日々のエッセイ

  気温はまだ冬の寒さですが、2月になると急に春めいた気分になってきて、明るい色の服が着たくなります。

               

  春を呼ぶファンファーレが聴こえてきそうな、リヤドロのお人形。 以前、歩いていける場所に、リヤドロの人形を展示しているお店があったので、時々、のぞいて見たり、プレゼントに選んだりしていましたが、そのお店、いつの間にかなくなっていました。 

               

 2月は誕生月なので、何か新しくしたいなと思い、お財布を贈ってもらいました。 一粒万倍日という言葉をご存知ですか? 一粒の籾が万倍にも実り、豊かな稲穂になるという縁起の良い日で、年に数回あります。お財布を使い始めるのには最適。 2月は14日がその日らしいですよ。 2月16日も、お財布をおろすのに適している“新月の日”だとか。 どちらの日に使い始めようかな。

               
  今月27日から、3月24日まで、毎年恒例のBOOK展(於 ギャラリーウシン)が開かれます。 今年のテーマは「物語の中の少年少女」。 展覧会のために、十数年ぶりにミヒャエル・エンデの『モモ』や、アゴタ・クリストフの『悪童日記』を読み返しました。 そして、かの有名なサリンジャーの青春小説『ライ麦畑でつかまえて』を初めて読みました。 タイトルはよく知っているのに、読んだことのない本って、たくさんあります。これも、その一つ。 ライ麦畑の広々とした風景描写が出てくる、牧歌的な話かと思ったら、ぜんぜん違って・・・。でも、面白かったです。
 世の中に不満たっぷりで、常にふてくされていて、子どもであることを嘆いて、けれど未来への漠然とした希望も持っていて・・・、そんな少年少女の等身大の輝きを、何か展示物として表現したいな、と考えています。
 BOOK展のための短編集も、用意できたらーーーと、今、制作中。

             
   
 車を走らせていたら、物語めいた古い館を見つけました。 魔女の絵が描かれた館は、コーヒーが美味しいと評判のカフェでした。 車を停めて、ちょっと休憩。

            

  入り口のそばに、華麗に設置されていたのは、コーヒー豆のリザーバー。白磁に美しい絵が描かれています。クラシックなお店の雰囲気によく似合っています。 築百年くらいの家をリフォームしたのかと思ったら、実は「わざわざ古めかしく作った」のだそう。 館の壁いっぱいに描かれているドイツ風な絵は、近くの美術大学の先生方がペイントしたのだとか。

                   
 凝った造りは、トイレにも。 上の写真はトイレから出て、手を洗う場所なのですが、蛇口の代わりに、やかんの口から水が流れる仕組み。あくまでもアンティークなインテリアに、店主のこだわりを感じます。 コーヒーも美味しかったです。

 春めいてきて、身体も動きたがっていて、最近、ヨガを始めました。 本当はバレエに復帰したかったのですが、レッスン時間が日程と合わず。 代わりに、空いている時間に開設されていたヨガをやってみたら、楽しいのです! 身体のストレッチもできるし、呼吸法も学べるし。 先生いわく「息という文字は、自分の心、と書く。息には、心の様子が反映される」。忙しく焦ってばかりいると、浅い呼吸になるのだそう。 

                  
  早速、ピンク色のヨガマットを購入して、自分の家でもヨガをやっています。 身体の柔軟性をもっともっと、つけたいです。 先生のレッスンは、最後にみんなで「ナマステ」の挨拶で終わります。 サンスクリット語で「おはよう」「こんにちは」「さようなら」などを意味する、オールマイティな挨拶言葉で、両手を合わせて、心をこめて言うのがポイント。この言葉を発しただけで、ちょっと安らかな気分になりませんか?

                  
   
  4年前に刊行された『虹色モザイク』という短編集。 その中の『苦手な掃除』という物語を、“語り”に使わせてほしいというメールを頂き、嬉しく思いました。 ”素話”とも呼ばれる”語り”の世界は、道具を何も使わず、物語を一旦、自分の中で咀嚼して、語り手の言葉で聴かせることだそうです。 読み聞かせと違い、本を持たずに話すので、聞き手の反応がすぐにわかるし、その反応によって、物語を少し変えていくことも。 今回、私の本を選んでくださった方も、主人公・紗英の年齢や住まいなどを、きっちり設定して、物語に息を吹き込んで頂けたことと思います。 語りの世界、とても面白そうです。  『虹色モザイク』は、絵本の専門店・くわのみ書房(千葉・習志野市)でも購入できます。

             
   歩道にもう春色の花が咲いていて、あんなに寒かった冬も、だんだん過ぎ去っていくのだなぁ、と季節が移っていくのを実感します。 2月はなんとなくピンク色、という気がするのは、バレンタインデーがあるせいでしょうか? 心躍る2月になりますように。


                          2018年2月


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