千丈ヶ岳
戸台 | 8:38着 | 8:46発 |
丹渓 | 10:58着 | 11:32発 |
北沢峠 | 13:07着 | 13:42発 |
北沢峠小屋サイト | 14:30着 |
前日まで風邪気味で体調がすぐれないため、夜行はやめて新幹線と急行を乗り継いで、塩尻で駅泊まりにする。前日まで好天が続き、積雪はなく気温もそれ程低くないのだが、ダブルヤッケを着込んだくらいでは寒くて寝られない。
他に駅泊まりする人もなく、まんじりと始発を待つ。辰野でも駅泊まりできそう。辰野から伊那北への途中で夜明け。快晴。中央アルプスの峰が日の出に赤く染まる。このあたりの学校は通学の時間帯が相当早いとみえ、早朝の電車に生徒たちが乗り降りする(冬休み中と思うが、その辺の事情は全くわからない)。
まぶしい朝日に向かうように戸台へ臨時のバスが行く。乗客は2つのパーティーと2人の単独行らしい人を合わせた10人程度。数日続いた好天で戸台には全く雪がない。
河原の石には霜が降りている。下山者にはあまりすれ違わない。登山道は所々結氷していて注意しないと足をすくわれる。雪は大平山小屋あたりからで、積雪量も20〜30cm程度。
北沢峠から北アルプス遠望
北沢峠から遠く北アルプスも見える。終日展望がよいのもめずらしい。北沢にはあまりテントは多くない。今年は羽毛シュラフを装備品に加え、北沢小屋の横で雪中幕営する。19:00就寝
北沢小屋サイト | 7:00起床 | 9:12出発 |
駒津峰手前 | 10:15着 | 10:32発 |
甲斐駒ヶ岳 | 11:25着 | 11:50発 |
北沢小屋サイト | 13:14着 |
風強く、曇。今日は沈にしようかと思ったが、雲はそれ程厚くなく時々陽も差すので、寒風に吹かれて身を引き締めるつもりで、甲斐駒ヶ岳を目指すことにする。小屋横を通過する登山者の数はそんなに多くない。
仙水峠から摩利支天の岩峰
仙水峠から北沢峠
甲斐駒ヶ岳
少し出遅れた感もあるが、ゆっくり出ても昼過ぎには帰れる距離なので急がなくて済む。駒津峰までの樹林帯の急登は氷結した雪道になっていて、アイゼンで歩くのには調子がよい。
駒津峰手前で休んでいるとイワヒバリらしいのが近寄ってきた。甲斐駒ヶ岳の頂上は雲間に見え隠れする。六方石にてアイゼンを外す。頂上までは雪が少なく、かえって調子よく進める。
霞む駒津峰と六方石の岩稜
頂上まで危険な箇所もない。ガスでほとんど何も見えない。頂上には大きな温度計があり、−2℃を示していた。手袋なしでいられる。帰りに仙水峠から下るあたりから霙になる。15時ごろから雪に変わる。19:50就寝。
北沢小屋サイト | 6:05起床 | 7:15発 |
千丈ヶ岳 | 10:13着 | 10:56発 |
小千丈 | 11:50着 | 12:00発 |
北沢小屋サイト | 13:18着 |
夜半まで風が強く、天気が気になっていたが起きてみると星空で風も収まっていた。朝食を終わる頃には小千丈が朝日をいっぱいに受けていた。
北沢小屋のテントサイト
大滝ノ頭から小千丈への道
周囲の樹林には昨日の雪がついて、やっと冬景色らしくなった。新しく積もった雪は10cm程度もないくらい。快晴で気温も低くないので、ロングスパッツだけ着装して出発。歩調はアイゼンをつけているより速く、登りで先を行くパーティーを次々に追い抜いていく。
小太郎山 富士山 北岳
戸台川の河原は層雲で埋まっている。伊那盆地は晴れているが、遠く安曇野の方面は雲海になっている。小千丈の斜面は軽くウィンドクラストしているが、アイゼンやピッケルの助けを借りるまでもなく通過。展望は非常によい。千丈ヶ岳に到着。
鳳凰三山
雪に閉ざされた馬ノ背ヒュッテ
甲斐駒ヶ岳
南アルプス3000m級の峰々を遠望 (塩見岳、悪沢岳、赤石岳、聖岳)
北岳 間ノ岳
鋸岳の稜線 八ヶ岳
北アルプス 後立山連峰
乗鞍岳 伊那・高遠 槍・穂高連峰
中央アルプス 御嶽山(正面奥) 加賀白山(右奥)
デイパックに付けていたアイゼンの片方が無くなっているのに気づく。少し風があるのでダブルヤッケを着るが手袋はなくてすむ。下山する途中ですれ違った人に声をかけられた。親切な方で、無くしたアイゼンを見つけ拾ってもらった。感謝。
仙水峠を俯瞰
冬とは思えない陽光の下、北沢小屋サイトに帰着。多くのテントが張られていた。フライを外す。テントサイトは賑やか。19:00就寝。
北沢小屋サイト | 4:00起床 | 5:57発 |
北沢峠 | 6:30着 | 6:40発 |
丹渓 | 7:40着 | 7:55発 |
戸台 | 9:25着 |
テントの中は霜。星空だったが、間もなく曇空になる。朝早くからテントサイトは賑やかになる。テントを撤収して下山にかかる頃には、甲斐駒ヶ岳をめざすパーティーが夜も明けやらぬ前からヘッドランプを点けて、固く締まった雪道にアイゼンを軋ませながら通り過ぎていった。
北沢峠で一旦アイゼンを外したが、大平小屋から下は氷の道が続いていた。少し行ったところでアイゼンなしでは無事下山できそうにないと悟り、再び着装する。両手は滑ったときに傷だらけになった。
丹渓付近から登山者にすれ違うようになる。戸台川河原を急ぎ足で進む。戸台付近で下山パーティーを1つ追い抜き、最後は走ってバスに間に合わせる。
戸台から伊那北までの臨時バスは途中の駅は停まらず直行便である。曇空からやがて雪が降り始める。体が冷えてきて震えが止まらなくなる。丹渓で休憩したとき、ウールのアンダーシャツを脱ぎ上着1枚のままだった。伊那北駅でセーターを着重ねする。
パッキングを直して列車に乗ったのは12時半近かったから、起床からここへ至るまでずいぶん時間がかかっていることになる。辰野で昼食、信濃大町で暇つぶし後、駅送りしていた山スキーを受け取り、タクシーで大谷原の翔羊山荘へ向かう。
翔羊山荘で年越しは2度目。薄田と福本に平木さんのOBの他、現役は4人。
元日の朝は初日の出が見えた。ブッシュの丸山を30分、ラッセルなし。曇空ながら運がいいのか、日の出の方角だけが晴れていた。
丸山の山頂
昭和57年(1982年)の初日の出
OBの後藤さんが来る。雪質がよくないのでスキーができないと言って1日中寝ていた。鹿島槍スキー場に行ったが、雪が固く締まって確かに滑りにくかった。2日は終日翔羊山荘に居て、3日の午後、福本と共に帰途に着く。
翔羊山荘 白樺と鹿島槍ヶ岳