James.p.Hogan's World

since:2000/10/15

Last update:2011/06/19

SF作家のジェイムズ・P・ホーガンが、現地時間2010年7月12日(月)、アイルランドの自宅で逝去しました。69歳でした。
やすらかにお眠りください。


 1980年の夏、一冊の本に出会いました。「星を継ぐもの」。ホーガンという名前に思わすプロレスラーの親戚かな?ぐらいの感覚で、たいした期待も持たずに読み始めたのですが、引きずり込まれてしまう大胆な展開と、本当にそうなのかもしれないと思わせるストーリーですぐに虜になってしまいました。この本以来、今でもホーガンのファンです。新作を読むにつけ、裏切らない作品づくりに感動もしています。


Who is Hogan ?

Hogan link


最新作の紹介(11.06.19)

 新作といってもホーガン本人のものではありません。星野之宣氏があの「星を継ぐもの」の3部作をコミック化しているということです。

   hoshi_wo_tugu
  ホーガン氏が生きていたら喜んでくれたでしょうね。星野さんも頑張って描います。
  久しく漫画雑誌を購入してなかったのが、この作品が連載されてから「ビックコミック」
  を毎回購入しています。ガニメアンをどう表現するのがたのしみです。
  話は変わりますが、創元SF文庫の方で、黎明の星の続きを翻訳されているのでしょうか。
  3部作なので最終章がでてほしいです。ホーガン氏が死去したので版権で問題でもある
  のでしょうか。

最新刊の紹介(08.06.07現在)

  「黎明の星」- The Anguished Dawn(上・下新三部作の第二部

      

 木星から分離した小天体とのニアミスで、地球は地軸が傾き、大陸の形も変貌する大災厄に見舞われた。脱出に成功したほんのわずかな地球人は、かつて地球を離れ、土星の衛星群で独自の科学文明を発展させていたクロニア人に救出される。いまやそこだけが人類文明の拠点となった。そして数年が経過し、彼らは災厄後の地球へ調査に赴くが…。『揺籃の星』に続く入魂の巨編登場。と本の1ページ目に書いてありました。前作の発刊から長いこと待たされましたから、期待も大きいです。では早速堪能したいと思います。感想はその後になります。(2008.06.07)

 「揺籃の星」- Cradle of Saturn(上・下)新三部作の第一部
   地球は土星の衛星だった。!?
土星の衛星に住むクロニア人科学者たちは、地球の科学者にとって到底受け入れがたい惑星理論を展開する。太陽系は何十億年も同じ状態を保ってきたのではない。現に今、木星から生まれた小惑星のアテナは突如彗星と化し、地球を襲おうとしているのだと。物議を醸したヴェリコフスキー理論を大胆に応用、宇宙の謎に迫るハードSF新三部作開幕。
   
大胆な手法で太陽系の謎にせまるハードSF新3部作の開幕!と、本の帯には書いてありました。本当に久々にお目にかかりました。
   スタートレック最新刊が発売されたので積文館へ行ってみたら…。
   
ホーガンの作品が発売になっていたので、うれしくなってしまい即ゲットしました。(2004.09.15)

  


作品の紹介をしていきましょう。

 巨人たちの星シリーズ(ジャイアンツスター三部作+1といった感じ)

ホーガンを最初に読むなら、やはりこれから。はまること請け合い。1977年に書かれた作品から始まり、1981年「巨人たちの星」で一応完結。第4部として「内なる宇宙」が1992年に刊行された。ホーガンのデビュー作品であり何度読んでも面白い。自分自身、最初に読んでから20年経っているのに今でも読み返しているぐらいです。ハードSFなんだが、SFファンでなくとも読み応え有りの作品です。

「星を継ぐもの」- Inheril the Stars - 著:1977年(翻訳1980年5月)

ホーガンデビュー作。月面で発見された宇宙服姿の死体は五万年前のものだった。更に木星でも異星の宇宙船が。ホーガンの名前を一躍広めた出世作。       1981年第12回星雲賞海外長編賞受 

「ガニメデの優しい宇宙人」-The Gentle Giants of Ganymede 著:1978年(翻訳1981年7月)

木星の衛星で、宇宙船探査班に急接近してきた未確認物体。そこには、相対論的時間差を超えて二万五千年前のガニメアンが乗っていた。

「巨人たちの星」-Giants Star 著:1981年(翻訳 1983年5月)

謎の物体が送ってきた通信は地球人の言葉で書かれていた。この地球はどこからか監視されているのか。前2作の謎を明かす解決編 読み終えるとまた「星を継ぐもの」を読みたくなる。 

「内なる宇宙」(上・下)- Entoverse 著:1992年(翻訳 1993年12月)

架空戦争後の惑星ジョヴレンで、突如人格が他者のものと入れ換わる事態が多発する。三部作から十年、続きがあるとはと驚いた、でも期待通りの第四部。     1994年第25回星雲賞海外長編賞受賞

Mission to Minerva (未訳) 実は、まだ翻訳されていない続編がこの2作品。題名からなんか想像したくなります。ミネルバ作戦ねえ〜!(08.06.07更新)
The Two Moons (未訳) 二つの月という題名から、無くなってしまった惑星ミネルバには二つの月があったのでは…。なんて話でしょうかねえ。08.06.07更新)
 

 「創造主」(ライフメーカー)シリーズわたしが勝手につけました

なんといっても、この作品では機械生命体の設定。‥別の恒星系から漂着した異星の宇宙船の自動工場からつくられるのだが、プログラムの傷害により、本来のロボット生産、工場増築のプロセスが遂行出来ず、その結果、奇妙な再生産システムができあがってしまう。つくられたロボットそれぞれが、違った複製プログラムを持っていて、二体の複製プログラムを合わせて工場に送ることで、新しいロボットが誕生するという仕組み。‥つまり有性生殖になっているところ。  

「創造主の掟(おきて)」- Code of the Lifemaker   著:1983年(翻訳 1985年9月)

約百万年前、異星の自動工場宇宙船が故障、名もない衛星に自動工場を建設。21世紀初頭、土星の衛星タイタンに送った無人探査機が送ってきた映像は、異星船の機械が発達、進化した機械生物の世界だった。独自に進化した機械生物との接触は‥。人類がタイタンに調査のために現れる様は、「未知との遭遇」を思い浮かべてしまった。もともと、この作品のみで完結するように書かれた作品なのでここで終わりでいいと言う方には次回作はいらないのかも?(そんなことはありませんね!)

「創造主の選択(せんたく)」- he Immortality Option  著:1995年(翻訳 1999年1月)

「掟」から12年の間をおいて執筆されている続編です。続編を望むファンからの声に押されて書かれたようです。機械生物をつくることになってしまった自動工場宇宙船をつくった異星人が登場する物語。

作品紹介には、創元SF文庫のホーガン作品の解説から文を引用させていただきました。 

 

今回は、ここまでです。以下の作品についても詳しく紹介をしていきます。

2000/10/15/11:55  

創世記機械 - The Genesis Machine

無限エネルギー発生装置発明される! 1982年第13回星雲賞海外長編賞受賞

未来の二つの顔
 -
The Two Faces of Tomorrow

星野之宣さんがコミック化しました。
人工知能をあつかった作品。

未来からのホットライン
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Thrice upon a Time

タイム・マシン・テーマの作品

終局のエグニマ

巨大宇宙ステーションの謎をさぐる

マルチプレックス・マン
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The Multiplex Man

七ヶ月の記憶を失った男、失踪した天才科学者。関連はいかに?ハードSFサスペンス
 プロメテウス賞受賞

時間泥棒 - Out of Time

時間を題材に扱ってます。

ミラーメイズ - The Mirror Maze

インフィニティ・リミテッド
  -
The Infinity Gambit

ホーガン版スパイ大作戦

量子宇宙干渉機
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Paths to Otherwhere

量子コンピューターが開く無数の並行世界。その別世界に干渉することで、現実世界の危機を回避できるというがはたして‥。量子力学の「多世界解釈」の基づく多元宇宙ハードSF。

プロテウス・オペレーション
  
The Proteus Operation

歴史物、タイムトラベルものが好きな方にお薦め。

断絶への航海 - Voyage from Yesteryear

どこか、星野之宣さんの2001夜物語ににています。どっちが先だっかかな?しかし、新天地に着いてからの展開はホーガンがやはりハードSFです。 プロメテウス賞受賞

ミクロ・パーク - Bug Park 

ロボットが小さなロボットをつくり、そのロボットがまた小さなロボットをつくり‥。ナノロボットの世界

仮想空間計画 - Realtime Interrupt

ヴァーチャル・リアリティの世界に取り残された二人は‥。虚構世界からの脱出の道はあるのか。リアルすぎる仮想現実に望む作品。