ピラミッドの香り


 エジプトといえば、やはりピラミッドでしょう。かの国のシンボル、古代エジプト人の遺産、人類の宝。
 旅の目玉もやはりこれです。もう、日本人の頭には、エジプト=ピラミッド。私も、そりゃ期待しておりましたよ。
 だから、カイロの街中から当たり前のようにピラミッドが見えた時には、おお、ついにエジプトに来たって実感しました。
 しかし、あんまり何気に見えたので、少し拍子抜けも。地元の人にとっては、もう当たり前の光景で珍しくもなんともないんでしょうね。
 ツアーでは、これでもかというくらいたくさんのピラミッドを見ることが出来るので、その点、個人旅行に比べて確かにお得。
 このツアーでも、ギザの三大ピラミッド、サッカラの階段ピラミッド、ダハシュールの屈折ピラミッド、赤のピラミッドを1日で巡りました。訪れたピラミッドの内、2つは中まで入ったし、傍まで行かなかったけれど崩れかけ半ば岩山と化しているピラミッドがごろんと砂漠の中にあったりと、もう、一生分のピラミッドを見つくしたという感じでした。満腹。ていうか、これだけ一気に見たら、ありがたみも薄れる…確かにすごいことはすごいんですけれど、大きな石の山と言ってしまえばそれまでで。古代のロマンに浸るには、砂漠はあまりにもだだっ広く、明け透けで、そこにただでんと存在しているピラミッドは大きすぎた。それでも、うるさい物売りやラクダの客引きに悩まされることのない、ギザ以外のピラミッドが、もし静かに訪れて浸りたいならのならお薦めかもしれません。
 それから、ピラミッド内部の探検ですが、せっかくだから、1つくらい中に入ってみるのもいいでしょう。ただし、何もありません。すごい急勾配を身を低くして下っていき、帰りはまた登っていくだけです。装飾も何もありません。ただ、内部の構造はこうなっているのかと分かる、それだけです。
 これは、結構きつい肉体労働になるので、足腰に自信のない方は無理をしない方がいいかも。普段使わない部分の脚の筋肉を酷使するので、数日間筋肉痛に悩まされます。私も、鍛え方が足りないためか、それから3日ほどよたよたとした変な歩き方になっていました。だから、筋肉痛対策のシップまたは消炎鎮痛の塗り薬を持っていくことをお勧めします。それと、内部はかなり暗い部分もあるので、懐中電灯があると便利でしょう。
 また、臭いに敏感な方はマスクも持っていったほうがいいかもしれません(砂嵐の季節なら防砂対策にもなるし)。そう、ピラミッドの中は臭うんです。なぜか分からないけれど、そうあの臭いはまさに公衆ト●レ


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