日々のエッセイ

 短い梅雨の季節が過ぎて、いきなりの夏日。 今年は暑い時期が長く続くという予報ですね。 なるべく涼しく感じる工夫をして、真夏を爽やかに、アクティブに過ごしたいです。
      
 頂いたキッチン用のセルロース素材のスポンジは、水を含ませると、一瞬でふくらみ、サッとお皿が洗えます。白クマのデザインは、いかにも涼しそうでしょう? 夏の台所仕事が楽しくなります。
      
  暑くて食欲がわかない、なんて日は、日傘をさして近所のパン屋さんまで散歩に出て、美味しいパンを買ってくるのもいいかも。パン屋さんの壁に、こんがりトーストされた“食パンの時計”が掛かっていました。焼き具合が、とっても美味しそう。時刻も、ちょうどお昼になり、この日はクルミパンを買ってみましたよ。
      
 パンで思い出すのは、今年92歳で亡くなられた、加古里子(かこさとし)さんの絵本『からすのパンやさん』(偕成社)。あまりにも有名過ぎて、実はじっくり読んでいなかったのですが、今年になって読んでみて、子どもに返ってワクワクしました。だって、美味しそうなパンがいっぱい!
       
 百近い、いろいろな種類のパンが並んだこのページは、大人だって長い時間かけて眺めてしまいます。パンダのパンも可愛いな。スイカのパンも、この季節は食べてみたいな。(そういえば、仙台に、四角いスイカそっくりな食パンを売っているお店があるみたいですね) この絵本には、パンの他にも、たくさんの様々な扮装をしたカラスたちが描かれたページも出てきます。「あ、花嫁衣装のカラスだ。こっちにはブロンドのカラス!」なんて、楽しく”お気に入り”を探すことが出来ます。
 この絵本を描く時に、加古さんは「ロシアのモイセーエフ舞踏団」の演目『パルチザン』を観て、兵士や農民、労働者など、職業も年齢も違う登場人物たちが、一人一人、きちんと演じ分けられていることに感銘を受け、ご自身の絵本のカラスたちも、一羽一羽、個性をきっちり描いたそう。 この絵本がロングセラーになっている訳が、読めば納得出来ます。
           
 パン屋さんの近くにあるお家の玄関先に、赤い屋根の犬小屋が建っていて、通りを歩く人たちを見守るワンちゃんが一匹。 ん? でもこのワンちゃん、よく見ると、ぬいぐるみでした。ちゃんとお水もあげているから、最近、主がいなくなってしまったのかなぁなんて想像しました。
            

 7年間、世話役を務めた同人誌『15期星』、今年の初夏に発行した第39号で、代表交代しました。次回からは、幻想的なファンタジーや絵を得意とされる荒蒔悦子さんが担当して下さいます。編集作業は、皆さんの作品を一番先に読める特権があり、毎回、張り切って同人誌を作ることが出来ました。私が担当したラストの表紙は、ラ・ヴィ・アン・ローズを願って、バラ色です。
         
  モンゴメリの『赤毛のアン』は、ファンの多い名作ですね。カナダのプリンスエドワード島へ行って、アンの舞台になった家や森を実際に見て来た、という人もいると思います。 カナダは遠くて、という人には、市川(千葉県)にある『アトリエ&カフェ・赤毛のアン』がお勧め。 アンと言えば、なんとなく麦わら帽が浮かんで、そのせいか初夏のイメージ。 上の写真はそんな雰囲気を形にした衣装で、店内で借りることが出来、写真を撮った後に、そのまま、花にあふれた庭に出て、散策したり。気分は、すっかり「アン」になれそう。
            
 オーナーさんはポーセリンペインティング(西洋陶絵付け)の先生で、ここでは絵付け教室も開かれているとのこと。 店内に飾られた絵皿に、モンゴメリのお孫さんであるケイト・マクドナルド・バドラーさんのサインが見られます。 国内外で売られているアンのグッズが揃ったこのお店は、カナダから正式にライセンス認定を受けた、本格的な『アン専門店』でもあるのです。
            
 漫画家ゆめミンさんのアンは、元気いっぱい。
        
 カフェ・メニューも、グリーン・ケイブルズの『お化けの森セット』とか『マリラのふくらし粉のビスケット』だとか。アンの物語に親しんだ人なら、聞いただけで場面が浮かぶネーミングですよね。ティーカップにも、アンのシルエット。シンプルなデザインで、アンと一緒にお茶を飲んでいるみたい。
 物語を形にしたコンセプト・カフェって、最近、いくつも生まれていて、子どもの頃に愛読した人にとっては懐かしい場所になり、まだ読んだことのない子どもたちにとっては、これからの読書のきっかけにもなる貴重な場所だなと思います。

     

 脚本を担当させて頂いたNHK東京児童劇団の第45回公演が、8月に行われます。そのポスターやフライヤーが届きました。『空気のようなボクだから』というタイトルで、8月の18日(土)と19日(日)に上演されます。土曜日は、午後3時と6時、日曜は午後2時と6時に開演。ポスターに載っている詞も、劇団の子どもたちが素敵に歌ってくれることでしょう。私も今から楽しみです。
              
 毎年、駅に巣をつくるツバメ。 今年も構内に可愛い姿を見せています。ときどき、すごい勢いで駅を横切っていくのも、初夏の風物詩かな。

 熱中症など気をつけて過ごして下さいね。
 
      2018年7月

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