ホテル公楽園(5号室)

2015.10.24


       という訳で石川富山新潟遠征初日、新潟県燕市内の玉宅湯にて一日の疲れを癒したあとは、いよいよあの
      ホテル公楽園へ移動です。しかし途中から空模様がだんだん怪しくなり、車のフロントガラスには大きな雨粒
      が。うひー、とうとう降ってきたか。天候が崩れ暗くなる中、知らない土地を心細く走っていると、幽霊が出ると
      噂される山奥の廃屋に興味本位で遊びに来た軽率な若者達を主人公にしたホラー映画のオープニングの様
      で、ちょっとゾッとしますね(笑)。
       それにしても流石米どころ新潟県、道路の両側に見えるのはひたすら田んぼと送電線です。地平線の彼方
      にはぽつぽつと建物が散らばり、なんだか田んぼの海を進む船に乗っている気分。
       しばらく走って、国道116号線沿いにあるホテル公楽園に到着しました!うわー、ここか・・・。大粒の雨がそ
      ぼ降る中、何もない場所に佇んでいるホテル公楽園ですが、何とも形容しがたい一種異様な雰囲気を纏って
      います。一見して古いアメリカ映画に出てきそうな郊外型のモーテルですが、目の前にあるだけで圧倒される
      
というか、皮膚の表面がピリピリするものを感じます。うぬぬ、正直これは予想以上・・・。

       かろうじて明るさが残っているうちに全景の撮影を済ませますが、駐車場に停まっている車はいずれも新潟
      もしくは長岡ナンバーで、その中に紛れ込んでいる私のなにわナンバーがなんだか冗談みたい。

       入口の前には宿泊料金を表示した看板がありますが、一泊2880円という激安価格。しかもよく見ると、元
      の2800円の上から8のシールを貼り、80円値上げした跡が。その80円という中途半端な値上げ幅の根拠
      は何なんだろう。普通に2900円とか3000円でもよかった気がしますが。
       ちなみにここ公楽園、ただいま創業25周年特別企画を実施中。とはいえこのホテルは昭和51年に竣工
      れた為、25周年は平成13年に迎えているはずなんですよね。以来14年間にもわたって創業25周年特別
      企画を行っているのは、日本広しといえどここホテル公楽園ぐらい
でしょう。

       壁面の一部は明かりとりのブロックガラスですが、何箇所か割れたまんまになっています。何故直さないの
      かよりも、むしろ何でこんな所が壊れたのかが気になるなあ。この後は朝までこのホテルで過ごしますが、果
      たしてどんな一夜になるのやら・・・。

       とりあえずチェックインを済ませるべく、風がびゅーびゅー吹きすさぶフロントに向かいます。控えめなオレン
      ジ色の照明がまるでパチンコ屋の換金所の様。フロントでは社長と思われるオジサンが丁寧に応対してくれ
      ましたが、渡された部屋のキーがこれまたなんとも懐かしい雰囲気。今はどのホテルもカード式になってしま
      い味気ない事この上なしですが、そうそう、昔のホテルの部屋のキーってこんな感じでしたねえ。紙に書かれ
      た手書きの『5』と、ぐるぐる巻きになったセロハンテープが感涙ものです。

       そして前払いの料金ですが、本当に2880円ぽっきり。当然と言えば当然ですが、掛け値なしの2880円
      ありました。ちなみに2階の客室は全部で9室あり、今日は土曜日の割に空いていて3室埋まっているだけ
      そうです。なんだ、気合いを入れて一ヶ月以上前から電話する事なかったか・・・。普段はもっと埋まっているん
      ですか?とは流石に失礼になりそうで聞けませんでしたが、全国からやってくる好き者達で満室と思っていた
      
ので、ちょっと意外。

       2階の客室フロアには、建物外部の階段を上がっていく構造。なんだか安アパートみたいな造りだなあ。上
      がった先にはコカコーラの自販機があり、その脇のガラス戸の向うが客室フロアです。
       静かにドアを閉めると、そこは無音の空間。先程まで聞こえていた強い雨風の音が一瞬で遮断され、まるで
      救難信号を出し続けたまま宇宙空間を漂っている無人の宇宙船の内部に入った気分
。別にそんな必要は全
      くありませんが、つい足音をたてない様に歩いてしまいます。

       それにしてもたまンないなあ。先程から脳内に響いてくる耳に痛い程の静寂。うーん・・・今、俺、本当にホテ
      ル公楽園の中にいるんだ!

       廊下の壁面は微妙にメタリックなキルティング生地の様に見えますが、触ってみると凸凹や柔らかさは全く
      なく、金属板の様に滑らかでぺったんこ。こんな壁紙は初めて見たかも。

       全部で9つある客室ですが、うち5つが洋室、2つが和室。さらに特別室が1つ、あと公室が1つ、という構成
      になっていました。特別室はいわゆるVIP、スイートルーム的なものと思われますが、この公室というのはなん
      なんでしょうか。普通のホテルでは聞かない種類の部屋ですが、ここ公楽園には護衛艦みたいに公楽園司令
      
という役職の人がいて、司令公室同様に外部からの賓客の接待マスコミ対応に使われるんでしょうか。
       ちなみに私が割り振られた5号室洋室でした。ドキドキしながら鍵穴にキーを差し込み、慎重に扉を開け
      ます。

       入ってすぐの所にはもう一枚ドアがあり、電話ボックス位の容積の空間になっています。そうそう、昔のホテ
      ルって、こんな感じの玄関みたいなのがあったんですよね。そしてその扉を開けると、まさに昭和丸出し垂れ
      流し
としか言いようのない6畳程の広さの部屋がありました。内装は爪でひっかくとぽろぽろ剥がれる土壁で、
      古アパートの匂いがぷんぷん。よく見ると鏡に心霊が写っていますが、まあ気にしないで下さい(笑)。

       床にはグレーのカーペットが敷き詰められ、無数に散らばったタバコの焦げ跡何かのシミが、まるで銀河
      に散らばる星々
の様。一体これは何の痕跡なんだろう・・・と、いつも被っている識別帽を前後ろにしてフラッ
      シュ撮影していると、なんだか殺人現場にいる警察の鑑識の人になった気分です。

       カーテンがかかった窓側には、一人用のソファ小さなテーブルゴミ箱。壁面には木目のクローゼットがあ
      り、中にはぐにょぐにょになった針金ハンガー、あとタオルバスタオル浴衣が一式完備されています。
       そしてこれまた小さなテーブルの上に、室内の雰囲気とはあまりに不釣り合いな新しい液晶テレビが置いて
      ありました。この部屋にはやはり一時間100円の有料箱型テレビが似合いますが、つくづく地デジ化は余計
      な真似をしてくれたなあ・・・。

       やや小さめのベッドには清潔そうなシーツ、そして羽毛布団一式。真っ白な枕カバーもノリの効いたいい匂
      いで、普通に寝るぶんには十分でしょう。その頭上には電話、そして箱ティッシュの代わりなのか、ひと巻きの
      トイレットペーパーが置いてあるのが公楽園らしい味つけかな?

       窓の脇には簡素ながらも清潔な洗面台があり、丸い鏡がこれまた昭和臭ぷんぷん。歯磨きセット髭剃り
      といったアメニティ類も完備されています。
       洗面台周囲の砂壁の剥離が激しいのは、この水回りを長年使い続けた5号室の宿泊者達の歴史の産物で
      しょうか。
その中に、今夜この私が名を刻むと考えると、なんとも感慨深いものがあります。私は果たして第何
      代5号室宿泊者
として、アカシックレコードに記録されるのやら。

       見上げた天井に輝いているのは、白色LEDを使った丸型シーリングライト。ここはやはり延長ヒモのついた
      丸い蛍光灯であってほしかったですが、商業的なランニングコストを考えるとこれはこれで仕方ないか。
       続いては、扉一枚隔てた浴室を見てみましょう。うおお、なんというかこの・・・今時こんな浴室を誇るホテル
      もそうそうないのでは・・・。青タイル張りの浴室にはピンクの便器が鎮座し、つつましいサイケデリックさという
      か、一種独特の色彩感覚眩暈を起こしそう。

       そしてその隣には、サビと補修の跡も生々しい浴槽が。うぬぬ、これは凄い。風呂場離れしたオーラを放っ
      ている風呂場です。さすがにこの風呂はちょっと無理・・・という人は少なくないでしょう。ちなみに私は先程
      適な銭湯を満喫したばかりなので、やや尻ごみ気味に遠慮させてもらうとしましょう・・・。
       そしてこの浴室で最も直視するのに勇気が必要なのが、この天井。照明の具合も相まって、気の弱い人が
      見たら戦慄を覚える天井
です。先程の鑑識気分がまだ抜けていないのか、ルミノール反応という言葉が脳裏
      をよぎります。

       しかしこの浴室を勘定に入れても、これで一泊2880円なら何の文句もありません。ベッドは清潔で寝心地
      よさそうですし・・・と、ここでベッドサイドの電話が鳴りだしました。受話器を取るとフロントで応対してくれたオ
      ジサンが
       「明日の明け方はかなり冷え込みますので、蒲団だけでなく暖房もしっかりかけてお休み下さいね」
       との事。細やかな心遣いに頭が下がります。とは言え、先程から興奮気味に室内を撮影しているので、むし
      ろ汗ばむくらい
。カーテンを引いてを開けると、外は冷たい雨が降り続き、どこまでも広がる田んぼの彼方
      
にかろうじてぽつぽつと灯りが見えるだけ。まるで漁火が浮かぶ夜の海を見ている様。
       そして緩やかに流れ込んでくる、雨の湿気を含んだ10月の冷たい空気。普段住んでいる大阪の生活圏の
      ニオイ
とは全く異なる、新潟の匂いなんでしょうね、これが。

       しばし感慨にふけりますが、いい加減お腹も減ってきました。ここ公楽園は昭和臭ぷんぷんの客室以外に、
      レトロ自販機でも狭い範囲で非常に有名な場所であります。中でも特徴的なのが、全国的にも珍しいトースト
      自販機
。殆どの人がそうだと思いますが、トーストの自販機なんて見た事も聞いた事もありません。早速その
      自販機が置いてある、建物1階のゲームセンターへと向かいます。

       部屋の鍵をかけ、人の気配皆無な通路へ。今夜の宿泊は3室のみと聞きましたが、という事は80円値上げ
      しても僅か240円の増収
なのか・・・。余計なお世話かもしれませんが、キリのいい3000円にしたところで
      き好んでこのホテルに泊りに来るような人は誰も気にしないと思うのですが・・・。それを2980円で止めておく
      ところが、社長さんの人柄なのかもしれませんね。建物外部の階段に出ると、目の前の国道を車が水煙をあ
      げながら走って行く様子が見えました。

        で、一階のゲームセンターです。入ってすぐの所にはテーブルと椅子が並び、その周囲には自動販売機が
      ずらりと並んでいます
。左手の暗い空間には沢山のゲーム機器が並び、ピコピコと空虚な電子音を鳴り響か
      せています。最初は気付きませんでしたが、よく見るとそのゲームコーナーには結構な人がいて、皆さん無言
      でゲーム機の画面に見入っていました。暗い室内、画面からの灯りにぼんやりと反射して見えるその無表情
      な横顔は、まるで護衛艦のCICにて戦闘配置につく砲雷科員の様。

       さて、私の目的はこちら。自販機グルメです。缶飲料、カップ酒、缶ビール、タバコ、スナック菓子、冷凍食品、
      カップ麺、そしてトースト自販機
。ちょっとした食事なら十分に済ませる事が出来るラインナップです。
       飲食コーナーに置いてあるテーブルと椅子は、まさに公楽園の歴史を感じさせる古び方で、これも古い護衛
      艦の科員食堂
の様な雰囲気。ビニール製のクロスがかけられたテーブルの上には、お湯が入ったポットと割
      り箸立てが並び、アルミ製のペラペラ灰皿もあちこちに。

       ああ、いいなあ、たまんないな、この雰囲気。ついつい感慨にふける時間が長くなりますが、いい加減お腹が
      減ってきました。と、その前に、とっぷりと日が暮れたホテル公楽園を外から撮影しに行きましょう。
       幸い雨は小降りになっていて、これならカサ無しでも大丈夫。地面の凸凹に出来た水たまりを避けながら駐
      車場に出て振り向くと、おおおおお、なんだこの建物は!一階のゲームセンターと二階の自販機以外の照明
      は無いに等しく、建物全体が闇に完全に溶け込んでしまっています。夜しかこの道路を通らない人は、ホテル
      公楽園の存在に気がつかないのでは・・・。なんというステルスホテル!

       しかしこれではまるで、紛争地域の灯火管制みたいです。国道沿いの大きな看板だけは照明で明々と照ら
      しているものの、文字が退色して何と書いてあるのかよく分からない部分もあるし・・・。

       その佇まいに深い感動を覚えつつ、ゲームセンターに戻ります。さて、生まれて初めてのトースト自販機との
      対面
です。バックライトに照らされた正面パネルには、高級そうなティーセットに淹れられたコーヒー、パセリを
      添えたトーストの写真がデザインされ、なんだか軽井沢あたりのペンションの朝の様な雰囲気ここホテル公
      楽園とのギャップの激しさ
にシビれます。

       メニューはハムサンドチーズサンドの2種類で、どちらも250円か。よし、ここは両方いってみましょう!そ
      れにしても、トーストとビールで夕食か・・・ある意味、ここホテル公楽園でしかあり得ない組み合わせです。こ
      れは忘れられない一晩になりそうだなあ。

       興奮に震える手で250円を投入し、目標に向けてミサイルを放つ気分でハムサンドのボタンを押します。す
      ぐに『トースト中』の表示がチカチカと点滅を始め、しばらくすると受け取り口に銀色の塊がぼとんと落ちてきま
      した。

       うやうやしくトーストを手に取ると、うわっ!熱っ!文字通りの熱々です。
       その後は同様にチーズサンドも購入して急いで5号室に持ち帰り、いよいよ公楽園ディナーの始まり。まず
      は缶ビールのプルトップをあけ、ぐびりとひと口。ああ、美味い・・・美味過ぎる・・・
       続いては、えーと、これ、どっちがハムサンドでどっちがチーズサンドだっけ?まあいいや、とりあえず熱さに
      気をつけながらアルミ箔を剥がしにかかります。途端に濃厚なバターの香りが部屋いっぱいに広がり、なんか
      すごく美味しそうですよ。

       しかしたっぷりバターでこんがり焼けたトーストの表面がアルミ箔にこびりつき、開封作業は難航を極めます。
      
うーん、どうしても一番美味しいところをアルミ箔の野郎に持っていかれるなあ。慎重にアルミ箔からトーストを
      剥がすその様子は、まるで腐乱死体を傷つけない様に衣服を剥がし取ろうとする法医学者の様な気分。鑑識
      班
になったり法医学者になったりと、なんだかスリルとサスペンスが漂う公楽園です。
       結局バターの浸みた一番美味しいところをかなりアルミ箔に持っていかれましたが、まあこれは後でこそげ
      取って食べればいいか・・・。

       2枚重ねのトーストをそっと剥がすと、中身はハムでした。うーん、この一連の動作が妙にエロいというか、
      てもイケナイ事をしている気分になる
のは何故だろう。これもホテル公楽園という特殊極まる場の持つ空気ゆ
      え・・・でしょうか。
       という訳で、熱いうちにハムサンドを一口。ほほう、これはなかなか。たっぷりと奢られたバターの香りが立っ
      ていて、食べ応えも素晴らしい。しっかり焦げた部分は香ばしく、やや強めの塩味も予想外にビールに合いま
      すよ
。最初はトーストとビールか・・・と思いましたが、これは結構イケるなあ。

       続いてはチーズサンド。スライスされたプロセスチーズは十分な加熱でいい塩梅に緩み、なんだか妙な懐か
      しさを覚えます。あれ?もしかして、過去に同じものをどこかで食べた事があるのかな?とは言え、こんなイン
      パクトの強い食べ物
を、食いしん坊な私が忘れている筈が無いのですが・・・。
       それにしてもこの味わい、まるでお爺さんの家で初めてとろけたチーズパンに塗って食べたアルプスの少
      女ハイジ
の様な気分です。あ、もしかして、俺の前世はハイジだったのか?お前は来世でこんなおっさんにな
      るんだぞ
と、無垢なハイジやクララを2人まとめてマジ泣きさせてやりたい気分になったのは、きっとアルコー
      ルの所為でしょう。

       先にハムサンドから食べたので、チーズサンドを半分食べる頃には冷め加減になってしまいましたが、一度
      熱々まで加熱したチーズが少しずつ元の固さに戻って行く一瞬の味わい
。悪くないですね。単に温めが足りな
      いだけのチーズとは明らかに異なる、とろけてもなければ冷え切ってもいない、絶妙のこの温もり。まるで水平
      線に沈んだ太陽が、ごく稀にほんの一瞬だけ見せるグリーンフラッシュの様な味のきらめきです。
       ハムサンドもチーズサンドも、その作り方は至極単純なメニューですが、同じものを自宅で作っても、決して
      同じ味にはならない
だろうなあ。ホテル公楽園の空気感という最大の調味料が欠けているのですから、それ
      も当然か。

       今日一日の長距離移動の疲労をアルコールが分解し、この小さなソファーにゆっくりと体が沈みこんで行く
      感覚
。このホテル公楽園と、そして新潟の土地そのものとゆっくりと融合して行く様な気がします。
       途中でトイレに入ると、そこだけ新しくなったボイラーの配管が目につきました。古くさびれたホテルですが、
      オーナーのオジサンはまだまだやれる、まだホテル公楽園は行き残るんだ、という固い決意を込めて、少なく
      ない改修費用を出したのでしょう。
       そう思うと、部分的に新しくなっているこのちぐはぐな浴室の雰囲気が、まるでボコボコに打たれながらもま
      だ目から闘志が消えていないロートルボクサー
の様に見えてきます。一夜限りのセコンドについた俺には、タ
      オルを投げる資格などないのだ・・・。両足で踏ん張って自力で立てる限り、このホテル公楽園は雄々しく営業
      し続ける
のでしょう。

       なんだかんだで昼間の疲れもあったのか、結局22時にはベッドへ。あ、そう言えばこの部屋の雰囲気の中
      で聞く『鶴光のオールナイトニッポン』の最終回は、きっと心に染みただろうなあ
。よし、次来る時は是非音声
      ファイルを持ってこよう・・・。
       時折強くなる雨脚や落雷の音を聞きながら、いつの間にか寝入ってしまいました。


       翌朝は0600に起床。窓を開けると、遥かかなたの雲の向こうに朝日が昇ったところで、なんとも神々しい
      雰囲気
。一晩中降り続いた雨はキレイに上がり、上空には朝焼けに染まった青い空が広がっています。

       それにしても、昨夜も気になったこれはなんなんだろう。窓のサッシの留め金のところに沢山ついた、小さな
      フジツボみたいなボコボコ
。ハンダで遊んだ跡みたいですが、明るいところで改めて見るとかなりキモイなあ。

       ゆるゆると荷物をまとめたり朝食をとったり、ベッドでぼーっとした後、0730に出発。通路は昨夜同様しん
      と静まり返っています
が、外からの明るさがあるぶんだけ開放的な感じがします。夜と朝とでは随分感じが違
      いますね。
       お隣の6号室の扉が少しだけ空いていたのでチラ見してみると、入ってすぐの空間が赤レンガ造りになって
      いました。あれ?5号室とは随分雰囲気が違うなあ。まあ赤レンガ風の壁紙なんでしょうけど、もしかして一室
      ごとに内装が違う
のかな?

       外の階段に出ると、おお、空気が冷たい!洗ったばかりの顔がピリッとします。よく見ると階段の手すりの支
      柱がところどころ歯抜け
になっていて、ちょっと怖いなあ。体重をかけるとぽっきり行きそう

       昨夜のオジサンとは別の男性に鍵を返却。うーん、昨夜のオジサンだったら色々と話を伺ってみたかったの
      ですが・・・それはまた今度かな。
       車に荷物を積み込み、朝のホテル公楽園を撮影。いかにも秋の新潟らしい、何所までも広がる青い空と白
      い雲
。駐車場の水たまりは朝日を浴びてキラキラと輝き、逆光を背にしたホテル公楽園は昨夜とはまるで印
      象の異なる、なんとも神々しい雰囲気
を漂わせています。うーん、脳内にEnya『The memory of the 
      trees』
が流れてくる様だ・・・。
       という訳で、オーディオのリストからEnyaのアルバムを選択。どこまでも続く田んぼ道を、天空のパイプオル
      ガン
とも呼ばれるティンダル現象を遠くに眺めながら、栄SICにむけて車を走らせます。いやあ、素晴らしかっ
      たなあ、ホテル公楽園

       この手の物件は憧れつづける間に脳内でどんどん感動ハードルが上がってしまい、いざ実物を見るとなん
      だかショボく見えてしまったりするもの
ですが、ホテル公楽園は私の想像力の及ばないはるか彼方を、軽々と
      飛び越えていきました。
       それにしても、全9室か・・・S.A.Sとしては何年かかってでもぜひ全室制覇したいところですが、大阪から遥
      か600km超の距離なんですよねえ。日本海食堂どころの話ではありませんが、私の新たなライフワーク
      なりそうな気がするなあ(笑)。
       さてこの後は、昨日に続いて日本海食堂に立ち寄ります。かなり時間が余りそうですが、まあのんびり走っ
      て途中のSAでフラフラ遊んで時間を潰せばいいや・・・と思いながら、北陸自動車道を西に向けて車を走らせ
      ました。




石川富山新潟遠征二日目、日本海食堂昼食編に続く
石川富山新潟遠征初日、燕市銭湯巡り編に戻る
トップページに戻る
自衛隊イベント以外のおでかけ目次に戻る