ひとまずリッサーニまで出て そこから 状況を聞いてみよう。
ホテルから 直接リッサーにまで 100dhで送ってもらう、グランドタクシーを待っていては 何時になるかわからないためだ。
リッサーニのグランドタクシー乗り場に行くと、エルラデシアまで行けば、何とかなる、しかし、そこに行くにも 冠水した道路があって、そこに行けるかどうかわからないと聞く。
タクシーの運転手も、皆で電話をして 状況をうかがっている、車が流されたようだ、それで出発をためらっていて、何度も車を乗り換えるが、なかなか出発しない。
そのつど「こっちの車だ」って 呼びにきてくれるのだが、もう1時間以上、地元の人も 困惑している。
少しはなれたところに、バスターミナルがあるが どうも そこもだめらしい,
12時ごろ 意を決して 1台のタクシーが 行くぞって事で、乗客は5名 一人25DH です。

バスはしばらく走ると、所々で 昨日の豪雨の爪あとを残しています。
道路はところどころ、冠水し 畑は水没し、横を走る 川は ほとんど 道路と同じ位の高さで ゆっくりと流れています。
それでもタクシーは水を掻き分け 進んでいきます。一度 警官が閉鎖していた道路に突き当たりました。
自家用車は 立ち止まって みんな 車から 降りています。
しかし、グランタクシーは その横をすり抜け 水の中に ぐんぐん 突進していきます。
なんと、ドアの下より 水位が高いのですが、アクセルを 吹かしながら、浮き上がることもなく 進みます。
まもなく 
ドアの下から 泥水が 足元に入ってくるではないですが、みんな 濡れないように足を上げて回避します。

水没道路を渡りきったところ

運転手のがんばりで 1時間半後には、エルラデシアに到着しました。昨日の雨がうそのような、少し熱いくらいの日差しです。
グタンタクシー乗り場を出て 近くに 長距離バス乗り場があるんだけど、場所がわからない、近くを歩く女性2人組に聞くと「今からそちらに行くから、一緒に行きましょう」と助かった・・・・
バスターミナルは 人がまばらでしたが、バスが5台くらい止まっていました、ワルザザートまでは 8時間以上 日にバスは1本ないし2本だからもうないかもしれない、明日になるかもしれない そうなると、ぎりぎりの日程で 移動しているので 当然 行けない場所が出てくる・・・・・
個人旅行とは そんなものだ、時間のロスばかりの旅行だけど、仕方がないなぁ と思いつつ「ワルザザート!」って 叫んでみたら、あれだよって そこにいる人たちが 一台のバスを指差しした、
何?あるのか? やったーーーーついているぞ、今日は

散々、待たされ迂回して くたびれていたけれど そんなことは 一気に吹っ飛んだ、それも荷物の積み込みをしてもうすぐ出発する感じだ。
チケットを 戻って買いに行くと もうあと3席しかあいていないけど、座席は選べないよと言われた、乗れるだけで ラッキーだ。
そのときの時間は、13時45分くらい、バスは14時に出発するそうだ、本当にぎりぎり間に合った、あの人たちが 案内してくれなかったら間に合わなかったかも、ほっとして 半分閉まっている、店で 隠れて コーラーを飲む 朝から 水も何も飲んでなかった 今は ラマダン 冷や汗かいた分だけ コーラで補給です。
バスはほぼ満席 後ろのほうに イタリア人グループ6人くらいがいる あとは モロカンです。いまから 城壁や古い町並みのある カスバ街道を走って ワルザザートに行きます。
窓から見える景色が 楽しみです。
でも 走り出して 最初に見えたのは、道路の冠水状態でした。エルラデシアの町を離れると、次第に 豪雨の爪あとが・・・

水に流されてしまった バス

午前中に走ったバスは まだ残っていた冠水道路で 橋を渡ろうとして 流されて しまったらしいです。荷物もドロドロになって、道端に干してありました。
日が傾いてきて 暗闇に包まれてきました。時々 トイレ休憩があるのですが、そのつど エンジンスターターモーターが 空回りして、男衆がバスを降りて、押します。 押して押して ブルーーーン って エンジンがかかり さぁ出発だ となるのです。
民営バスは 安くて 何本も運行しているのだけど、バス自体が 古かったり運転が荒かったり するそうです。でも 旅行者には 便利な 交通手段です。
あたりは真っ暗になって 町の西側の民営バスターミナルに着きました。近くのホテルに 値段を聞いて回ったら、1軒目は140DH シングルルーム まあ 悪くないけど ほぼ 寝るだけで フェズで お金を使ってしまったから、今日は 少し節約しようと思い、次を探す。そのすぐ横に ボロイ・・ホテルが 行って見るかぁ
受付なんか無くて 入り口横の1畳くらいの小部屋か倉庫のような所に おじさんが 横になっています。その人に シングルの部屋は無いか?
と聞きました・「うーーん あるけど」「いくら?」 「40DH」
おおおおおおお 久しぶりの安宿 40は破格だなぁ

部屋を見せてもらうと、値段に相当する部屋だった、ベットはもちろん パイプベット その上マットのスプリングが抜けている。床はざらざらして
部屋は狭く 小さな窓が ついているのが 幸いだった。

ここでいいかぁ と40払い 荷物を置く。
共同の シャワーと トイレがついていて、シャワーを 浴びるすぐ横に 穴が開いていて そこがトイレ・・・厳しい状況である。
草履を今回は持っていないので、草履を履いたまま シャワーを浴びることもできず。
ぬるいシャワーを 手短に浴びようと思ったが、ズボンを脱ぐと 横のトイレにすそが着きそうになるは、少し臭いがこもるっているは、あああっ と ため息をつきながらシャワーを浴びる状況だった。

部屋に戻り ベットをしげしげと眺めるが、マットレスが変形して真ん中が盛り上がって 寝心地は悪そうだ・・
それにも増して、
マットレスしかない、 ううううううーーーーーーーんとしばらく考える。
どうやって寝ようか・・・・・・・・・
結局 防寒具を着て靴下はいて 野宿のような格好で 寝ることにした。
こんなことで あわてていては ぼろ宿に 泊まれない、モロカンは自分のブランケットを持って 泊まるようだ。だから、荷物が あんなに 多いのかぁさて ラマダンも終わり 町では いいにおいがしている。
飯でも食いにいくかぁ。モロッコに来て まだ一度も アルコールに ありついていないので ビールも飲みたいなぁ・・・・
ホテルの下は 大衆食堂になっていてそこで、簡単な名も知らない 定食を食う。やっぱりこのあたりには アルコールは無いようだ、町の中心のホテルには ある というが、タクシーで行くのも 面倒なので、コーラを飲んで 我慢する。
でも何とか 予定どおりに 進んでいることに少し 自分自身でも驚きながら、助けてもらった人に感謝する。ホテルの横の 小さな売店で 水を買おうとしたら、子供が店番をしていた、親父さんは チャイを飲みながら 友達と談笑中、子供も店のテレビに夢中だ、水頂戴!って 言っても 気がつかない。すると親父さんが気がついて、子供はしっかり 店番をしなさい って 怒られた。
ちょっと しょげた 子供に 鉛筆を上げると うれしそうに「 
シュクラン」 って アラビア語で ありがとうって 言ってくれた。
その水を持って 部屋に帰る、部屋の鍵は あってないような針金のようなカンヌキだ・・外から賊が入るのは簡単だが こんな部屋に入る賊はいないだろう。
部屋に帰ってのは23時くらいで、何もすることなく 寝る。
明日は、荷物を預けて、スターウォズで有名な、アイト・ベン・ハッドウに行こう、グランタクシで、そして 午後には マラケシュに向けて 景色のよい2000m級の山を越える アトラス山脈を 眺めて見たいと思います。