わん声犬語 (2005年7月10日) |
上は、お仕事。 下では、得意芸。 |
浪速の港から船に乗って船中二泊、ようやく着いた那覇市で都合よく次ぎの船が出れば良いけれど、そうそうそんな僥倖に遇う事なんぞほとんどなく、本島で船待ちした後、石垣島行きの船で船中一泊、港で離島航路の時刻表を見てみると、ここでも船待ち・・・一日で済めば万歳もの・・・有人島での最南端の波照間島や最西端の与那国島ほどには遠くないのに旅程時間は長いような気がした三十年程前。 今では、朝に東京羽田発の飛行機に乗れば、夕方までには着くらしい。 浪速からでもそうなんだろうと思う。 (勿論、当時でも石垣島まで飛行機で行けた) 三十年程前のこの島ではわんこさんを見なかった。 あの時、わんこさんが島に居れば、もっと長く滞在したと思う。 阿呆坊 |
この島・・・沖縄県八重山郡竹富町鳩間島。 この 海の碧さ! この 抜けるような青空 の下に 『ハチにさされたような泣きそうな顔がキュート』な”かな”ちゃんと言う琉球犬が、今は居る。 かなちゃんは、 この民宿”まるだい”の看板犬。 でも、桟橋で客引きをする事もなけ れば、 美しいパッションフルーツの花を視ても・・・・ 何か知らないけれど・・・旨そうな果物を視ても・・・・ 興味を持たず、何かしら考え事をしているように見える。 自信をなくしてすねているように見えるかなちゃんに「ねぇ、かなちゃん、どうしたの?」 そう緒形拳さんが名付け親の今年生まれた仔猫の”へちま”ちゃんが聞くと、 「この前、お家のお屋根の上で、 守り神のシーサーさんは、自信を持って、一年中、下を視て、にらめっこしているので、負けるもんかと、相手したのだけれど・・・負けたの。 (この丸い眼に勝つ者なんぞいないと思うけど・・ね) へちまちゃん、私は何の役にも立たないし、何の取り柄もない自信喪失無気力犬なの・・・」 |
「何か、自分に自信を持てるモノはないのかな? あっ、あるじゃない。 シーサーさんが逆立ちしても絶対出来ない事が。 ほら、あれがあるじゃない」 ・・・・へちまちゃん。 |
「えっ? う〜ん ・・・・そうか!! ・・・そうだ! ・・・これなら、シーサーさんに も負けないぞ〜!! よ〜し、シーサーさんの目を丸く させてあげるわ」 かなちゃんは立ち上がり、あの場 所に向かって歩き出した。 集落の道を抜け 桟橋への一本道を下り、浜に向かう。 そこにはヤドカリさんもいるけれど、 「こんな小物に、用はない!」 ・・・ってなわけで、 屋根の上にしか居れないシーサーさんと違う、かなちゃんは・・・ 『浜に出てカニを掘り当てる事が得意です』 ついでに転記すると 『そのうち「ここほれワンワン」のようにお宝を掘り当てる日を待っております・・・っがあまりかしこくないからなぁ〜』 との事ですが・・・。 |
鳩間島の航空写真は、日本テレビの放映ドラマだった”瑠璃の島”のオリジナル・グッズ「瑠璃の島 クリアファイル」(\315)を購入し、スキャナーしたものです。 桟橋に向かう道の写真は、鳩間島イエローページさんからいただきました。 緒形拳さんの個人HPへのリンクは、了解を得ていません。 他のすべての写真、『 』内の文章は、『酒と煙草は手離さない定一の孫』娘さん(かなちゃんの保護者さんの娘さん)から送られて来た物です。 彼女からのメールには、”瑠璃の島”ドラマ・ロケにまつわる面白い話がけっこう書かれていました。 例えば、五月の連休に島に帰り、”まるだい”を手伝った時、 『家もドラマの影響でかなりの人が写真を撮りにきました。 「竹内豊が登ってた屋根だぁ〜登っていいですか?」とか』 まさに、阿呆と煙は高い所に登るを地で行くような・・・・。 繊細そうな”かなちゃん”も、さぞお疲れだったような気がします。 雑誌「Wan」(2005年6月号)に琉球犬の特集が載せられていました。 柴犬や秋田犬は縄文時代に南方からやってきた犬と、弥生時代に朝鮮半島からやってきた犬との交配が進んで出来た犬種だけれど、沖縄ではこの混血が行われず縄文時代の犬が祖先との事。 戦中・戦後、絶滅を危惧されたけれど、琉球犬保存会が設立され、平成八年には沖縄県指定天然記念物に認定。 現在、琉球犬保存会が認定した頭数は千四百頭だそうです。 「めったに視れない会えない触れない琉球犬」のかなちゃんが居る民宿”まるだい”さんは 〒 907-1544 八重山郡 竹富町 字 鳩間 42番地 電話 09808−5−6557 大工鉄夫さん です。 上手く行くとお散歩させてもらえるかも・・・。 |
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