Band of Brothers が好き
第1話 翼のために Currahee
監督:フィル・アルデン・ロビンソン 脚本:エリック・ジェンドレセン、トム・ハンクス
(原作では、1 翼が欲しかった、2 立ち上がれ!フックをかけろ!、3 下士官たちの反乱、4 さあ行くぞ!覚悟しろヒトラー!の途中まで)
1944年6月4日イギリス、アッポタリー。D-DAYの降下作戦に向けて準備をする空挺隊員たち、そこへ天候不良のため降下作戦の延期を伝える知らせ.......
場面はウィンターズとニクソンの回想から2年前のジョージア州トコア基地へ.........。
ここでE中隊の話をするのに重要な人物があらわれるのです。そうE中隊の中隊長ソベル中尉(David Schwimmer)。BoBでの印象が強かったのか「フレンズ」を観るとロスがソベルとだぶって見えるので困る。
過酷な訓練でどんどん力をつけていくE中隊。その功績が認められてソベルは大尉に、この大佐はちゃんと見るべきところはみていてウィンターズも中尉に昇進。それがまたソベルのウィンターズいびりにつながっていくのですね.........。
ん?このシンク大佐って見たことあるわ。
ディル・ダイ氏ではないですか(ビックリ)。
ディル・ダイ氏はアドバイザーとして参加している数々の映画のほとんどにちらりと出演しているけど、このBoBでは重要な登場人物だから出番も何度もある。この作品に対する意気込みが伝わってくるような気がしてますます楽しみに。
映像の方ではおも立つたエピソードのいくつかをとりあげただけだけど、原作を読んでいくとソベルをはさむことによって、E中隊が成長していく様子、兵士たちが心身ともに剛健になっていく様子、絆が深まって信頼しあっていく課程がよくわかる。やっぱりBoBは10時間ドラマとは言わずに36時間ドラマくらいにしてほしかった(笑)。10時間だからこそ、さらに知りたくなって原作を読み、もっともっと好きになるのかもしれない。
ソベルはイヤなやつだけど、世の中がなりたっていくのには必ず必要なタイプ。どんな世界にもソベルの役割をする人が一人や二人いるはず。でも、あまりたくさんだと世の中すさんでしまう。でも必要。
原作を読んでいるとソベルは降下したかったっんだろうなって思う。
最初から最期までウィンターズを支えて重要な働きをするリプトン(Donnie Wahlberg)、軍曹というのは上と下との要でとても重要なポジションだと思う。この人はマーク・ウォルバーグのお兄さん。やっぱりなんとなく似ている(笑)
映像の中では描かれなかったけど、原作の中に1944年4月の最期の週末、マラーキー(Scott Grimes)、チャック・グラント(Nolan Hemmings)、スキップ・マック(Richard Speight Jr.)、ジョー・トイ(Kirk Acevedo)がロンドンに外出した際にマックの親友で第五〇一パラシュート歩兵連隊のフリッツ・ナイランドも同行したという話が出てくる。
フリッツ・ナイランドというのは聞いたことがあるぞっ。そうそうSPRの特典映像の中。
SPRの話のモデルになったというナイランド兄弟。そしてライアンのモデル?のフリッツ・ナイランド(末弟)。
原作の中では第八二空挺師団で分隊長をしていたお兄さんボブ・ナイランドの話も出てくる。
D-DAY後カランタンの戦闘に向かう前にフリッツ・ナイランドが帰国の途につくのです。
ボブ・ナイランドはD-DAY当日ドイツ軍の包囲の中で、第四歩兵師団で小隊長をしていた兄(プレストン)はユタ・ビーチで、三番目の兄(エドワード)はビルマ戦線でD-DAYと同じ週に戦死!フリッツの母は同じ日に三通の電報を受け取ったとのこと.........。
ジョン・ミラー大尉の分隊8人が命をかけて末の弟を探しだすために闘ったこと(これはフィクション.......)
三番目の兄のエドワードはその後生きていることが分かって帰国したこと(これはホント)
原作を読んでいてよく出てくる人物、第8話で中隊に復帰してくるウエブスター(Eion Bailey)。
この人は一話からちらちらと出てくるけど、実はわたしはよく知っている俳優さんです(笑)
「センターステージ」というアメリカン・バレエ・カンパニーを題材にした映画があるのですが、.........ダンサー役の方達は本物のダンサー、アメリカン・バレエ・シアターのスーパーヒーローやらソリストやらetc...、長野オリンピックでの男子フィギュアゴールドメダリストのイリア・クーリック(4回転ジャンプはしなかったけど.....)だって出演している。
彼の役はコロンビア大学の医学生でちょっとポイントのある役、この映画の中では一番いい人を演じてたんじゃないかな。
自分もバレエをやっていたので思い入れのある作品の一つなので何度もDVDを観た。BoBを観た時あっ、この人は........やっぱりインテリの役なんだ〜(笑)という感じでした。
思い入れがあるというとジョン・マーティン役のデクスター・フレッチャーも、HPを開設して初めて書いたのが「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」の感想(笑)、主役の一人なのですね〜
でも、BoBを観ていちばん驚いたのは、第八二空挺師団から士官学校をへてウィンターズの第一小隊に転属になったハリー・ウェルシュ少尉(Rick Warden)!!
この人には深い深い思い入れがあるのです(笑)。最初、髪の色や役柄のイメージが違ったので分からなかったのですが、声や歯並び(失礼)は彼に間違いない。IMDbで調べてみたらやっぱりね。出演作品1996年の「ディファレンス・フォー・ガールズ(Different For Girls)」(これは「メンフィス・ベル」でmother&country号に乗り込む新兵を演じていたスティーブン・マッキントッシュの主演作)これは、観たけどちょっとどの役だったのか記憶にない。
そして、空挺部隊として出演している作品があるのです。イギリス陸軍のSAS(特殊空挺部隊)ですが......。「ブラヴォー・ツー・ゼロ(Bravo Two Zero)」。1991年1月22日深夜にイラクに潜入しイラク軍の通信網、スカッド・ミサイル発射機を破壊する任務についたSAS隊員8人の死闘をアンディ・マクナブ軍曹の手記をもとに作られた作品です。ショーン・ビーンがアンディ役なので観ている人も多いかもしれませんね。
アンディ・マクナブ軍曹著の「ブラヴォー・ツー・ゼロ SAS兵士が語る壮絶な湾岸戦記」を読むとさらに深く内容がわかるのですが、この作戦に一緒に参加してひとりみんなからはぐれてしまいながら安全地帯であるシリアの国境を越えた(これによってアンディたちは解放されます)クリス・ライアンの著書「ブラヴォー・ツー・ゼロ 孤独の脱出行」を読むとまた違う角度から隊員たちの姿がうかびあがってくるのです。
8人の隊員(アンデイ、クリス、ボブ・コンシグリオ、スタン、レッグス、マーク、ヴィンス、デインガー)たちのうち3人は帰ってきませんでした。映画の中では亡くなった3人の名前は違う名前になっています。その一人Tony役をやったのがリック・ウォーデン。仲間から信頼され勇敢で、ユーモアにあふれた”小柄でタフなやつ”(BoBのハリー・ウェルシュ少尉もそんな感じですね)
余談が多くなってしまったけど、これからまたちょっとずつ。
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そして6月5日午後9時すぎイギリスBBC放送はヴェルレーヌの「秋のうた」六行詩の後半三行「単調なけだるさで、私のこころを傷つける」を朗読し(前半三行の「秋の日のヴィオロンの…」は数日前から放送)24時間以内に上陸作戦が開始されることを伝え、レジスタンスによる独軍に対する妨害活動も開始されました。