語の雰囲気を伝えてくれます。ロシアの裏道も、お一人で歩いたという冒険心のある女性だから、絵も甘すぎないところがいいですね。

 さて、この張り切ったお客様、うまく写真を撮ってもらえたのでしょうか?  カラフルなミニサイズの絵本『うわさのしゃしんかん』(B6版 28ページ 定価500円)は、ミンネサイトや、くわのみ書房さんで販売中です。

               
 透明なドームの中にチラチラと雪が舞う玩具ーーースノードームは、冬らしくて、部屋に飾っておくと小さな世界に、ひととき引き込まれます。そんな世界各国の珍しいスノードームを集めた美術館が、世田谷にあります。廃校になった建物の中に、お店や会社などが入っていて、そのうちの一つの教室が、美術館として営まれています。入り口には、巨大なスノードームがお出迎え。お菓子で出来たお家、まるでヘンゼルとグレーテルの一場面みたい。煙突のソフトクリームが美味しそうです。ここでは、自分でスノードームを作る教室もあるんですって。いつか参加してみたいです。

               
 近所に出来たカワウソカフェに行って、普段はめったに見られないカワウソを観察。愛くるしい丸いおメメ、人慣れしていて、すぐ近くに寄って来ては手を合わせてくれます。ひとときも休むことなく動き回る活動的な様子に、びっくり。カワウソって、ゆるキャラにもなっているから、のんびりしているのかと思っていたら、とんでもない。まったく止まってくれない。写真を撮るのも一苦労でした。でも、可愛いショットが撮れましたよ。

               
 バルーン屋さんのウィンドウに、ハートを持った女の子が。2月の大きな行事は、バレンタインですものね。可愛い風船の女の子を写真に収めたら、光の反射が、顔にハート型の影を作るように計算されていました。偶然じゃないですよね?

 こわい風邪も流行っていて、寒い毎日ですが、身体に気をつけて、楽しい毎日を!

 2020年2月

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