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セマウル号 |
この旅のテーマは、実は「有名列車乗りつぶし」であり、ユーロスターを皮切りに、TGVタリス、ICE、シザルピーノ、ペンドリーノなどヨーロッパの有名列車にどんどん乗った。そして、この旅の最後を飾る列車が実はセマウル号だった。
ソウル駅には30分くらい前に着いたが、まだ改札は始まっていなかった。昨日は駅に着くやいなや、切符を買ってすぐに金村へ行く列車に乗ってしまったので、駅の内部をあまり観察していない。とりあえず駅内部を散歩して改札開始を待った。
昨日も書いたように、駅内部は改装されていてどこもきれいだ。エスカレーターで3階に上がると、ショッピング街と食堂街があったが、まだ朝早くて営業していなかった。2階には子供の遊び場?とインターネット用パソコン?RAILNETが置いてあった。よく見ると、ロッテリアの隣には仲良くマクドナルドが並んでいた。そういえば、この駅の内部構造は、ホームが地下に無いことを除けば、台北によく似ているなと思った。
さて、改札が始まったので早速ホームに入り、自分の席に荷物を置いて、すぐさま写真を撮りに行った。韓国で鉄道の写真を無断で撮ると注意されると言う話はよく聞いていたので、セマウル号の前でお辞儀している案内係のおねぇさんに
Photo OK?と聞いてみたら、頷いてくれたので安心して写真が撮れた。
席に戻ると、隣の席には女性がひとり座っていた。あきらかに韓国の人らしかったので、最初は特に口も聞かなかったが、「もしかしたら」と思って「日本語できますか?」と話しかけてみた。
そしたらなんと、「あぁ、日本の方でしたか。あまり日本語は上手じゃないけど、一応出来ますよ」と言って、日本人の笑い方とはちょっと違う、独特の笑い方でにっこり笑いながら答えてくれた。その後、自己紹介したり、車窓の話をしたり、韓国と日本の違いの話で盛り上がったりして、2時間経って昼になっても話題は全くとぎれなかった。彼女のほうも、日本語は高校と大学で6年間学んだきりで、それ以降全く勉強しなかったせいか、最初はたどたどしい日本語だったが、話し込むうちに思い出してきたのか、どんどん流ちょうになっていって、昼頃には全く違和感無く会話していた。
彼女は釜山に住んでいるそうで、「今日どこへ行こうか決めていない」と言ったところ、「私は海雲台が好き。あそこは温泉があるし、夜に海岸から見る月が有名なの。とってもいい場所ですよ」と言ってくれた。そして、3年前にオープンしたばかりだという温泉を紹介してくれた。今まで温泉どころか風呂にも入れない日が続いていたので、迷わず海雲台に行くことにした。そして「実は今日の宿も決めていないんだ」と言ったところ、「あのあたりは安い旅館がたくさんあるから、行ってから決めれば大丈夫よ。そういえば、さっき教えた温泉にも泊まれるよ」と教えてくれたので、今日は迷わずその「築3年の温泉」に泊まることにした。彼女は、僕のガイドブックで場所を教えてくれ、さらに紙にハングルで「グリーンビーチホテルとなりヘウンチョン(ホテル)」と書いてくれた。
彼女は日本が大好きだそうで、また東京に行きたいという。僕も彼女と話すうちに、もっと韓国のいろいろな場所を歩いてみたくなり、今度は慶州あたりに行ってみたいと思うようになった。そこで、今度一緒に慶州・東京に行こうという約束をして、住所を交換した。
列車が駅に着くと、彼女は海雲台行き急行バスのバス停を捜してくれ、バス停で待っていた人に海雲台区庁のバス停になったら僕に教えてくれるように頼んでくれた。そしてバスの料金も聞いてくれた。さらに「あのひとはあなたと同じバス停で降りるそうだから、一緒に降りれば大丈夫」と教えてくれた。
20分後バスが到着し、また会おうねと言って手を振って別れた。 |
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バス酔い |
乗ったバスは急行バスなので、途中のバス停を通過しながら走っていく。停留所案内の放送は、英語も入っているので、僕でも簡単に今どこにいるのかがわかった。しかし、その運転の凄さと舗装の悪さで、バスは大揺れ。乗ってすぐに頭がクラクラしてきた。そのうち知らぬ間に眠っていて、起きてみると、バスはちょうど小さな鉄道駅の脇を通過していた。
僕は慌てて、釜山駅前で彼女が「海雲台区庁についたら教えてあげて」と頼んだ女性を捜した。ちょうどその女性はバスから降りる支度をしているところだった。そして、海雲台駅を過ぎたところで、手招きしてくれた。
バス停で降りると、彼女は黙って進んでいき、パラダイスビーチホテルが見えるところで、僕にホテルの看板を指さして見せた。僕は「ありがとう。カムサハムニダ」と言って礼を言って、指さされたほうに向かった。
いざホテルの前に着いてみると、そこは模範タクシーがびっしり客待ちしていて、あきらかに5つ星ホテルであることがわかった。彼女から教わった「見てるだけがいいよ」という免税店もあった。奥に目をやると、ちょっとくたびれたグリーンビーチホテルがあり、その奥には目新しい緑の温泉マークの看板があった。
場所が合っているかどうか自信がなかったので、近くにいたおばさんにハングルで書いてもらった紙を見せて、「ここで良いの?」という感じで指をさすと、うなづいてくれた。そこで、礼を言ってから早速中に入ってみた。
受付は2つあり、一方はいかにも温泉の番台、もう一方はいかにもフロントという感じだった。おそるおそる「にほんごできますか」と聞いてみると、「どうしましたか?」と聞き返してくれた。早速泊まりたいというと、オンドルなら
35000W、ベッドなら40000Wですよと教えてくれた。ちょっと高いと思ったけど、まぁ新しくてきれいだし、バス酔いして気持ち悪いのでさっさとオンドル部屋に決めて、部屋に案内してもらった。
部屋に行く途中、どこから来たの?とか、ソウルではどこに泊まったの?とか、いろいろ聞かれて会話した。部屋に着くと、温泉の使い方を教えてくれて、さらに「あそこにミネラルウォーターが冷えてるから、どんどん飲んで良いよ」と言って冷蔵庫を教えてくれた。
部屋の中で30分ほど横になると、ようやく酔いが収まってきた。そこで、歩いてビーチを散歩することにした。 |
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海雲台ビーチ |
ビーチにはガイドブックにあるようにたくさんの屋台が出て、開店の準備をしていた。ビーチを歩いていると、少し年上の男女4人組から写真を撮ってと頼まれて、写真を撮ってあげた。調子に乗って「キムチ〜!」と言ってシャッターを押したら、発音が変だったのかみんな爆笑した。4人の中の1人は、日本語が話せるようで、「これからどこへ行くの?」とか「どこに住んでいるの?」といろいろ聞かれ、最後には僕も含めて5人で写真を撮り、住所を交換しあった。
ビーチを東のほうに歩いていくと、船の乗り場があったので、どこへ行くのか訳が分からなかったが、すぐに出発するらしかったので、とりあえず切符を買って乗船した。 |
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海上は波が荒くて、船はものすごく揺れた。まずビーチを西に向かい、そのあと方向が変わって南のほうに進み出すと、船はまるでジェットコースターのように揺れだした。椅子に座ってじっとしていると、水しぶきがかかると同時に海風が寒いので、後部デッキに行ってみることにした。
後部デッキに出てみると、10人ほどの人が空に向かって餌を投げていた。その餌をめがけて、たくさんの鳥が船に集まっていた。船はちょうど五六島にさしかかったところで、島を一周すると、西の空にはきれいな夕日が出ていた。
これがこの旅最後の夜かと思ってしみじみ夕日を見ていると、後ろから英語で「写真撮ってあげようか?」とひとりの男性が声をかけてきた。写真を撮ってもらった後で話してみると、彼は台湾から仕事で釜山に来て、今日は同僚とこの船に乗ったとのことだった。その後、今度は台湾の話題で盛り上がって、気がつくと船はすでに桟橋に着いていて、みんな下船し始めていた。 |
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ぶたやきにく |
宿に戻って部屋で温泉に入った。この温泉は土地柄食塩泉らしく、口に入れてみると塩の味がした。試しにシャワーの水を口に含んでみると、こちらはただのお湯だった。
さて、そろそろ夕食の時間なので、外に出ることにした。フロントでキーを預けると、奥から日本語の出来るおばさんが出てきてくれた。「もう夜ご飯食べた」「まだなの?」「何食とべたい?」と聞かれたので、「焼き肉食べたいけどひとりでも大丈夫ですか?」と聞いてみると、「大丈夫。この辺りにお店がいっぱいあるよ。ぶたやきにく、それともうしやきにく?」と聞いてきたので「うし」と答えると、「うしはおししいけど高いから、ぶたにしたら」と言って、掃除の手を休めて旅館からでて、どんどん先導して歩いていき、ここで良かったら紹介してあげると言って、隣にある「ぶたやきにく」の専門店の前につれていってくれた。
自分で店を選ぶのも面倒なので「ではここにします」と言うと、中に入って何やら店の人と会話して、「ぶたでいい?」「カルビ?」「ビールいる?」と聞いて通訳してくれ、注文が終わると旅館へ帰っていった。
早速テーブルのコンロに火が入り、おばさんが肉を乗せてくれ、ちょうど良いところで裏返しにしてくれ、焼き上がったところではさみで切ってくれた。他のお客さんは自分でやっているようだったが、こっちが感心してあっけにとられている間にどんどん焼いては切ってくれた。そして、いつものように肉をそのままタレにつけて食べていると、「こうやって巻いて・・」という感じで、葉に巻いて食べるんだという風に教えてくれた。なんだか殿様(というか保育園児)!?の気分だった。
昨日からそうだけど、ひとりで食べに言ってもすごい量の付け合わせが出てくるので、とうてい食べきれない。それでも肉だけは全部平らげ、もう動けないくらいに満腹になったところで、お礼を言って店を出た。16000Wだった。
食べ終わったところで、ビーチに行き、月を見ようとしたがあいにく今日は曇っていて見えなかった。そこで、今度は駅のほうに向かって歩くことにした。
海雲台の町は夜もにぎやかで、途中の通りでは屋台がたくさん出て市を開いていた。商店も夜9時過ぎなのにみんな営業している。町中をひととおり歩いた後、旅館に戻った。 |