入学、進級、就職・・・と、新生活がスタートした人も多いことでしょう。 そうでない人にとっても、4月はフレッシュな気分になる季節ですね。 新しいページに、どんなスケジュールを書き込みましょうか?
4月4日から、15日まで、ギャラリーウシンにて、BOOK展を開きます。 今年のテーマは、お茶と物語。 私は、架空のカフェ『ペパミント・スプーン』を設定して、そこで起きる物語を展開しています。 『ペパミント・スプーン』のオーナーは、ユナさんという名前の、40代前半の美しい独身女性。
彼女が愛読しそうな本も、選書してみました。 カフェを営む女性が好んで読む本なので、料理関係のものが多くなりました。 パステル画で料理を紹介した、スケッチ集のような料理本は、1980年代の出版。 当時の流行を伝える、でも今見ても、とてもオシャレな一冊です。 ギャラリーでは、ユナさんの本も自由に手に取って、読んでみて下さいね。
BOOK展
ギャラリーウシンにて
4月4日(火)〜15日(土)
午前11時〜午後5時
月曜休廊
川越市宮下町2-20-3
電話 049-227-3506
4月は新学期なので、真っ白な上履きをおろして履いている子どもたちもいるでしょう。 持ち物に名前を書き込んでいくのも、ひと仕事だったなぁと思い出します。 上履きは子どもたちのもの、と考えがちですが、こんなふうに装飾したら、大人の部屋履きにもなりそう。 この上履きは、原宿の『文房具カフェ』にありました。
ここには、勉強や仕事が楽しくなる文房具がいっぱい。 例えば、下の写真は、一見、「豆腐」。 文房具屋さんに、なぜ豆腐が? と驚きますが、実はこれ、中に、四角くて真っ白なブロック型の付箋が入っているのです。 紙の手触りも和紙みたいな風合いで、豆腐感を出しているそう。 もらったら、ちょっと、びっくりですね。
今の季節にぴったりな、桜の鉛筆もありました。 芯のところに桜の種が入っていて、鉛筆が小さくなったら、土に埋めると、いつか桜の樹に・・・なるのでしょうか。
シンプルな文字の栞も、ありそうで無かった気がします。アルファベットは、よく見掛けますが、平仮名は珍しい。借りた本の御礼なんかに、名前の頭文字の栞をプレゼントすると、喜ばれそう。
文房具カフェの出入り口には、みんなの絵や言葉が、壁いっぱいに貼ってありました。 紙もの離れが心配されている現代ですが、お店は超満員。ラッシュ時の電車の中みたい。 紙ものの魅力は、まだまだ廃れないようですね。
最近、読んだ絵本は、『ココとリトル・ブラック・ドレス』(文化出版局)。 主人公のココとは、かの有名なココ・シャネルのことです。 部屋に飾っておきたくなるような、絵本としてはシックな表紙。
親がいるのに、孤児院へ預けられたココ。 お裁縫をみっちり躾られ、たちまち誰よりも上手になります。 行動力のあるココは、大金持ちの友だちの家に飛び込み、リッチな女性になる修行を始めるのです。 まずは、乗馬が出来なきゃ、とトライしますが、その時に「動きずらい服を着ている」と実感して、「女性がもっと、自由でいられる洋服を!」と、立ち上がるのです。「無いなら、自分で作ればいいわ」
女性たちを、コルセットから解放したココ。 当時の女性たちが「黒い服はイヤ」と嫌うのを受け、「黒い服こそ、着ている人に目を向かせる、女性を美しく見せる服」だと主張して、たちまち、気軽なリトル・ブラック・ドレスを流行させてしますのです。
道は自分で切り開くものだ、と教えてくれる小さなココの姿に励まされます。
車で、よく靖国神社の前を通るのですが、あの辺りの夜の桜は、通りに覆いかぶさるように咲いていて、綺麗です。 昼間ほど人がいないから、静かに眺められて。 ワイパーにはさまった桜の花びらをつまんで、そっと風に舞わせるとーーー季節が少しずつ、移って行くのを感じます。 良い春を!
2017年4月
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