3月6日(月)


早起きして荷物をまとめ、チェックアウトしてからバスでフェリーターミナルへ。そして地下鉄に乗り換えて灣仔へ行った。軽く朝食を食べながら時間をつぶし、9時のオープンに合わせて中国のビザオフィスへ。そこで友人はビザを申請し、ALEXとも落ち合った。

ビザができるまでのあいだ、飲茶をしようということになり、灣仔駅近くの店へ入った。平日だったけど、なかはちょっと年を取った人たちでにぎわっていた。みんな朝刊を広げながら、のんびりお茶を飲んでいる。ALEXの話によると、土日はこういう店は行列になって、席に着くまで2時間くらい待つのだそうだ。

ガイドブックを見ながら、ALEXにいろいろ注文してもらった。飲茶のときは、お茶のお湯は無料なので、何杯でも飲むことができる。そして、お茶をのみながら、いろいろなものを頂く。みんなとってもおいしかった。最後はデザートで締めて、一人あたり700円くらい。結構安い!
飲茶タイム

驚いた事に、香港の人は午前中に時間があればみんな飲茶に行くそうだ。ALEXは授業が無い日などは、家族と一緒に週に3〜4回も飲茶に行くそうだ。まさか飲茶がそんなに身近なものだとは思わなかった。
KCRの電車

昼少し前までゆっくり飲茶をし、ビザオフィスでビザを受け取ってから、灣仔駅でALEXと別れた。地下鉄とKCRを乗り継いで紅[石勘](ホンハム)駅へ。いよいよこれから、自分にとってのこの旅のメインイベント、香港〜北京、京九鉄道2600kmの旅が始まる。

出発1時間半前に紅[石勘](ホンハム)駅に着いた。この駅は2年前に建てられたばかりで、かなり新しい。とりあえず出発口を見つけ、付近のベンチに座って荷物を詰め替え、駅から200m先にある国際郵便局で荷物を東京へ発送した。
新しいホンハム駅 いろんな店がある

駅の中にはさまざまな設備が整っている。人民元に両替できる両替所、手荷物預かり所、海外発行カードが使えるATM、コンビニ、ポスト、中国旅行社、免税店、携帯電話ショップなど、必要なものはみんなそろっていて不自由しない。

郵便局から帰ってくると、すでに出発30分前になってしまっていた。チェックイン後に出国審査や税関もあるので、なるべく急がなければならない。急いで香港ドルを人民元に両替し、コンビニで車内で食べるためのお菓子や水を買い込み、写真を撮ったりしてからチェックインゲートに駆け込んだ。すでに出発20分前を過ぎていた。
改札口(チェックインゲート)

出国審査は混雑もなく終了し、税関も何も言われずに通り抜け、エスカレーターを降りていよいよ列車の待つホームへ。ホームに降りると、青・赤・白の3色に塗られた中国の列車と、出入り口に整列している中国国鉄の車掌さんが見えた。
これから長い旅が始まる 入り口で切符をチェック

早速めざす8号車、4人個室車両へ。入り口の車掌さんに切符を見せて中に入ると、今度は少し偉そうな別の車掌さんが、切符を引き替え表(プラスチック板)に交換してくれた。そして、期待でワクワクしながら指定された個室へ。部屋に入ってみると、すでに少し年上くらいの女の人が2人、先に入っていた。

荷物を置いてから、その人たちと英語で話した。聞くところに寄ると、香港の日系会計会社で会計士をしていて、これから中国・広東省にある日系企業の工場の会計監査へ行く途中なのだそうだ。

2人のうち1人はオーストラリア生まれだそうで、さがに英語が上手い。別の1人は日本が好きで、今まで何度も行ったそうだ。色々話をしているうちに、ゆっくりと列車はホンハム駅を動き出した。

列車は香港のビル群の間をすり抜けながら進み、途中のKCR駅を快調に通過していく。KCRの駅も、ホンハムから離れて行くに従っておとなしい感じになって行くが、それでも日本の少し郊外の私鉄の駅前という感じによく似ている。途中で海沿いを走る場所もあるし、沿線の屋外プールでは人が泳いでいた。

ホンハムを出発して40分くらいし、そろそろ国境ではないかと思っていたところで外を見ると、ちょうど羅湖駅をゆっくりと通過しているところだった。この羅湖駅は、香港でいちばん北(制限区域内)にある駅で、改札を出るとそのまま出国審査や税関に直結しているという珍しい駅だ。
国境にかかる鉄橋を渡る

その駅を通過し、いよいよ中国だなと思って構えていると、1本の細い川をゆっくりと通過した。鉄橋の両端には、銃を構えた警官か警戒をしている。向こうに見える金網で囲まれた橋は、ちょうどたくさんの人が渡っていた。これが国境だ。
シンセン駅に到着

国境を越えると、列車はすぐに深セン駅に着いた。数分間停車するが、客の出入りはない。そして、そのまま再び走り出した。
シンセンの街 中国の列車とすれ違う

経済特区深センは、中国でも異色な存在らしい。日本人も簡易ビザですぐに来ることができるし、駅前の高層ビル群は、香港までは行かないが、かなり凄い。しかし、それもすぐに終わってしまい、外は一面モノトーンの世界に変わっていった。

外に見える家は煉瓦造りで古そうで、廃墟になった建物もたくさんある。看板の字はすべて赤で描かれていて、警官の制服も古めかしい。簡体字で書かれている文字も、なんだか昔の感じがする。車窓から見える景色は、すべて茶色か灰色。そして少しの緑だけ。モノトーンの世界が広がっている。先端都市から一気に数十年前の田舎に来たような感じがして、少し寂しさを感じた。

香港をでて1時間40分程して、常平という駅に到着した。ここで、社内が急に騒がしくなった。どうやらこの駅で、中国への入国審査を受けるらしい。乗客は荷物をすべて持って出ていかなければならないため、慌てて準備をして、駅舎のなかにある入国審査場へ向かった。
国境検査場 入国審査が終わり、一安心

入国審査場で用紙を渡され、入国申請書と税関申告書に記入する。入国審査はすこし緊張するが、今回は社会初めての社会主義国なのでなおさら緊張する。無事に入国審査が終わると、今度は荷物をX線検査に通して、税関をとおって入国完了。乗客全員の審査がおわるまで、駅舎内の待ち合い室で待たされるが、10分ほどするとホームへのドアの鍵があけられ、列車に戻ることができた。

待ち合い室では、さきほどの同室の女性と一緒に工場へ行くという、日本企業の方(日本人)に会った。簡単に自己紹介を交わし、夜は広州の駅を出た後で、みんなで食堂車で食事をすることになった。

列車は複複線になっている深セン→広州を、高速線側を利用して時速160km/hで疾走する。中国の列車がこんなに速いとは思わなかった。そして広州東駅に着き、機関車交換のため数分間停車し(このとき停電になり、空調も止まった)、その後、夕闇せまる広州の町へ滑り込んでいった。

車窓から見る広州の街は、人がたくさんいて活動的に見えるが、やはり少し暗い感じがした。線路脇のテレビ塔だけが、ただ1つ明るく見えた。

広州を出てすぐ、日本企業の方と同室のみんなで食堂車へ行くことになった。車掌さんに部屋の鍵を閉めてもらい、いざ出陣!席に着くと、早速メニューが運ばれてきた。メニューはみんな中国語(それも手書き!)で書かれているけれど、一部のものには英語表記もあった。注文は全部日本企業のおじさんがしてくれたので、僕らはその「おすそわけ」をもらった。合計6皿の料理と、ビール3本、それにご飯とお茶を頼んだ。

ご飯はあまり色が良いとは言えないけれど、日本人の口に会うご飯で、見た目よりもずっとおいしい。ビールもなかなかいける。料理は1品はだいたい2人〜3人分あるので、6皿も頼んでしまって結局食べきれなかった。それに、長さ30cmほどの魚の丸焼きのようなものもあって、すごい迫力だ。
食事のひとこま

楽しく話をしながら食事して、ゆっくりお茶を飲んだ。飲茶と同じで、1度頼めばお湯は無料で継ぎ足してくれる。お茶を入れてもらっているときは、指をトントンさせるということも知った。お茶を飲みながら話をしているうちに、ボールペンでテーブルクロスに名前を書いて自己紹介した。中国では、テーブルクロスはいくらでも汚して良いものらしい。最初はあせったけれど、最後には自分もクロスに文字を書いていた。

食堂車から部屋に戻って、少し話しているうちに、あっという間に招莞に到着。同室の2人と日本企業のおじさんは、降りていってしまった。

2人きりになった車内。話し声がなくなって、少し寂しい。気がつくと、なんだか熱っぽい感じがする。疲れが溜まってカゼをひくのだろうか?とにかく早く寝ることにする。
しかし、山岳地帯を走るせいか、激しい揺れでなかなか寝られない。長いトンネルも多い。結局寝たのは日付が変わってからだろうか。


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