Last update:2011/06/19
SF作家のジェイムズ・P・ホーガンが、現地時間2010年7月12日(月)、アイルランドの自宅で逝去しました。69歳でした。
やすらかにお眠りください。
1980年の夏、一冊の本に出会いました。「星を継ぐもの」。ホーガンという名前に思わすプロレスラーの親戚かな?ぐらいの感覚で、たいした期待も持たずに読み始めたのですが、引きずり込まれてしまう大胆な展開と、本当にそうなのかもしれないと思わせるストーリーですぐに虜になってしまいました。この本以来、今でもホーガンのファンです。新作を読むにつけ、裏切らない作品づくりに感動もしています。
新作といってもホーガン本人のものではありません。星野之宣氏があの「星を継ぐもの」の3部作をコミック化しているということです。
ホーガン氏が生きていたら喜んでくれたでしょうね。星野さんも頑張って描います。
久しく漫画雑誌を購入してなかったのが、この作品が連載されてから「ビックコミック」
を毎回購入しています。ガニメアンをどう表現するのがたのしみです。
話は変わりますが、創元SF文庫の方で、黎明の星の続きを翻訳されているのでしょうか。
3部作なので最終章がでてほしいです。ホーガン氏が死去したので版権で問題でもある
のでしょうか。
木星から分離した小天体とのニアミスで、地球は地軸が傾き、大陸の形も変貌する大災厄に見舞われた。脱出に成功したほんのわずかな地球人は、かつて地球を離れ、土星の衛星群で独自の科学文明を発展させていたクロニア人に救出される。いまやそこだけが人類文明の拠点となった。そして数年が経過し、彼らは災厄後の地球へ調査に赴くが…。『揺籃の星』に続く入魂の巨編登場。と本の1ページ目に書いてありました。前作の発刊から長いこと待たされましたから、期待も大きいです。では早速堪能したいと思います。感想はその後になります。(2008.06.07)
作品の紹介をしていきましょう。
ホーガンを最初に読むなら、やはりこれから。はまること請け合い。1977年に書かれた作品から始まり、1981年「巨人たちの星」で一応完結。第4部として「内なる宇宙」が1992年に刊行された。ホーガンのデビュー作品であり何度読んでも面白い。自分自身、最初に読んでから20年経っているのに今でも読み返しているぐらいです。ハードSFなんだが、SFファンでなくとも読み応え有りの作品です。
「星を継ぐもの」- Inheril the Stars - 著:1977年(翻訳1980年5月) |
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「ガニメデの優しい宇宙人」-The Gentle Giants of Ganymede 著:1978年(翻訳1981年7月) |
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「巨人たちの星」-Giants Star 著:1981年(翻訳 1983年5月) |
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「内なる宇宙」(上・下)- Entoverse 著:1992年(翻訳 1993年12月) |
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Mission to Minerva (未訳) 実は、まだ翻訳されていない続編がこの2作品。題名からなんか想像したくなります。ミネルバ作戦ねえ〜!(08.06.07更新) |
The Two Moons (未訳) 二つの月という題名から、無くなってしまった惑星ミネルバには二つの月があったのでは…。なんて話でしょうかねえ。08.06.07更新) |
なんといっても、この作品では機械生命体の設定。‥別の恒星系から漂着した異星の宇宙船の自動工場からつくられるのだが、プログラムの傷害により、本来のロボット生産、工場増築のプロセスが遂行出来ず、その結果、奇妙な再生産システムができあがってしまう。つくられたロボットそれぞれが、違った複製プログラムを持っていて、二体の複製プログラムを合わせて工場に送ることで、新しいロボットが誕生するという仕組み。‥つまり有性生殖になっているところ。
作品紹介には、創元SF文庫のホーガン作品の解説から文を引用させていただきました。
「創造主の掟(おきて)」- Code of the Lifemaker 著:1983年(翻訳 1985年9月)
約百万年前、異星の自動工場宇宙船が故障、名もない衛星に自動工場を建設。21世紀初頭、土星の衛星タイタンに送った無人探査機が送ってきた映像は、異星船の機械が発達、進化した機械生物の世界だった。独自に進化した機械生物との接触は‥。人類がタイタンに調査のために現れる様は、「未知との遭遇」を思い浮かべてしまった。もともと、この作品のみで完結するように書かれた作品なのでここで終わりでいいと言う方には次回作はいらないのかも?(そんなことはありませんね!)
「創造主の選択(せんたく)」- he Immortality Option 著:1995年(翻訳 1999年1月)
「掟」から12年の間をおいて執筆されている続編です。続編を望むファンからの声に押されて書かれたようです。機械生物をつくることになってしまった自動工場宇宙船をつくった異星人が登場する物語。
今回は、ここまでです。以下の作品についても詳しく紹介をしていきます。
2000/10/15/11:55
創世記機械 - The Genesis Machine
無限エネルギー発生装置発明される! 1982年第13回星雲賞海外長編賞受賞
未来の二つの顔
- The Two Faces of Tomorrow星野之宣さんがコミック化しました。
人工知能をあつかった作品。未来からのホットライン
- Thrice upon a Timeタイム・マシン・テーマの作品
終局のエグニマ
巨大宇宙ステーションの謎をさぐる
マルチプレックス・マン
- The Multiplex Man
七ヶ月の記憶を失った男、失踪した天才科学者。関連はいかに?ハードSFサスペンス
プロメテウス賞受賞時間泥棒 - Out of Time
時間を題材に扱ってます。
ミラーメイズ - The Mirror Maze
インフィニティ・リミテッド
- The Infinity Gambitホーガン版スパイ大作戦
量子宇宙干渉機
- Paths to Otherwhere量子コンピューターが開く無数の並行世界。その別世界に干渉することで、現実世界の危機を回避できるというがはたして‥。量子力学の「多世界解釈」の基づく多元宇宙ハードSF。
プロテウス・オペレーション
The Proteus Operation
歴史物、タイムトラベルものが好きな方にお薦め。
断絶への航海 - Voyage from Yesteryear
どこか、星野之宣さんの2001夜物語ににています。どっちが先だっかかな?しかし、新天地に着いてからの展開はホーガンがやはりハードSFです。 プロメテウス賞受賞
ミクロ・パーク - Bug Park
ロボットが小さなロボットをつくり、そのロボットがまた小さなロボットをつくり‥。ナノロボットの世界
仮想空間計画 - Realtime Interrupt
ヴァーチャル・リアリティの世界に取り残された二人は‥。虚構世界からの脱出の道はあるのか。リアルすぎる仮想現実に望む作品。