17時発のワゴン・リーに乗りこむまえに・・
ワゴンリーとは、列車名ではなく、車輛製造会社の名前なのです、1883年に創立された、この会社は、ベルギー人のジョルジュ・ナヘルマッカーという人が、アメリカの鉄道に刺激を受け、ヨーロッパにも豪華な客車をということで、作り始めた物です。オリエント急行やモスクワ鉄道などの豪華寝台車を4000輌あまり製作しましたが、第一次世界大戦時には兵隊の輸送に使われ、ソビエトが共産主義を掲げるや、161輌と言う車輛を没収されたこともありました。そんな仲間がエジプトの、カイロ〜アスワンを走っている、ナイルエキスプレス列車と聞き、今回の旅行の目的として何とか、チケットを入手したかったのです。
車輛は、他の車輛とは色が違い、後部3両ほどが、寝台コンパートメント(2名個室)形式になっています。
車窓からはナイルの流れが、日の光に
反射していました
寝台車のまえで、乗務員に写真を撮ってもらう
車輛の個室の中は
このようになっています
左の洗面台のドアは下の部分が丸くなって
います。
右のソファは背もたれを倒すとベットになります。
乗り心地は後ほど・・。
夕食・朝食付です。多分、この次ルクソールでは、
多くの乗客が乗ってくることでしょう、ルクソールまで
約3時間
←寝台車の廊下部分です
右側が客室 左は窓になっています、1両に10部屋くらいです。1両に定員20人とは豪華な、配置です。
今回の荷物はこれだけ(20Lのリック)それにカメラを持っての移動です。気温の変化が少ないところでは、もっと小さくできます
気軽さが一番です。
しばらく、荷物整理や、他の車輛の配置(バートレイン)を見まわっていると、食事の用意ができました。
あったかい、今までの屋台の食事と違い、初めて何種類ものおかずを食べて、たいへん満足しました。
味のほうもおいしくて、さすがトルコ料理の流れを汲むものだと、思いました。
チキンもうまい、魚もうまい、ライスもそしてデザートの大きなみかんも、ジュウシーで甘くておいしい。
腹が120%くらい一杯になりました、残さず食べるとかなり多いが、「もったいない」ので食べました(笑)
しかし、後から、バーカウンターに行く気満万なので、寝てはならない、今日は朝から(AM3時)行動しているので、自然と睡魔が襲ってくるが、連結部分にて、煙草を吸い、眠気を覚ます。
何度か連結部に行くうちに、そこの横の車掌室の車掌と顔を見知りになり、「後で、バーとレインにこいよと誘われた」
ソコソコ腹も収まってきたので、バートレイン行く、すでに多くのお客サンがいるようで、なにやら盛り上がっている・・・・・・
覗いてみると、日本人の団体客でした、十数人はいるでしょうか、ベリーダンスを車掌兼バーテンダーの人に教えてもらっている様子です。
カウンターが5席くらいとテーブルが8席くらいでしょうか、ほとんどのテーブルはその日本人団体客に使われていました。私としては個人旅行客の欧米人が集っているかな?(タイの寝台のときはそれで盛り上がった)
と、思っていたので少々ガッカリしました。日本と変わらぬ光景が目に入ってきました。
カウンターでは、かわるがわる人が入ったり出たりします、この人達は誰と思ったら、「皆、車掌だよ(コンダクターと言う)そこにいるのはチーフだよ、」、私の持っている、ガイドブックを見せてほしいと言いながら、ワゴンリーのところを皆で読んでいます、「これはだれだれだ、コノ写真はそれにしても古いな」「今はコノ車輛は使っていないんだ」と写真の木製のバーカウンターを指差しました、どうりでちょっと殺風景なスチールの棚に、ウイスキーが6本くらい並んでいるだけで、正直寂しい感じの車両でした。
しばらく、イロイロなことを聞いて話をしていましたが、そのうち酔った日本人が「カモン、カモン」と呼ぶではないか、多分、英語で話していたので、シンガポールかコリアかに間違えられたようです。
ウイスキーをちびちび飲んでいたので、「ビールおごってやるから。こっちへ来い」という感じでした。
日本語で「ウイスキーを飲んでいるので・・・・・」とあくまで笑顔で答えると、仲間に向かって「あの人日本人だぞ」って言っていました。
その後は、彼らは誘いに再度来ることもなく。また、カウンターでコンダクタートと話をしていました。
その中の一人がどうやら風邪を引いたようです、「日本の薬は良く効くと聞いた事がある」持っていない?
とチーフが、聞いてきました「あるよ、持ってきてあげるから、ちょっと待ってて」と客車から薬とカメラを持ってきました。渡すと「これは。水と一緒に飲むのか?食事をした後か?」と聞いてきました。
それから、車掌長がこっそり ジンライムをご馳走してくれました、手でシーーッ ってしぐさをしながら・・・それでは、写真でも撮ろう と言うと、皆やってきました、仲のよさそうな、車掌連中です。
一人横を向くと、「おいおい、ダメじゃないか、俺が散々ポーズとっているのに、何度もやらせるなよ」って言いながら、チーフはおどけていました。