霞外━━梧岡━┳孫堂
　　　　　　　　　　┗三巳

　諱朝孺、字幼公・大�ﾏ、通称は周徴、霞外はその号、また、霞翁、霞隠、霞老とも称した。実は下野の星氏出身、古河の小山家の養子となった。
　儒学を水戸の立原翠軒に学び、書は市川泰見（古河侯臣）に受け、その後古今東西の名蹟を習って自在な唐様の書風を確立した。巻菱湖は霞外の臨書を評して、「空海以後一人なり」と絶賛。門人は古河・江戸において数千人に及んだといい、彼らによって亀戸天神境内に顕彰碑が建立されている。
　また、漢詩や和歌、絵、謡曲に長じ、茶道に通じ、美術骨董の鑑定に優れた。
　一方、尊王思想をいだき、水戸の藤田東湖や宇都宮の大橋訥庵とも交友があった。弟子に文人画家高久靄外がいる。子の梧岡も書において名をなしたが父をおいて先立った。
　墓は篆刻美術館のある古河永井寺にあり。　

　諱朝陽、字子邕、梧岡は號。通稱周軒、古河の人。文化１３年１１月２２日生。幼年より江戸にて師を求めて、書法を市河米庵、脩文を大槻磐溪に学ぶ傍ら高久靄崖に画法を受けた。帰郷の後はチョ欧顔柳李米諸家法帖を臨摸して一家をなし、門弟数百を数える。
　丁未の年（弘化４=1847）京畿を周遊して古刹より古人の真蹟を借覧、刻意臨模につとめた。よってその書筆は飛動疾徐して法あり、隷楷をもって名をなし、よく父の業を継いだ。
　梧岡は性行純良、気宇宏濶、詩文をよくして『梧岡詩文集』あり、また梅竹を好んで描き、書画刀剣を鑑識した。
　一朝罹病、自ら起たざるを知り父に後事を託した。文久３年８月３日卒。年48。先塋のかたわらに葬られる。謚観音寺殿梧岡周軒居士。
　池田氏を配して二女、島田氏に一男、小川氏に二男三女をもうける（梧岡いろは帖小傳）。

小山三巳　梧岡の二男。陸軍憲兵中佐　韓国駐剳憲兵隊（明治38・3・3〜明治39・8・31）

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