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★サクラソウトラスト犬ピンピンからメッセージ

 私は二代目のサクラソウトラスト犬です。年齢は7歳。

 でもあまりに体が小さすぎて役立たずと思われがちです。私は南国はメキシコ原産の世界で一番小さな犬「チワワ」です。

 飼い主の友達から、「トラスト地のいやし犬」としてもらわれてきたそうです。

 耳が遠くなったタッチャンに変わって、遠くから近づいてくる物音にいち早く気づいたり、サクラソウトラスト活動への参加者以外の人が訪ねてきたりすると、大声で吠えてしらせたりと、私なりに頑張っていることも忘れないでください。  


サクラソウトラスト地の「現場監督」として頑張っています。

 私は寒さにはめっぽう弱くて、冬はほとんど飼い主のふところのなかにうずくまっています。それに草刈り機の音や野焼きが恐ろしくてたまりません。

 それでも日曜日になると、トラスト地へ行きたくて「連れて行って!」と飼い主にせがみます。

 確かに足は鉛筆のように細くて、湿地にはまってしまうと動けなくなってしまうし、ヨシの切り口などによるけがもしょっちゅうで、飼い主が留守番をするように望むのも理解できなくはないのですが、やはり「二代目サクラソウトラスト犬」としては、タッチャンの後釜として役割を果たしたい意気込みは十分にあるので、この熱意は認めてほしいのです。

 暖かい季節には必ず作業の現場にいるので、「現場監督」と呼ばれて期待されています。
*飼い主から一言
 ピンピンは夏は暑がり、冬は寒がりで、厳しい屋外の活動に適している犬種ではないようです。それにタッチャンのように身を挺して自然を守る仕事をするといったことはできないでしょう。
 ただ、小さな体でサクラソウボランティアのみなさんの間を走り回っているだけで、みなさんがホッとするのです。考えてみれば使役犬としてめざましい働きをするのが当たり前のタッチャンと比較して、ピンピンの役割を過小評価するのはよくないことです。
 ただ、冬作業は大変忙しくて、私は事故のないようにとあっちこっちと、作業をしている人たちの間を走り回らなくてはならないことも多くて、ついついピンピンをおろそかにしてしまいます。
 困ることは、間が悪く「抱いてくれ」とせがまれた時に放っておくと、草刈り機の音がこわくてかくれてしまい、呼べと叫べど出てこなくなってしまうことがあります。見捨てられたと勘違いしてしまうのでしょうか。 たった2キロの極小犬といえども、抱いて走り回るのは大変疲れるものです。「私の体重が2キロ増えた」と思えばよいことですね。

ヨシで足にけがをしてしまい、飼い主のふところのなかで「現場監督」の仕事をしています。



彼女の苦手は草刈り機のエンジン音と野焼きです。家で留守番をするのがいやなら我慢するしかないですね。



サクラソウボランティア最高齢の小野寺さんや岩淵さんたちに抱かれてうれしそう!

寒さ、疲れ、作業によるおそろしさなどは、抱かれてさえいればすべて解消するようです。

私はノスリの餌として「お手頃サイズ」なのだそうです!

 サクラソウボランティアのみなさんはノスリが大好きなようです。ノスリはノウサギやイタチなどの小さなほ乳類が大好物だそうで、ノスリが上空に現れるとみなさんが「ピンピンどこにいるの?!」と大騒ぎ!理由は私がノスリの餌として「お手頃サイズ」だから、連れ去られて食べられてしまうことを心配してくれるのです。

 でも私はそのことがよく理解できなくて、なぜか急にみなさんが「ノスリがきた!ピンピンはどこにいるの?!」と騒ぐたびに、「なにごとなの?」と不思議に思っているのです。
*飼い主から一言
 冬のサクラソウトラスト地の空をゆうゆうと飛ぶ「ノスリ」はワシの仲間です。体長は52センチぐらい、翼の幅が広いので、実際より大きく見えます。
 今冬は厳しい寒さが続くので、ピンピンのお留守番の日が続きましたが、確かにピンピンがトラスト地にきていないと、「この頃ノスリが近くに来ないね」という声が聞かれます。
 ノスリが音もなく上空低く近づく時は、必ずピンピンがそのあたりをのんびりと歩いています。ピンピンはノスリの餌としては最高であるにちがいありません。
 そのようなわけで、ピンピンは「ノスリ観察会」では、非常に有能な働きをしてくれています。

ノスリはまるまると肥ったピンピンをねらっているのですが、それはそれで「食物連鎖」、自然界の仕組み内のこと。でも、ピンピンだけは見逃してほしいのがサクラソウボランティアの本音です。

私はなぜか食べても食べてもお腹がすいていて自分でも困っています。
 
 私は食べることが一番好きで、いつもお腹がすいているのです。だからサクラソウトラスト地のお弁当の時間が一番の楽しみで、みなさんの間をまわって食べ物をねだって歩きます。

 でも今はダイエットを命じられて、お弁当の時間には車のなかに監禁されてしまいます。

 「動けなくなるまで食べたいなー」という私の願いは、どうすれば飼い主に理解してもらえるのでしょうか。
*飼い主から一言。
 チワワは食べても食べても満腹になることがないようです。
 たくさん食べてもよいのですが、問題は「肥りすぎ」です。 「鉛筆のような細い足」のチワワは肥ると体重を支えきれずに、足の関節がはずれてしまう病気がごく普通におきています。
 ピンピンはチワワのなかでも小型で、体重が2キロ以上になると問題の関節の病気の起きる確率が高くなるので、かかりつけの獣医さんから「体重が2キロ以上にならないように注意してください」といつもいわれています。体重が2キロ以上になると、鉛筆のような足では体重を支えきれずに前足がしなってきます。
 ピンピンにそこのところを理解してほしいな。飼い主としては彼女にもタッチャンのように健康で長生きをして、サクラソウボランティアのみなさんをホッとさせるというトラスト犬の役割を果たし続けてほしいのです。 

久しぶりにイベントに参加した長野在住の須賀君にさっそくおねだり。



今年も新年第一回目のサクラソウトラスト活動の日には「お汁粉」がふるまわれました。直火で焼いてこげた“おもち”の美味しいこと!
ピンピンも一口だけいただきました。

食べることが一番の楽しみのピンピンですが、「肥満はピンピンの最大の敵」と獣医さんからの厳しいお達し。食べたくてがまんの限界に達しているピンピンの表情です。
 
(C) Saeko Ogawa 2005

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