2010,12,29
 民俗学者の小松和彦さんの「鬼の玉手箱」を読んだ頃から、急速に「鬼」に関心を持つようになり、鬼の話をたくさん描くようになりました。何年かして、てらいんくさんから「鬼の助」「おによろし」を出版していただきました。もともとわたくしは伝説や昔話や妖怪談が好きでした。さらに自分の生い立ちをふりかえってみますと、「ああ、そうだったんか」などと妙に納得してしまうところがあります。といいますのも、わたくしは奈良県御所市の出身で、そのあたりは古墳の密集地、遺跡だらけの土地なのですね。想像すらできないほどの人々が生まれ、生活をし、なくなっていった古い土地の上で、わたくしも笑ったり、怒ったり、泣いたりしておおきくなってきました。いつかその土地の一番古い時代、弥生から古墳時代にかけての物語を書いてみたいと思っていました。そして今、まさにかきはじめました!

 そんな矢先に、テレビでニュースが流れたのですね。
―奈良県御所市遺跡発見。埋没林と水田跡が出土し、弥生人の活動が生々しく伝えている。
 京奈和自動車道の工事中に発見された中西遺跡のことです。
「ああ、見学会に行ってみたいなあ」と思っていました。とはいえ、遠いのであきらめました。
 そして、先日です。
 墓参で御所にかえり、野菜をもって帰るように姉がいうもので、彼女の家によったのです。すると、このような景色が目にとびこんできました。

                 

 この写真は姉の家の前の道から撮ったものです。何とおとなりさんが
中西遺跡でした!
 さらにおまけつきです。中西遺跡のおむかえさんが秋津遺跡
 しばし絶句したことです。実家が絶えてしまった我が身としては、今は姉の家が実家のようなもの。嗚呼! なんとすがらしいおとなりさんでしょうか!
 京奈和自動車道がつくと、このあたりはまたもとの形にもどされるということです。それまでに何度かご挨拶にでかけていこうと思っています。
 
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2010,12,26
 「ああ、もう26日!」
 おどろくばかりの早さで、日がすすんでいってます。先回のdiaryからいろいろなことがありました。
 墓参で奈良にかえり、年賀状を書き、講座にでかけ、クリスマスイブには教会のキャンドルサービスに参加し、聖歌隊員でがんばりました。もう若い頃のようにキャロリングにはまわることはしませんが、家のあかりを消して、キャロリングの来るのを待っているのですね。団地のしずまりかえった中に、とつぜん美しい賛美歌の声がきこえてきます。わたくしは用意していた駄菓子のはいった袋をもって外にでます。こどもたちとつきそいの先生や保護者たちで20人あまり、白いガウンをきて一生懸命うたっています。歌い終わると「メリークリスマス!」と大きな声でいいます。わたくしもありがとうの気持ちをこめて、「メリークリスマス」とかえし、お菓子袋をわたすのですね。
 毎年のことですので、キャロリングを楽しみに待っていてくださる団地の方もいて、窓から顔をだしたり、手をふってくださったりします。わたくしの住んでいます、神戸の山側にある某団地のイブの光景でした。
 
 もうひとつ、どうしてもお話ししたいことがあります。それは古代遺跡のことです。古代に興味のあるわたくしは、いつかその時代の話を書きあげたいと思っています。そして先日、墓参で帰り、おもいもかけない幸運な出逢いをいたしました。
 次にお話いたしますから、きっときいて(読んで)くださいね。
 
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2010,12,19
 昨日は「キッズブックらいぶ」でした。兵庫の地、こべっこランド(神戸)で開催するようになって10回目となります。出演は、絵本をたくさん出版されている北川チハルさんと、スライド紙芝居で公演にまわられている石神誠さん、それに人形劇ではすばらしいキャリアの持ち主、中住千春さんがひとりでの人形劇というむつかしい演技に挑戦してくださいました。
 「こべっこランド」のスタッフのかたが「大成功でしたね」と何度も言ってくださいました。120名にもなる多くのこどもや親御さんたちが聴き入り、みいり、楽しんでくれたのです……。

 今回のライブで、わたくしは「若い方々の力」に胸をあつくしています。
 だいたいはこのようなライブをする場合、実際の上演時間の数倍の準備時間がかかります。特に出演者だけでの準備となりますと、とても大変なのですね。今回もまた多くの若い方々、もちろん「キッズ」の性格上、作家志望のかたがたですが、きてくださり、飾り付けや、受付や、こまごまとした準備をてきぱきとやってくださいました。本当にありがたいことでした。
 ライブ終了後、応援にかけつけてくださった竹内もと代さんもまじえ、児童文学談義に花がさいたこともまたうれしいでした。
 
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2010,12,12
 やっと種々のことが一段落つきました。いつもながらたった数行のdiaryが更新できなくてすみません。
 話してみたい一番大きな事件はこのホームページにかかわることです。わたくしの不注意で、突然トップページを失ってしまいました。マリーゴーランドのように、私の本たちがぐるぐるとまわっているというサイトの玄関口、トップページです。これは友人の葛本茂さん(Jac社)がつくってくださったのですね。決してわたくしにできる技ではありません。当然どうやってみても、いくらがんばってみても古いページしかでてきません。ああ、どうしよう。
 超忙しい彼に、メールをいれ、再度おねがいしました。そして数日後、またぐるぐると……。その時のうれしかったこと! ほんとにほんとにありがとうございました。

 久しぶりにアンソロジー作品の校正がありました。
 久しぶりに神戸新聞の「おはなしの森」に、わたくしの童話「クリスマス・プレゼント」が毎日曜、連載されています。
 久しぶりに、つまり一年ぶりにルミナリエにいってきました。

 そして、今日、新しいことばの意味を知りました。
「崇める」ーあがめるーという言葉です。主に「神をあがめる」などと使われますが、わたくしは「尊敬する」「敬愛する」ほどのことばだと思っていました。が、「崇める」とは、対象のものを大きくして、自分のほうを小さくすることだというのですね。相手をあがめるとは、相手を大きくして、ひたすら自分を小さくする……。ああ、なんと難しいことでしょう。
 
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2010,12,3
 師走の季節となりました。以前ほどではないのですが、やはり何かといそがしくなりそうです。とはいえ、12月に入って、まずわたくしが必ずやっていることがあるのですね。やっているというより、出かけていくことかなあ……。
 それは震災の鎮魂「ルミナリエ」へ。

           
           第10回ルミナリエ

 ことしははや16回を数えると言います。
 わたくしの「童話を書く」そのものがためされた阪神淡路大震災でした。「書く」ことにあらためて、覚悟のようなものを自覚させてくれたのが震災。そしてはじめてのルミナリエ。空気までもこごえそうな寒い夜、誰もが泣きながらあの明るい光の下、ルミナリエの中をあるいたことです。今年もでかけていこうと思います。わたくしは生かされ、今お話を書かせてもらっているという思いを新たにするために……。
 
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2010,11,22
「continue is power」、継続は力なり、根気よくつづけていると良いことがやってくると、わたくしは強く信じているむきがあります。というのも、長く続くと言うことは、それだけ続けることができたということ。飽きなかったということ。ずっと興味があり、好きだったこと。

 昨日、「キッズブックらいぶin兵庫」の打ち合わせ会をしました。なんと10回にもなるのですね。その折りに出演してくださった絵本作家さんたち、協力してくださった方々がもう十数名にのぼることに気がつきました! こどもたちに発信していける「キッズブックらいぶ」がこんなにも長くつづくことができたわけをしっかりと気づかされました。

「continue is power」
 最も大きな要因は、共に興味をもってつづける仲間がいるということです。
感謝しながら、まだしばらくは続けさせていただこうとおもいました。詳細が決まり次第、diaryコーナーとインフォメーションに載せますので、ゆるされる方はぜひ遊びにきてください。
 
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2010,11,15
 ホームページを持っているというのに!
「アップしないで、申し訳ないなあ」とつぶやいてしまうことが時々あるのですね。そのひとつに、友人達の本の紹介がうまく出来ないことです。それなりに長く児童文学にかかわっていますと、作家さんや画家さんとも親しくなります。感動をうけ、感銘をうけ、「ああ、すばらしいなあ。多くの子ども達に読んでもらえたらなあ。せめて自分のサイトで……」と思うのですが……。

 どうもふたつの理由が邪魔をしてきたようです。
 ひとつは技術というか、よくここでも話題にのせていますように、わたくしは画像や文章をすぐにうまくアップできる人ではないということです。結構時間をかけて、あれこれ考えてしまったり、むつかしくて途中でやめることになったりするのですね。
 もうひとつはメンタルな問題。すばらしい作品と同時に「もうちゃっとがんばってほしいな」と思う作品にもであいます。載せていいのかな? いや、しかし! 見方をかえてみると、「これでいいのだ」、「今のわたくしの知識や感性でもって『もうちょっと』と思っているだけかもしれない」。それに公平にできないのでは……などなど

 もっと気楽に考えて、いつかすてきな「友人達の作品」コーナーをつくってみたいです。
 
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2010,11,8
 今年は紅葉がとてもきれいだとニュースで報じられたり、わたくしも実感したりしています。義母がお世話になっていた施設にむかう途中に、それはきれいな銀杏並木がありました。ずっとつづくまっすぐな道の両側に黄色というより金色にみえるほどにみごとな街路樹です。その色づきまっさかりの枝をどういう理由かしりませんが、ばっさりきってしまったというニュース、そしてそのことの苦情がよせられているというニュースがでていました。
―わあ、それはいかんやろ。あと4,5日ぐらい、待ってくれてもいいやろに。

 ところが今日、なんとそのとおりのことがわたくしの家の前の街路樹にもおこりました。真っ赤や真っ黄色にそれは美しく紅葉した街路樹を朝から順番に丸坊主にしていきます……。その作業をまのあたりにして、おどろきや怒りをとおりこして哀しくなっています。
―ああ、どうしてあと2,3日、枝葉を切るのを待つことができないのでしょう……。
 ことしはことのほか紅葉がきれいなのです。

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2010,10,30
 ごらんになっていただけましたか?
 もちろん、ここへきてくださるということは、きっちりトップページをクリックしてくださったはず……。
  
本がメリーゴーランドのようにまわっているでしょう!
  マウスの位置によって、回転方向やスピードが変化するのですよ!
  廻っている本をクリックすると、その本の説明画面が現れます!


 今日思いもかけないビッグプレゼントがとどきました。上記のような仕掛けのトップページです。
 友人の葛本茂さんがつくってくださいました。開設九周年へのプレゼントです。連絡をいただき、急いで開けてみた、わたくし……。あまりの見事さに胸がつまってしまいました。想像すらできない内容のものをみると、人は胸をうち、涙腺がゆるむものです。うるうる。
 葛本さん! ありがとうございました。

 最先端のトップページに恥じないように、一生懸命童話をかいていきたい、すばらしい児童文学を目指したいと思うばかりです。どうぞ、みなさま、これからも見守ってくださいますようお願いいたします。

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2010,10,27
 ざっと洗える材質の白のジャンパーが気になっていました。袖口と裾がくろくよごれています。漂白して洗おうと、今朝、粉の漂白剤につけました。すぐに消えると思っていたのですが、まだ残っています。こんどはちょっときつい液体の漂白剤を使いました。ところがまだよごれがとれません。
「あーあ、えらいきついよごれなんやなあ」
 あきらめて、洗濯機にいれようとしたとき、ふと思い出したのです。息子が少年野球をしていた頃、落ちないところをよくごしごし手洗いをしたものです。
「そうや、一度、こすってみよ!」
と、びっくりです! 
 もののみごとに、残っていた汚れがとれていました。
 わたしはひとりでにまにま。
 あの手、この手の薬剤を使うよりも、自分の手が一番ということだったようです。なにごとも原点にもどれということでしょう!

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2010,10,21
 日課として、ウオーキングはかかさないようにしています。というより、出来るようになりました。よく考えると、出来ることと出来ないことが自分のなかではっきり「仕分け」しているのですね。自分でもおどろいています。ウオーキングも毎日出来るようになりました! 
 途中で婦人会の仲間にであいました。「これからカラオケ教室や」とおっしゃる! 以前だったら「行きたいなあ。誰でもいけるの?」ときき、「大丈夫や。おもしろいよ。行く?」と言われると、時間があればあれこれ考えることなく、ついていったことでしょう。でも今日、私は「仕事が待ってるから」と言いました。彼女は「そうか! まだ童話書いてるんや。がんばりや」との返事。
 帰ってから、すぐに作品の推敲をはじめました。

 どうということのないウオーキングと友人との会話、そして地味にパソコンにむかう作業なのですが、なぜかうれしくなりました。不思議な心境のわたくしです。

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2010,10,15
 子育てをしているなかで、わたくしが一番気にしていたことは、「親である私たちがいなくなってもちゃんと人としてやっていけるように」ということでした。具体的な思いの中に「自分の心できちんと、イエス、ノーがはっきりと言えること」がありました。
 実はわたくしは幼い時から、今もかもしれませんが、他人様から結構ちゃきちゃきした、積極的な、明るい、元気なといったイメージをもっていただけるのですが、大事な大事な決断の時になると、臆病になってしまい、「イエス」「ノー」が言えなくなります。この弱さは人として、いけません!

 ふたりのこどもは、最大の心配ごと「親つまり、わたくしと夫の死」を経験することなく、元気に成人いたしました。わたくしよりはるかにしっかりと「イエス」「ノー」を言えるようになった気がします。
 子育てはなんとかクリアしたものの、童話を書いている最中、しばしば、このわたくしの優柔不断、弱い自立心を思い知らされ、悩まされ、たちどまってしまいます。子育てが終わっても、自分育てをしっかりやらないといけないようです。

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2010,10,10
 今日は10月10日、このホームページの誕生日なのですね。なんと満9才になりました。このサイトは、わたくしの高校時代の友人がすべて! 引き受けでつくりあげてくれました。理数苦手、器械に弱い私がこうして9年間も無事に動かしつづけることができたのも彼のおかげと、今も感謝、感謝です。
 もうひとつはコンスタントに回り続けるカウント、時折とどくお便りから、見にきてくださっているみなさまのことを思い、うれしさと共にこうして続ける支えになっています。誠にありがとうございます。とはいえ、相変わらず更新は一週間に一度程度。誠に申し訳ありません。
 来年の10周年にむけて、何か楽しいことをはじめてみようかなあ。
 いいアイデア、ございませんか?

 来年のことをいうと、鬼がわらうから、やっぱり当分、今までどおり日常のおしゃべりをしていきたいと思います。更新なまけものですが、時折はのぞきにきてくださいね。
 明日から開設10年目にはいります!

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2010,10,5
 プレアデス会員の風野潮さんがはじめての小学生向きの作品を出版されました。
 プレアデスの会員ということもあって、彼女の著書はたいてい読ませていただいています。中学生向き、YA作品が多かった方なのですが、今回は小学生向き! 気の弱い男の子が大好きな「石」をめぐって、心がきたえられ、友情が芽生え、成長していく楽しいお話です。
風野潮さんの「小学生向き!」作品に乾杯! もっとたくさん書いて、中学生だけでなく、小学生たちにもわくわくどきどきさせてほしいです。
           
 「桜石探検隊」            
         作:風野潮   絵:よこやまようへい
            角川学芸出版

 絵を描かれた、よこやまようへいさんを、私は存知あげています。長身の好男子でなんとなく表紙の剛に似ています。ご本人と同じように、さわやかな絵がとてもよかったです。これからどんどんご活躍されていくのでしょうね。
すてきな挿絵に乾杯!

 乾杯することがもうひとつ。それは角川学芸出版さん。
 書いているものにとっては自分の本が出版されるということは何よりもうれしい……。ところが昨今諸事情でなかなか児童書、とくに単行本の発刊はむつかしくなっていました。角川学芸出版さんの取り組みがとてもうれしくなりました。こどもたちが以前のように児童書にもどってきてくれますように……。
こんな募集もされています。


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