黒部五郎岳から雲ノ平
軽く昼食を摂って自家用車で自宅を12:00に出発。大阪は梅雨明け快晴。北陸道を富山ICまで休憩2回でひた走る。17:00に上滝のコンビニ・サークルKで食料の買出し。今夜の弁当、翌朝食(パンとコーヒー)、昼食(消費期限翌日13時のおにぎり5個)、氷パック他を買い込む。
有峰林道料金所に17:35到着。その手前にある白樺ハイツで外来温泉の入浴できる時間(朝10:00から)を確認する。有峰林道は拡幅工事中で夜間20:00〜翌6:00は通行止め。対向車も少なく、快適な渓谷ドライブを楽しむ。途中、有峰ハウス前の駐車場から夕照の薬師岳を遠望する。
夕照の薬師岳
有峰随道への登りは新たな道が開通していた。18:10折立に到着。気になっていた駐車場には既に60台が駐車中。空きスペースの台数にも余裕。幕営指定地は芝生の広場で快適。テントが既に5張り。
折立キャンプ場
テントを張り終え19:00前に夕食を終える頃、日没。車が夜露にぬれる。広場には照明があって暗闇にはならない。19:40シュラフに包まって就寝。暑くもなく寒くもない。夜間通行止めになるまでの間、後続の車は日が暮れてから1台だけ。
折立キャンプ場 | 3:40起床 | 5:00発 |
太郎坂の三角点 | 6:05着 | 6:25発 |
太郎兵衛平 | 7:45着 | 7:55発 |
薬師沢第一渡渉点 | 8:25着 | 8:30発 |
薬師沢小屋 | 9:40着 | 9:50発 |
雲ノ平への登り途中 | 10:50着 | 10:55発 |
雲ノ平の木道 | 11:25着 | |
アラスカ庭園 | 11:35着 | |
奥日本庭園の手前 | 11:50着 | 11:55発 |
雲ノ平山荘 | 12:15着 |
3:40周囲の物音に目がさめ、起床する。朝食をとりテントを撤収して出発仕度。昨日の快晴とは程遠く、朝から空模様が怪しい。5:00出発。最初の太郎坂を快調な登りで高度を稼ぐ。
途中から小雨模様になり、雨具を出す。出発して予想通り1時間少しで三角点に到着。展望が開ける。薬師岳は雲の中、太郎兵衛平に続く稜線にはガスがかかる。一旦雨具を仕舞いかけたが、程なく風雨。20分休憩、雨具を着込む。
傾斜のゆるい登りが続き、ニッコウキスゲとチングルマのお花畑が目を楽しませてくれるが、カメラが出せず休憩なしのまま、7:45に太郎小屋に到着。ガスで展望なし。人影はまばら。
太郎小屋は客を送り出して一息ついたような感じ。小屋には入らずに先を行く。薬師沢まで下ると雲の下に出て視界が開け、雨も小止みになる。笹原の中に立派な木道が延びて、とても歩きやすい。
カベッケガ原
薬師沢の吊橋
9:40薬師沢小屋に到着。当初の宿泊予定地であったが、早く到着した上に体調もよいので、このまま雲ノ平を登り返すことにする。途中1回休みを入れて11:25に急坂を登りつめる。
ガスで展望は全くないが、雲ノ平の木道を沿いはチングルマとアオノツガザクラが満開。小雨模様であまり多く写真が撮れないのが残念。
雲ノ平の木道
12:15雲ノ平山荘に到着。宿泊手続きをして、早速カップラーメンとクラッカー、消費期限間際のおにぎりで昼食とする。1階は板の間でスリッパ履き、2階は畳敷の大部屋寝床になっている。
夕食は17時。それまで午後のティータイム。ココア、コーヒー、ホットレモン、緑茶とコンロで湯を沸かして飲み続ける。水は残雪を融かしたものが無料で利用できるので、湯冷ましの水を飲料水としてペットボトルに詰める。別に、テント場の水場から運び入れた水がそのまま飲める水として1リットル100円で販売している。
午後の雨の中、宿泊客が三々五々到着する。夕食は4年前から始めたという石狩鍋。見知らぬ者同士がテーブルの鍋を囲んで歓談。この日の泊り客は20名くらい。ゆったりとくつろげる。
夕食後、テレビのローカル番組を見る。天気予報では北陸地方に梅雨前線が新たに発生し、明日にかけて南下するという。乾燥室もあるが、温風ヒーター1基では力不足。石油ストーブの強力なものが広間にあり、水没した靴と靴下を乾燥させる。
トイレはバイオ処理槽。使用したトイレットペーパーは便槽に落とさず、焼却処理するため側の箱の中に捨てる。気温が低く風通しがよく、消臭剤も利いているのか、不思議とほとんど臭わない。21:00消灯。夜半にかけて風雨が強まる。
雲ノ平山荘 | 5:00起床 | 6:00発 |
黒部川源流渡渉点 | 7:35着 | 7:45発 |
鷲羽乗越への登り途中 | 8:00着 | 8:10発 |
鷲羽乗越 | 8:25着 | |
三俣蓮華の分岐点 | 9:20着 | 9:25発 |
黒部五郎小舎 | 10:05着 |
朝食は5:00から。雨止まず、室内で入念に準備運動をしてから6:00出発。テント場への道は祖父岳側が植生保護の名目で通行止め・通り抜け不可になっていた。祖父岳の裾を巻く道で、雷鳥1羽が姿を見せる。雪田は消えかかり、夏道を下る。
雲の底を出て視界が開ける。黒部川源流の渡渉点は、昨日からの降雨により増水。踝上くらいの深さの流水で勢いを増している。ロープが渡して張ってあるが、上流側の雪渓まで迂回して慎重に横断する。
黒部川源流の渡渉点
鷲羽乗越までの登り道も、ことごとく川と滝になっている。登り途中で休憩、くたびれた軽登山靴ゆえ防水の効用なく、水没したような靴下を脱いで絞る。三俣山荘には立ち寄らず、三俣蓮華岳の巻き道に入る。ここでも雷鳥1羽が姿を見せる。雪渓を通過する箇所もあるが、危険ではない。等高線に沿った平坦な道というより、小さな上り下りを繰り返す。
三俣蓮華の分岐点
分岐に到着する頃、雨は小止みになる。五郎平への最後の下りは岩ゴロの細い道。展望の寄り道コースが分かれている。10:05黒部五郎小舎に到着。宿泊手続きをとる。他の泊り客の姿はなく、この日(多分)最初の到着となる。
黒部五郎小舎
濡れたものを水切り乾燥室に掛ける。玄関先の屋外に水場があり、掛け流しでビール缶を冷やしている。手洗いもできるので、水を手ですくいザックカバー、スパッツ、靴、靴下の泥を洗い流す。1時間ほど身の回り品の整理をしてから、昼食とする。
昨日同様、午後のティータイム。午後から続々と泊り客が到着する。小屋は広くて真新しく快適。泊まりの人数も定員の半分以下で、今日もゆったりくつろげる。ここの夕食も品数が多くなかなか贅沢。昨日同様、夕食と朝食で一日の消費カロリーは足りてしまいそうだ。
天気は回復に向って、夕刻には雲間に笠ヶ岳、薬師岳まで展望が広がる。
雲間の黒部五郎岳
夕暮れの笠ヶ岳
日が暮れて星空。夜空に少し霞みがあり、天の川は判然としない。寝る前に玄関のストーブで濡れた靴下と靴を乾燥させる。
この小屋のトイレもバイオ処理槽。客が多い分、トイレットペーパーの箱はすぐ満杯になりそうだ。21:00消灯。昨日と同様、掛け布団なし毛布1枚で寝たが、少し寒かった。
黒部五郎小舎 | 4:20起床 | 5:20発 |
黒部五郎岳 | 7:00着 | 7:40発 |
北ノ俣岳 | 10:30着 | 10:55発 |
太郎兵衛平 | 12:05着 | 12:40発 |
折立 | 14:40着 | 15:20発 |
有峰ハウス | 15:50着 |
朝食は4:30から。快晴。
朝焼けの笠ヶ岳
朝焼けの薬師岳
5:20出発。黒部五郎岳のカールの道を行く。
黒部五郎岳のカールの水場
進むにつれて周囲の展望が広がる。7:00頂上に到着。北は剣、立山、白馬まで、南は乗鞍、御嶽まで、雲海の彼方に白山も望める。
笠ヶ岳、乗鞍岳、御嶽山
槍ヶ岳、穂高連峰
北ノ俣岳に続く稜線 薬師岳 剣岳・立山
すばらしい眺めを堪能して山頂で40分過ごす。一旦急坂を下って、緩やかな稜線歩きが始まる。いたるところお花畑が広がる。鞍部には地塘もあり、写真を撮りながらゆっくり歩く。
チングルマ
コイワカガミ
ミヤマリンドウ
ムシトリスミレ
中俣乗越から五竜岳、鹿島槍ヶ岳を遠望
太郎兵衛平方面からの登山者と次々とすれ違う。10:30北ノ俣岳に到着。景色を眺めながら昼食とする。25分過ごす。夏雲が湧き上がり、黒部五郎岳の頂上が雲に隠れる。北ノ俣岳頂上から携帯電話がかろうじて繋がる。太郎小屋が近くに見える。
黒部五郎岳を振り返る
赤木岳へ続く稜線
北ノ俣岳山頂
有峰湖を俯瞰 北ノ俣岳から太郎兵衛平へ続く稜線 太郎兵衛平
地塘と薬師岳
黒部五郎岳、北ノ俣岳を振り返る
稜線歩きの終盤は木道が続く。踏み跡の侵食が著しい。12:05太郎平小屋に到着。多くの登山者でにぎやか。予定はここまでだったが、宿泊客で混みそうなのと体力・時間に余裕があったのでこのまま下山する。
多くの登山客に賑わう太郎兵衛平、太郎平小屋
太郎山から水晶岳・雲ノ平・三俣蓮華岳 雄大な展望の見納め 今回も雲ノ平は雨模様でした
折立へ続く稜線 後はひたすら下るだけ
小屋の横で飲料水を補給。公衆電話(衛星回線)がある。100円で30秒。通話にタイムラグがあり、話し急ぐと聴き取りにくい。下りでも次々と登山者とすれ違う。途中2箇所のベンチで休憩をとり、快調に下る。14:40折立に下山。
今日一日長い道のりの末、折立に下山する
折立には下山者が数名、15:50発の富山地鉄のバスを待っている。案内所で有峰ハウスの宿泊を問い合わせる。食事込みで泊まれるとのこと。
駐車場の車が増えている。ほぼ満車。数えてみると路上の車8台を含めて115台。駐車場の空きが5台分残っていた。幕営指定地にテントが5張り。荷物を整理し少し休憩してから15:20出発。30分で有峰ハウスに到着。
有峰ハウス
泊り客は少ない。建物の構造・内装は木材のよさを活かした造りで、落ち着ける。風呂は16:30から。湯上りに缶ビールで山行完遂を一人祝杯。程よく疲れた体に、ビールのほろ酔いで至福のひととき。18:00の夕食まで部屋の中に寝転び、窓から見える薬師岳を眺めながらまどろむ。
振り返ってみると、5年前の裏銀座の頃よりずっと体力が向上しているのがわかる。ここ1年余りのトレーニングの成果がよく出ている。体力に自信が持てると、少しハードな山行でも余裕をもって楽しめる。
6:20起床。曇空。薬師岳は雲の中。6:30から7:00にかけて有峰林道を次々と車がやってくる。部屋の窓辺で数えてみると観光バス、タクシーを含め35台の車が通過していった。
7:00に朝食、その後駐車場の前でホースを借りて車を水洗いする。9:00清算、近くの有峰ビジターセンターを見学する。
9:30出発。往路と同様に林道を快調に走っていたら、路面の小さな上がり段差とエンジンルームの底にある牽引フックが接触、路面を薄く削る。
有峰湖
10:00亀谷温泉の白樺ハイツに到着。温泉に入り、しばし休憩。
岩峅寺のスタンドで給油。その後、局地的な集中豪雨に遭う。富山平野をそのまま東進し、砺波ICから北陸道に入る。小矢部川SAで昼食、名神栗東ICの先で事故渋滞。大阪に入っても渋滞情報があったので湾岸線まで迂回し、結局19:00に帰宅。