「なぁ…、なら…、こっち、やろ?」
「え…?」
この感動ったら、無い!
絡ませた腕をとるアリスは白く細い指を差し出し真っ直ぐに寝室を指さして微笑んでいる。アリスは淡白な方だと思う。割り切って、というかあからさまに身体を繋ぐのには抵抗があるらしく、いつも流れるままに、とか雰囲気を造ってから、というのがセオリーだったからだ。
玄関先で抱きつく様に出迎えてくれるのもそうだが、ましてや、直行でベッドへ、等と言う誘いはまさに、天変地異の前触れかと思わせるくらいの衝撃を齎す。たぶん、あっけに取られていたのだろうな。気がついた時には、ぐっと腕をひかれアリスの腕が腰に回されて顎の下あたりにキスをされていた。
「っ…、アリス…!」
「なぁ、火村ぁ…、嫌、なん?」
嫌、な訳が無かった。
腰のあたりに纏わりつくアリスを捉えると、あっと言う間に抱えあげ寝室のドアを開けベッドへと運ぶ。はやる気持ちを抑えつつも丁寧にアリスを下ろすと、その上に覆いかぶさる様にしてアリスを見つめ熱い視線を交わす。
用意、してあったのだろうか、室内には絞られた照明が仄かに輝いて横たわったアリスをおぼろげに照らしている。
「…アリス」
言葉・・・なんて、いらない。
艶やかに微笑むアリスは腕を伸ばして俺の頬を包み、滑らせるようにして耳元を伝うと頭を抱きよせ自然と近くなっていく唇が、当然の様に触れあい、触れあいはやがて蜜やかな湿った音を立て始めていく。
「ふ…、ぁ…ぅ、んっ…んっ…」
差し出される舌を吸い上げるようにして、開ききったアリスの咥内に舌を差し入れて歯茎を舐め、踊る様に蠢くアリスの舌を絡め取っては唇を甘噛みする。その間も、アリスの掌は俺の後頭部から首筋を撫ぜて掻き抱く様に力を込めている。その仕草に求められているのだという気配が滲み出でて、益々強いキスを仕掛けていった。
「ぁや…、んぁ…、む、らぁ…」
浅く上がっている吐息の隙間から熱に浮かされたアリスの艶めいた声が俺を呼ぶのに、背筋から重たい痺れが這い上がってぐっと下腹に力がこもる。アリスの顔が見たくて離した口元からは溢れだしたどちらともない唾液がぬらぬらと卑しい光を帯びた筋となって二人の唇を結んでいて、奪われていた呼吸のせいだろうか、アリスの瞳は濡れた様に一層の艶を帯びて俺を真っ直ぐに見つめていた。
「ひむら…、も、っとぉ…」
口付けはアリスの唇を紅くぼってりと腫れさせて、その紅い唇が紡いだ最上の誘い文句に再び貪る様な口付けをする。滅多に言わない、アリスからの求めに煽られない筈が無いのだ。どうにも、逢えなかったからだろうか、いつに無く誘いモードのアリスに内心どぎまぎしつつ、逢えなかった事で焦れているのは同じ俺は口付けの合間にも、羽織っていたアリスのバスローブを肌蹴させ掌を滑らせていく。
「…んっ、ふぁ…、あっ…」
「…?」
なだらかに滑る掌は、脇腹から腰のラインを確かめる様に撫ぜた時、ある筈の布の感触を素通りしていた。ぬるり、と離した口付けから一転、晒されたアリスの肢体に、ぞくり、とした。
「あ、…ぁ、ん…、そんな、見んと、いて…」
ガウンの下。何時もなら付けているはずの下着が無い。…全裸、なのだ。
「アリス…、マジ…?」
思わず、漏れていた俺の言葉に、アリスの表情が一瞬曇ったのを見て、慌てて訂正をした。
「いや、だった…?」
「違う!…違うんだ、アリス。…嬉しい、嬉しいよ。それに、とても。綺麗だ」
言葉と共につい、と指を窪んだ腹から、下肢へと滑らせると、ん、と軽く震えて徐々に頭を擡げてくるアリスの中心が堪らなく淫猥で、薄く生えた陰毛を掻き分ける様にして根元をなぞるとか細い、それでも確実に熱を帯びた吐息が頭の上から聴こえた。
「ふ…、ぁ…、ひむらぁ…。今日、なぁ…特別、やで…」
ぐるり、と根元を回りきったあと、そのまま足の付け根へと指を滑らせて勃ちあがりきったアリスの屹立の下で収縮を繰り返す双珠を掌でもみしだくと、先端からは透明の先走りを滲ませて悦ぶアリスに、ん?と声だけを返す。
「やから、…今日な、何、しても、ええよ…んっ、君がしたい事、なんでも、したらええ…ぁ、あっ…」
「…何でも?」
ぐり、と袋を包んだまま、親指を伸ばして裏筋をなぞると、堪らずといったようにアリスが俺の肩を攫んだ。
「ヒぁ…、な、なんでもぉ…、いい、んっ…」
「…アリス」
「ヒぁ…、も、ああっ…、はぁ…あっ、イイ、よぉ…っ」
足を大きく広げてその下肢を惜しげもなく晒してアリスが絶え間なく嬌声をあげている様は、火村が見た中で何より誰よりも綺麗で壮絶なまでに官能的であった。
「うぁ…、ヒっ、んっ…あぅっ…ひ、むらぁ…、っあ…」
「アリス…、綺麗だよ…」
あまりに強烈な快感からだろうか、アリスの顔は生理的に溢れだした涙によって濡れ、ひっきりなしに上がる嬌声に開きっぱなしの口元からは溢れだした唾液が唇の朱をひと際淫猥に彩っている。
「ふぁ…、あっ、あん、や…ぁん、も、イくっ…」
「…未だ、だろ?…ほら、もっと、な」
目の前で繰り広げられるアリスの姿に、見ているだけでもイってしまいそうな程中心の熱は熱く滾るが、其処をぐっとこらえるとアリスの双丘から姿を見せている黒い疑似性器を摘まみゆっくりと抜き出し、入口でグラインドさせながらぐりと抉るように深く挿入してやった。
「ひゃぁ…、ヒィ、あっ…ああ、あぁ…」
がくがくと膝を震わせてそれでも手首といっしょに戒められた足首が、開ききったアリスの秘部を火村に差し出したまま。その状態で横たわるアリスには、可愛そうな位張り詰めた自身を手で慰める事も、挿しこまれたままで内襞を苛むグロテスクなソレを抜き出す事も叶わない。腰を揺らめかせて必死に快感を拾っては嬌声をあげ、火村に解放を求めて啼くばかり。
「も、あっ…、ひむ、らぁ…イき、たっ、ねぇ…、っあぁ…」
「ああ、アリス…。本当にお前は堪らねぇな…」
規則正しい律動を繰り返す疑似性器は内蔵したモーターをぶるぶると震えさせその振動がアリスの内奥をもどかしく刺激する。その人工的な動きだけではどうしてもイケないアリスに、応える代わりに一層深くソレを突き刺して噛みつく様に口付けをした。
「んん〜…っ!」
どういう風の吹きまわしか、なんでもしていい、今日は特別、と宣言したいつになく積極的なアリスに、火村が提案したのは、縛ってもいいか、というものと…。もうひとつ。いつかの余興で手に入れていた例のおもちゃを使ってもいいかというものだった。いつもならそんな疑似モノ、使うなんて絶対にいやや!と嫌がるアリスは、特別やから…、恥じらいを見せつつも首を縦に振った。その仕草にどこかでストッパーの外れる音を聞いた火村はあっという間にアリスの躰を愛撫しながら手と足を共に柔らかく固定すると、大きく足を広げ秘部を晒した状態で、たっぷりと潤いを運びトロトロに解れた後腔へ硬くグロテスクなソレを挿入したのだ。
貪る様な口付けの合間にもしっかりと挿しこんだソレを抜き差しして、おざなりになっていた胸の突起をこねくり回して刺激すると、堪らないといったようにアリスが途切れそうな呼吸の下でいやいやをする様に首を振る。
「はっ…、ぁあっ、…も、ひ、ぁ…、む、りっ…」
その病的に美しいアリスの醜態に、いっそそのまま誰の目にも触れない様に閉じ込めて仕舞っておきたい衝動に駆られる。咥え込んだ秘部からは潤滑油が溢れ出でて、足を大きく広げ晒した屹立からは絶え間なく透き通った先走りが溢れだし、その全身は朱を刷いて淫らに蠢く腰はどうしようもなく火村を煽る。口から洩れるのは、ただ、ひむら、と自分だけを求める掠れたアルト。
「ね、…っ、ほし、ぃ…、ひむ、らぁ…、も、っとぉ…」
「もっと…?慾ばりだな、アリスは…。ほら、すげぇ、ぐちゃぐちゃだぜ?」
火村がソレを差し入れする度、湿った淫猥な音が室内に満ちてその音に煽られる様にしてアリスの双珠がきゅうと収縮をする。反り返った中心はアリス自身の腹に擦れて先端から白く糸を引いて泣いていて、どうしても掠めるだけの疑似性器の動きに焦れたようにアリスの腰が揺らめく。
「や、やぁ…、も、あっあ、ぁ…、ふぁ…」
「やべぇ、最高…、見てるだけでイっちまいそうだ」
繰り広げられるアリスの痴態に見ている火村も限界が近かった。すでに硬くなった自身は熱を帯びて先端を濡らし、痺れる様な感覚が下肢を支配している。そろそろ、とアリスに埋め込まれたモノをひきだすと、その形に馴染んだ内襞がすぐに閉じてしまう事無く紅く熟れた蕾が蕩けそうに蠢く奥を晒していた。
「ん…、ふぁ…、っ…、やぁ…、ぬい、ちゃぁ…やっ」
絡みつく様に追いかける中を見て、まるで誘われる様に火村はアリスに覆いかぶさるようにして抱きつくと、熟れて蕩ける内奥へと猛った自身をねじ込んだ。
「やぁ…あああ、あっ…、すご、っ…、イ…っ!」
「っく、アリス…、やべっ…」
それまでの無機質な刺激とは明らかに違う、体温を伴った独特の挿入で待ち望んでいた箇所への刺激を受け、まるで悦ぶようにアリスは内襞を絡ませて締め付けてくる。煽られていた状態の火村とて、待ち望んでいたアリスの包み込むような内奥に思わず、奥歯を噛み締めて堪えた。流石に挿れただけでイってしまうのは男のコケンに関わる。
「ヒぁ…、あっ、…ひむらぁ…、んっ」
熟れた果実よりも甘いアリスの内奥に埋まったまま、腰を高く挙げた体勢のアリスを気遣ってそっと戒めを外してやると、夢中で足を火村の腰へと絡ませてくる無意識の動きに一層深くなった結合がより際どい位置への挿入を可能にした。
「うぁ…っ、やぁ…ヒ、ぁ…っ‥!」
「っ、こら…、っアリ、ス…!」
きゅう、と纏わりつくような襞の蠢きと、自由になった腕が覆いかぶさった火村の首に巻き付き無心に口付けを強請るアリスの表情に自我を失ってしまいそうな位煽られ、闇雲に腰を深く抉る。
「やっ、んっ…ぁ、ああっ…、凄、ぃ…あ、あっ…」
「っつ…」
戒めから解放されたアリスの細腕が火村の背中へと回り、襲いかかる快感の波に立てた爪が与えた背中に走る鋭い痛みに、溺れていた快感からほんの少し浮上すると、腰のあたりに絡まっていたアリスの足を抱えあげ、直角に挿入角度を変える。挿れたまま、中をぐるりと掻き回す様な体勢の変化に息が詰まった様に堪えるアリスが堪らなく…淫猥で。
「ふぁっ、…んっ、そ、こ…っ、やぁっ…!」
いつにない深い挿入に見下ろしたアリスは焦点を失った眼差しを無意識に火村に向けていて、限界の近い様子にがくがくと震える足に優しく口付けを落とした。
「…アリス、イきたい…?」
「あっ、も、きて…ぇ…、ひむっ、…はよ、…」
必死で解放を強請るアリスに酷く満足しながら、堪え切れない位に蕩けたアリスの中で火村は堪らない快感の渦に呑みこまれそうになりながらも、なんとか息を整えると、ゆっくりと腰をひいて入口ぎりぎりまで己をひきぬき、…そして。思いっきり奥まで穿つように突く。
「イぁ…っ、やぁ…あっ、ああぁ…!」
「ふ、っ…、リス!」
押し寄せる波を追いかける様にして緩やかに、時に激しく腰を動かして穿つと、悲鳴に近い声をあげてアリスが啼き、その啼き声に合わせる様にしてひと際大きく抉る動きにアリスが後ろだけの刺激で吐精するのと、その奥へと呑みこもうとするかのような襞に締め付けられた火村が中を濡らしたのが同時だった。
Author by emi