登山手帖

北アルプス 穂高連峰
昭和55年(1980年)9月3日(水) 〜 9月5日(金)

奥穂高岳山頂
奥穂高岳山頂の大ケルン


9月3日(水) 上高地 ・・・ 岳沢 ・・・ 前穂高岳 ・・・ 奥穂高岳 ・・・ 穂高岳山荘

上高地 7:50着 8:10発
岳沢ヒュッテ 10:00着 10:42発
カモシカの立場 11:25着 11:46発
雷鳥広場 12:34着 12:53発
前穂高岳 13:40着 14:15発
奥穂高岳 15:37着 15:49発
穂高岳山荘 16:07着  

上高地に着いたときは晴れていたが、間もまく穂高の峰々に雲がかかるようになる。秋に来たときより、人は少ないようだった。河童橋を渡り広い砂利道が岳沢登山口まで続く。針葉樹の森林の中を傾斜の緩い道を岳沢ヒュッテまで。思いの外早く着いたので、予定を変え先を進む。

岳沢ヒュッテで休んでいると、後から登山道清掃のパーティーが来る。岳沢を登る人は他にはいなかった。登山道は次第に急峻になる。すれ違う下りの人の歩みも慎重で進行がはかどらない様子。雷鳥広場からすこし登ったところで吊尾根からの水平道と合流する。

前穂高岳
前穂高岳

前穂高岳の登路はいくつかあるが、しっかりしているものは少ないようだ。前穂高の頂上にオコジョがいた。ガスで展望なし。吊尾根の鞍部から涸沢カールへ下るルートが小さい尾根筋にあるらしく、頂上で一緒だったクライマー2人が下っていた。

涸沢カール俯瞰
涸沢カール俯瞰

奥穂高岳の山頂もガスで何も見えない上、寒くてじっとしていられないため早々に下る。穂高岳山荘は風力発電の風車が回っていた。山荘でワンゲル同窓の薄田他3名と遭遇。食事時に音楽が流れ優雅な気分。夜は遅く21時まで。

9月4日(木) 穂高岳山荘 ・・・ 北穂高岳 ・・・ 大キレット ・・・ 南岳 ・・・ 中岳 ・・・ 槍ヶ岳山荘サイト

穂高岳山荘 5:00起床 7:05発
涸沢岳の下り 7:57着 8:18発
北穂高岳 8:18着 10:00発
南岳登り手前 11:32着 11:55発
南岳 12:33着 12:37発
中岳手前 12:52着 13:25発
槍ヶ岳山荘サイト 14:40着  

終日ガスで展望なし。宿泊の人々は涸沢下山か穂高〜岳沢下山のようで、槍ヶ岳へ縦走する人はいない。涸沢岳からの下りが思ったより急峻でかなり緊張させられた。鎖はついているが、ホールドはしっかりしているので鎖に頼らずにすむ。北穂高岳から縦走してくる人と次々にすれ違う。涸沢岳を下りきると楽な道になる。

涸沢岳付近の岩場
平坦な岩場に出て一息つく

北穂高岳の山頂はゴミが散乱していて、ガスで展望がない分よけいに目立っている。北穂高岳からの下り、飛騨泣きから大キレットと難所が続く。ガスで視界が限られているため、たとえ絶壁にいようと恐怖感はない。

下りで困るのは目印のペンキマークがよく見えないことと、足場が見つけにくいこと。今下ってきた岩場を振り返って見上げるとそこは急峻な岩壁。上から見下ろしたときより迫力がある。

大キレットの展望(常念岳)
大キレットから常念岳

大キレットから南岳への登り返し
南岳への登り返し

大キレットの鞍部を進む途中、時々雲の底から遠く常念岳や大天井岳が見える。南岳の登りも案外急な岩場で、下りは危なそう。ガスで何も見えず、ぶらぶらと中岳、大喰岳の縦走路を行く。やがて、槍ヶ岳山荘に到着。テントを張る。

9月5日(金) 槍ヶ岳山荘サイト・・・ 千丈沢乗越 ・・・ 南沢 ・・・ 滝谷・・・ 新穂高温泉

槍ヶ岳山荘サイト 4:25起床 6:35発
水呑場 7:32着 7:35発
南沢 8:10着 8:15発
滝谷 8:30着 8:59発
新穂高温泉 10:42着  

一晩中強風でテントが煽られた。吹き付けるガスでテントの中まで露に濡れ、煽られる毎に雨のように降り注ぐ。寒くて寝辛かった。

視界は10mほど。槍の穂先は登らず、千丈沢乗越まで一旦下る。やはりガスが濃く、強風。双六池には行かず、下山することに決める。

最後の水場と赤ペンキで岩に標識がある付近に2箇所、槍平の水場と滝谷、南沢以外は、案外水場は少ない。白出沢を渡ると車道が新穂高温泉まで続く。

飛騨沢の下り道
飛騨沢の下り道

穂高平小屋から山腹を巻く近道があるが、今回は車道沿いに行く。10:30発の10分遅れのバスに間に合ったが、アルペン浴場に入るため12:30発のバスに乗る。

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