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実験経過について

改造を実施し相応の結果を得ました。____2012.08.11
仮実験に基づき、一部構造を変更して改造を行いました。
サイレンサー構造は特殊な形状ではなくほぼ球形ということで、休日を利用して5日間程の作業日数でした。
後部ドライバーの正面スチフネス改善と外部への音漏れ削減という相反する2つの課題に対して取り組んでみました。
改造後の調整が必要でしたが、音像定位については仮実験の結果と同様に改善され、かつ、仮実験では改悪の方向だった楽器の輪郭ボケや音場の再現性が狭くなるなどの現象も改善されていて、当初の目的がほぼ達成されました。
詳細は、以下を参照ください。

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サブ・キャビネットの後方を開放している影響を確認。____2012.06.17
影響を聴感にて確認し、改造方針を決定。

約1.5リットルの容積を持つダンボール箱にミクロンウールを充填したものをボディ後方に取り付け、サブ・キャビネットを有限密閉空間としてみました。
二つの因子『ドライバーBフロント側スチフネスの上昇によるアンバランス増加』と『漏れ音圧による歪成分の低減』が相互に絡んでくるため評価は難しくなりますが、これからの改造方針の決定のために大まかな判断をしたかったので、ほんのミニ実験のつもりで実施しました。
音圧特性や二次/三次歪特性を測定していないのではっきりとは言えませんが、気になっていた音像定位がフラつく現象(多分、後方からの漏れ音圧による干渉/歪に因るピークディップが影響しているのだろう)は、殆んど気にならなくなりました。
但し、空気感、開放感といったものはスポイルされ、奥行感、天井の高さ表現なども若干狭くなった感じ・・。
ワンポイントマイクで録音したソースを数種類聴いてみましたが、音像は定まるが、やはりそれぞれの楽器の間の空気感が出にくくなっているようです。オーバーダンプになっている・・?
それと構造的に弱いダンボール製なので、音圧で揺すられ、二次音源になっている可能性も疑えたので、確認のため耳を近づけると、ダンボールが結構鳴いていました。
仮実験のため、このレベルで良しとして、以下の改造図面を起こしました。
8月末までには改造を実施する計画です。

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ピラーとキャビネットの間にダンパーを挿入した場合の効果を確認。____2012.05.19
(ARシステム概要:13ページ図5-2、図5-3の確認)

ダンパーを挿入しない場合には床材質(振動しやすさ)の影響度が高く、音像定位感が平面的(立体情報がノイズにかき消された感じ)になり、ユニットの位置が気になりだします。
また、試作機は振動系の保持高さを調整できるようになっていますが、調整することによる影響度の変化幅が大きくなります。(詳細は、”ARシステム概要.pdf ”を参照願います。
ダンパー挿入は床の影響に対する感度をブロードにする効果がありそうです。

AR-1試作機の『製作記』を新規追加しました

不要振動の打ち消しを開発テーマにしたAR-1試作機の製作工程を公開します。

外観も特徴があると思いますが、音場再現性を追及した試作機ですので、本当は音楽を聴いていただきたいのですが・・・

ボディ途中

ARシステムはニュートンの第三法則である作用反作用の法則を利用して振動板からの放射エネルギーだけを取り出そうとする試みです。
従来のスピーカーシステムではドライバーユニットのフレームをキャビネットに固定しているので、振動板からエッジやサスペンダーを介してフレームに伝わった振動は、キャビネットにダイレクトに伝わり、いわゆる箱鳴りを引き起こします。
これが、振動板からキャビネット内部の空気を伝播してキャビネットに至った音波と干渉(混変調)を起こし、音を濁らせていました。
それを防ぐためにキャビネットを強固なものにしようというのが今までの設計思想です。
今回提案するARシステムでは、振動系がキャビネットから独立しているため混変調を抑圧でき、且つ、振動板からのエネルギーだけが放射されるような構造になっています。
構造の詳細は、以下のpdfファイルをご覧ください。
また、技術的な記述は”技術情報 ”のページで紹介しております。

『トールボーイ型提案』

複雑なAR-1に対し、ARシステムの構造をトールボーイ型のキャビネットで実現する事を狙った提案です。
あくまで机上提案なので、AR-1のレベルまで音場再生ができるかどうかは未知数です。