苦悩への道のり -鈍感アリスと天農のもやもや-




えっと。俺ってばどうすればいいっすかね?



コレは、最近の俺の叫び。


勿論、声に出したりは出来ないけれど。



まあ、たぶんそうなんだろうな、とは気がついてた。


そうなるだろうな、とも思っていた。




でもねぇ、実際目の当たりにすると、どうしたらいいのかわかんないよね。


公衆の面前というのにどうどうといちゃついている二人・・・、の友人。

友人、だと思うよ?火村も有栖川も。

徐々に仲良くなっているなぁと思っていたら、あっという間にラブしてるよ。




で、痺れを切らして聞いたんだ。

ま、二人いっぺんに聞くのもあれかなぁと思って、それぞれ別々にね。




「なぁ、有栖川。・・・お前、火村と付き合っているんか?」
「ええ?天農、何言ってるん?・・・そんなわけ、ないやん!」


「は?」

「だって。火村、カッコええやろ?オレなんて相手にされへんよ、友達で居てくれるだけで嬉しいねん・・・・」

「あ・・・、そうなんや・・・・」



じゃ、授業に行くからまたな!と言って有栖川は遠ざかっていく。

そうか、じゃ、火村が一方的に恋慕されてるんや、と今度は火村を捕まえて聞いた。






「なぁ、火村・・・。お前、有栖川と付き合ってるん?」
「あ?天農、お前、馬鹿か?・・・アリスが俺なんかを選ぶわけねぇだろ?」


「はい?」
「まぁ、そうなればいいと思って努力はしているんだが・・・」

「・・・ああ、そうなんや・・・」
「そんなことより、お前、アリスを見なかったか?」

「今、あっちに歩いていったぞ・・・・」



そうか、と言って火村はあっという間に走って行った。

なんなんだ、あの二人・・・。




校内では有名な二人・・・。


まさかとは思うが気がついていないのだろうか。

周りはすでに付き合っているものなのだ、という対応をしているのに
当の本人同士がすれ違っているなんて。



二人の名誉のために言っておくが、二人とも決して脳足りんでは無い。

むしろ、頭はいいのだ。
火村はもとより、有栖川にしたって。



それなのに・・・。


「・・・ま、ええか・・・」



盛大に方向を間違えたすれ違いが、いつになったら収束するのか見ているのも楽しいかもしれない。



・・・まあ、目の前でいちゃつかれるのは少々辛いが。


季節は夏。

人肌恋しい冬までには何とかして欲しいな、と思う天農なのであった。

Author by emi