日々のエッセイ

 どんなに夏が暑くても、9月に入ると、ストンと秋の気配が満ちてきますね。夏にやり残したことを想って、もう来年の夏が恋しくなる人もいるのではないでしょうか? 今年の夏は、しばらくやっていなかった「波打ち際で遊ぶ」も「サクサクのかき氷を食べる」も経験したので、満足して夏のトランクのフタを閉め、すっきり秋モードに移っているところです。

          
 今年も、ギャラリーウシンでやっている絵封筒展に参加しています。今年は色画用紙を切り貼りして、古い絵本風な趣の絵封筒を作ってみました。封筒の中には、切手にまつわる、ささやかな物語が入っています。その物語の挿絵代わりに貼ってある切手は、1979年に発行された、国際児童年記念切手。宇宙遊泳する男の子と女の子の絵柄があり、どちらも50円切手です。絵を描かれたのは、SFファンなら「見たことのあるタッチだ」と思われるでしょう。未来画で活躍された真鍋博さん。真鍋さんと言えば、子どもの頃、よく読んだ星新一さんの本の表紙もたくさん描かれていたなぁ、なんて思い出します。この切手は、郵政博物館がまだ「ていぱーく」と呼ばれていた頃、そこで買ったもの。しまいこんでいましたが、こういう形で使うことが出来て、私も嬉しいです。

            
 こちらは、ギャラリーウシンさんから届いた、絵封筒です。布の封筒で、開くと二倍の大きさになり、鍋つかみになったり、小物入れになったり、といろいろ活用出来る「万能封筒」なのです。我が家に届いた時は、布封筒の上に、アドレスシールを貼った透明セロファンが重ねられていて、ポストをのぞいた瞬間からインパクト大でした。いつものお手紙とは違うタイプの封筒が届くって、新鮮な驚きです。

 絵封筒展
   ギャラリーウシンにて、9月3日(火)〜9月21日(土)
   午前11時〜午後5時
   日曜・月曜が休廊 (初日は1時半から。9月5日 臨時休廊)
   お問い合わせ先 オーナー細野敦子さん
   電話 049-227-3506
   川越市宮下町2-20-3 (川越氷川神社のすぐそば)

            
 読書の秋の到来、三鷹の街を歩いていたら、本がいっぱいの階段を見つけました。近づいてよく見ると、本は右端の数冊だけが本物で、あとは階段に貼った壁紙なのです。でも、ぎっしり詰まった本好きの本棚みたいに見えるでしょう?
面白いなと思いました。

            
 その階段に誘われ、二階へあがると、そこはカフェもやっている古本屋さん。乙女チックな本を集めた、レトロで可愛いお店でした。壁ぎわの本棚の一番上には、『赤い鳥』が並んでいて、ふんわり優しい雲まで、プカプカ浮いています。

                  
 女の子の友だちの家に遊びに来たみたいな雰囲気。売っている古本の中に、私の子ども時代の愛蔵書がいくつもあったので、なんだか自分の部屋みたいなリラックス感も。時が止まったようなお店で、ベルギー雑貨に関する、ガーリーな本を買って帰りました。三鷹は姪が住んでいる町で、たまに訪れるたび、可愛いお店に出会えます。

                    
 本の飾り方で、素敵だなと思った、もう一つの風景。神楽坂の本屋さんのウィンドウで見掛けたものです。本来はブックラックではないのでしょうが、こんなふうにセピア色の洋書を飾ると、クラシックな絵になりますね。読むだけじゃなく、飾る楽しみもあるのが、「紙の本」です。

                 
 赤く染まったコキアを見ようとコキア畑へ出掛けたら、まだ紅葉には早かったみたいです。でも、黄金色のコキアというのも、きれいでした。近所にもコキアを植えているお家をよく見掛けるようになったので、色づく様子を見守りながら、秋の深まりを感じたいです。

 2019年9月
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