日々のエッセイ

 寒さピークの2月、雪が降っているところも多いでしょう。私の住む町は、冬でもめったに雪が降らないので、たまに銀世界になると、「わぁ、きれい!」と思ってしまいますが、雪国の皆様にとっては、毎日の雪かきや滑る道の歩行など、大変なのだろうと想像します。
                    
 街角のショーウィンドウも、冬の装い。でも、2月も後半になると、どのお店もガラリと春の雰囲気に替えていくのでしょう。季節の先取り、どんどん早くなっていく気がします。

                    
 謎解きカフェの事件レシピ『ゆめぐるま』(国土社)は、おかげ様で本屋さんや図書館に並んで、読んで下さった方もいらっしゃるのでは、と思います。上の写真は、流山の本屋さんでの一枚。手書きPOPを付けて頂き、とても嬉しいです。この2巻目は、まさに「色が変わった紅茶のナゾ」を追求しています。手書きのティーカップの絵も可愛い。

                   
 『ゆめぐるま』の物語は、6年ほど前に、同人誌に短編を連載したことから始まりました。(同人誌なので、挿絵も自分で描いていて、主人公の詩織ちゃんはドレッシーな服装でしたね) 一番最初に書いたストーリーは、「不幸のメール、どうするの?」という話で、これは『ゆめぐるま』3巻目に収められた「のろわれたイスの秘密」の基になっています。詩織ちゃんの親友・ユッピのところに届いた不幸のメール、落ち込むユッピをどうやって励ますのでしょう? 私が小学校低学年だった頃、当時流行っていた不幸の手紙なるものが来て、「同じ文面で誰かに出さないと不幸になる」と、真剣に怖くなったのを覚えています。結局、父親が「宛先を交番」にして出してくれました。「困りごとは、おまわりさんへ」ですね。もちろん、そこでストップさせてくれますからね。

 さて、冬の晴天に誘われ、今月は「こどもの本の本屋さんめぐり」をしてみました。
                  
 『青猫書房』は、赤羽駅から歩いて数分の、住宅街にあります。赤羽って、降りたことのない駅だったので、迷っていたら、赤ちゃんを抱っこしたママさんが、すごく気さくにお店の近くまで案内してくれました。そのママさんも、『青猫書房』で定期的に行われる読み聞かせの会に参加したことがあるそう。

                  
 入り口のドアには、こんな黒猫が、のんびりぶらさがっていました。店名に「猫」が付くだけあって、お店の中には猫グッズがたくさん! テーマやグレードごとに並んだ、見やすくて、すっきりした本棚の間に、にぎやかな小物類が置かれていて、楽しくなります。そういえば、猫の本を集めた棚もあったなぁ。レジのカウンターの中には、猫じゃなく可愛い犬がいましたけどね。ギャラリーにもなっているカフェが併設されているので、ひと休みも出来ます。
        
 続いて、都立大学駅近くの『ニジノ絵本屋』さんへ。店主のいしいあやさんの本を読んで、パワフルな女性だなぁ、楽しそうなお店だなぁと思っていましたが、まさにその通り。
                  
 お洒落だけれど気取らない、可愛い感じの町にぴったりな、絵本屋さんです。私は松本かつぢさんが描くクルミちゃんというキャラクターのファンなのですが、その松本さんの絵による『ふしぎの国のアリス』絵本も、ニジノ絵本屋さんのオリジナル。50年以上前に描かれた作品と思えないくらい、キュートです。絵本作家さんたちが、ご自分でセレクトした"お勧め本”の棚も個性豊か。
                  
 店頭には、絵本作家さんたちのポストカードも売っていて、どこか外国の街角みたいな雰囲気。本を買ったら、「ご縁玉」というカードを頂きました。次回の購入で、5円割引してもらえるとのこと。

  そして、吉祥寺の裏通りにある絵本専門の古本屋さん『メインテント』へも、足を伸ばしました。子どもの頃に読んだ懐かしい児童書や、海外の珍しい絵本が、店の外までいっぱい。トピスカ語(絵本『ワッハワッハハイの冒険』の主人公が生まれた国でしょうか?)で「新しい友だち」を意味する「すりぴてか」という名前の大きな鳥がお出迎え。遊び心にあふれています。
                    

 サーカス小屋のテントを思わせるシマシマのカーテンがアクセントの店内は、おもちゃ箱みたいな感じ。カウンターの下のほうに、ポストの口のような穴があるのは、子どもが自分の手で、そこに本を差し入れれば、ちゃんと包装されて、そこから受け取ることが出来るような仕掛けだそう。どんなに小さくたって、一人のお客様ですものね。
                    

 ちなみに、このお店には「怪盗Think Twice」という、名前だけ聞くと悪さをする人みたいですが、実はすごく良い人がいて、絵本探しを手伝ってくれるらしいです。昔、夢中で読んだ絵本なのに、タイトルを忘れてしまった・・・もう一度、読みたいのに・・・。そんな時は、怪盗が鮮やかに解決。あいまいな記憶を頼りに、絵本を見つけ出してくれるのですって。今度、頼んでみようかしら?

                   
 2月はバレンタインという大きなイベントがありますね。去年は、こんなハートつきのワインを見つけて贈ったのですがコルクがどうしても開かず、そのうち陶器のハートの部分も欠けてしまい、さんざんでした。結局、飲まずじまい。

                   

 今月は誕生日もあるので、それを口実に、美味しいケーキを買ってもらおうかな? 上の写真は、ケーキそっくりだけれど、本当はオルゴールなんです。こんなふうに並んでいると、ケーキ屋さんに来たみたい。ケーキは食べちゃうと残らないけれど、オルゴールならいつまでも大切にできるから、プレゼントにいいですね。
 誕生日を迎えての抱負は「肩の力をぬいて、ゆるーく」かな? あ、「規則正しい生活」っていうのもいいなぁ、なんて思う2月です。では、また。
        2019年2月

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