日々のエッセイ

街がハロウィンの飾りであふれかえる10月です。年ごとに、ハロウィンの準備期間が長くなっているような。今年は、8月が終わったとたん、商店街にはオレンジや黒のカボチャ飾りが目立つようになりました。一つの行事で二か月も盛り上がり続けるっていうのは、クリスマス並みですね。
                   
 
 
  お店が丸ごとハロウィン風なカフェで、お茶の時間にしました。一見、住宅街にある普通のお家みたいですが、中に入ると異世界。二階に続く階段の脇には、恐竜の骨格模型がさりげなく置かれていて、ドキッ。
                   
 シャンデリアも薄暗く、西洋風オバケ屋敷に紛れ込んだみたい。あちこちにクモの巣(もちろん本物ではありません)が掛かっています。本棚の本が、ひとりでに動き始めることも。
                     

 運ばれてきたお茶のマドラーは、死神が持っていそうなデコラティブな鎌でした。スコーンとともに頂けば、駅から数分のにぎやかな町中にいるのを忘れそうになります。
                      
 古い時代のキャッシャーは、目を引く黄金色。小さなテーマパークみたいなお店での、お茶タイムはハロウィンという季節にぴったりでした。
                       

  ハロウィンの本で最近、注目しているのは、『ゾンビのホラーちゃん』シリーズです。ホラーちゃんはゾンビではあるけれど、普通の女の子と変わらない可愛い子。
                        

 人間の子どもたちと仲良くしたいけれど、なかなかチャンスが訪れません。そんな折、「もうすぐハロゥイン!」と気づくのです。どの子もオバケに仮装している「この日」なら、ホラーちゃんが混じったって、おかしくないはず。思いきって、「あそぼ!」と声を掛けたら、人間の子どもたちは喜んで友だちになってくれました。ホラーちゃんの完璧な仮装に(実は本物なんですけどね)、みんな尊敬のまなざし。
 何もかもうまくいきかけた時、誰かが、自分のオバケっぽい仕草を自慢し始め、つぎつぎに「こんなことできるよ」と競い合い、ホラーちゃんもついつい「私なんか、こーんなことできる!」と、胴体から首を外してしまうのです。これには、みんな、あんぐり。さぁ、それからどうなったのでしょう? 叫び出すか、逃げ出すか・・・、結末は絵本を読めばわかります。異質なものに遭遇した時の子どもたちの反応が、とっても柔らか。本当の自分を晒すことが出来たホラーちゃんの喜びも想像に難くありませんね。

 先月までやっていたギャラリーウシンでの『絵封筒展』。こんなふうに、一つ一つの封筒が、リースで飾られて展示されていました。
                        

  リースは円型。ご縁、という言葉に重なります。みなさんの絵封筒、それぞれに個性あふれ、素敵でした。絵封筒って、作るのも、もらうのも楽しいですね。今月から郵便料金が上がりましたが、手紙文化は大切にしていきたいなと思います
                         
 
  
 ギャラリーのある街には、ケン玉カフェなるものがあると聞き、元ケン玉クラブの人と行ってみました。壁いっぱいに、ケン玉! 圧巻です。ちょっとアイスクリームショップみたい。
                        
 デザインいろいろ。リーズナブルなものから、高級なものまで、値段もいろいろ。お店に入って、お茶を注文すれば、好きなケン玉を選んで自由に遊べます。元ケン玉クラブ員は、さすがに上手で、「もしかめ」(もしもしカメよ、の歌に合わせて、大玉をお皿に乗せていく技)を披露してくれました。
                         

 普通のケン玉の何倍もありそうな、ビッグケン玉もありました。さすがに重くて、扱いずらい。ケン玉という伝統の玩具が、モダンなスタイルのお店にマッチしていて、遊び方も新しい方法で、子どもたちに伝えられていくのでしょうね。

               
             
 カボチャの椅子を見つけました。今の季節なら、自分の部屋にこれを置いて、ゆっくり読書でもしたくなります。美味しいカボチャを煮るのもいいな。秋は、食欲の秋でもありますからね。

  2019年10月

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