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脳性マヒ・二次障害レポート

Eikoのひとりごと
      Mogのつぶやき



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2002/07/07  再びのカンディンスキー
Eiko
きのうは、もう私の感覚まで老化したのかな、と本当はだいぶショックを受けました。内心「どうしよう」と思っていました。
それでももう一度、と以前のカタログをひっぱり出して見ました。すると、やっぱり素敵な音楽が聴こえてきたのです。そうすると、きのうの拒否反応はなんだったのか? と。ひょっとしたら学芸員の作品の選び方に偏りがあったのだろうか、なんてことも思ってしまいました。
ところが新聞を見て「ガテン」がいきました。
 
日本では今回のものを含めると三回のカンディンスキー展が催されています。そして過去二回の作品は欧米にある美術館と個人コレクションをもとにつくられた展覧会だったのです。そして今回は、1921年彼がロシアから去って以来、全く顧みられなかった彼の作品に、ペレストロイカのなかで高まった前衛美術の再評価が後押しをして、ロシアではじめての回顧展が開かれた、その作品を中心にした展覧会だったのでした。
 
したがって今回のものはロシア国内にある作品の展示、ということです。
と、いうことは、その作品の多くは「ロシア人好み」ということになります。
 
あまりロシアの文化に詳しくないのでわからないのですが、例えば「ゴルバチョフ」と「エリツェィン」。どちらが好感度がありますか? と聞かれれば、大抵の日本人は「ゴルバチョフ」だと思うんです。でもロシアでは、断然「エリツェィン」なのだ、と聞いたことがあります。そのとき、それぞれの国での美意識の違い、に驚きました。
 
今回も、それと同じようなことが言えるのではないか、と思うに至りました。
日本の美人の典型は、昔は「ひきめ、かぎはな」の「お多福さん」でした。今の感覚では美人には程遠いものの、好感の持てる顔には違いありません。そんな風にその国その国での美意識の違い、というものがあるのだなあ、ということを知りました。
 
最終的に「本当に良いものならみんなも良いと思う」と思うのは間違いなのだなと気が付きました。「みんな」というのは根底に共通する美意識、文化、はっきり言えば「このみ」が同じ、ということなのでしょうね。
人間全員が同じ好み、同じ感覚、というのは異常な不気味さを感じるし、「個」を抹消することになるのだから、金子みすず、ではないけれど「みんな違って、みんないい」なんですよね。
 
そうそう今日は七夕ですね。今夜は晴れますように…
 
Mog
あたり前のことに気が付いてよかったね。それに老化現象でなくて、安心。ほっ…
ほんとに今夜は晴れるといいね、おねえちゃん。

2002/07/06  カンディンスキーを観て
Eiko
きょうは、カンディンスキーを観てきました。
はじめてカンディンスキーと出会ったのは15年前でした。そのときの印象は、愉しい音楽が聞こえてきて浮き立つような気持ち、になったのです。絶妙の色のバランス、そして奏でる曲は絵によってそれぞれ異なっていたものの、根底に流れるものは一緒、みたいに感じていました。
 
そして今回も「どんな音楽を聴けるのだろう」と期待してチケットを手にしました。
しかし、聴こえる音楽はジャズだった。私は大抵の音楽は分からないながらも受け入れられるんです。でも「ジャズ」だけは苦手。確かに魂が揺さぶられるような感覚が解らないわけではないし、いろんな方たちが酔いしれるのもよく解る。でも私の体質には合わないのだと思う。なんとなく不愉快になってくるんです。これはどうも生理的なもののようですよ。
 
そして今回のカンディンスキー、にはそういうものを感じてしまったのです。今回は彼の精神性を重視した作品ばかりを集めてあるからでしょうか。彼が自分自身を追い詰める非情の目を感じました。
追い詰めるだけ追い詰め、計算し尽くされた色彩バランスが加わっている。
だからかも知れないけど、今回の作品からは「余裕」というのか「遊び心」が感じられず、「厳しさ」「しんどさ」だけが残りましたね。「暖かさ」とか「愛」とかに生きるのではなく、それらを超えたものを見つめようとしている作品が集められたのかも知れない。?。
 
それに私はキリスト教の勉強を殆どしていません。これは西洋絵画をより理解するうえでの必須科目なのでしょうけど、するべきものであって、したい、とは思わないのだから、仕方ない。「勉強、大嫌い」なんです。
 
しかし、前回は感激したのに、今回の自分の拒否反応は一体どうなってしまったのだろうか、と戸惑っている自分に、戸惑う自分、って感じかな。
 
Mog
年とって好みが変わってきたのかもしんないね。たけど彼のいろんな面を見られたことは、いいことだ、って思うけど。



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