【チベット・カイラス山トレッキング−その7】8月22日(月)オールド・ドンパ→ニャラム、走行距離400km、行動時間17時間5:30 起床、まだ真っ暗。 7:00 出発。 朝食は車中で。こうでもしなければ早立ちは出来ず、ということか。 先頭を切って走る。 往きに比べて道路の状態が極端に悪い。 一、二日前に相当量の雨が降ったと見える。 途中、明るくなるに従って、職場?に急ぐ遊牧民の馬や車での様々な動きが見られ、カラフルな服装の男女の行動が興味深いが、写真を撮る余裕なし。 ツルが2羽、遠すぎて写真にならず。 目前では鷹が獲物を捕まえて悠然と食べていた。サガに近づく頃、川のそばの断崖の傍らを通過する道、泥濘化しわだちが深く、スタック寸前。 ようやくの態で通過。 反対からは大型トラックが次々に通過。 更にわだちが深くなりそう。 5,6m下の川は増水した激流、落ちれば一たまりもない。 後続車がひどい目に会わなければ良いが。 ![]() 11:00 サガ着。 旧市街地のなじみの修理工場脇で車は止まる。 運転手曰く、後続車が到着するまで2時間はかかるとのこと。 早昼を兼ねて前にも行った中華飯店に出かける。 開店直後でむこうはビックリ。 粥、ナスの炒め物、トウガンの炒め物、ビールを食す。 ビール、やはりラサビールよりバドワイザーの方が美味し。 三人で合計88元。 食後、街中をうろうろする。 建設ラッシュ。 ホテル、商店街らしき建物。 チベット独特の鮮やかな装飾をした建物。 八百屋には大根、インゲン、白菜、トウガン、ジャガイモなどが陳列、全体に大ぶり。 町の周辺にビニールフレームがわずかに見えるが、これだけの野菜が生産されるはずもなし。 標高の低いところから運んでくるのだろう。 ヤギの肉、頭だけ切られて丸のまま皮をはがれてぶら下っている。 あまり肉の部分はなさそう。(写真) 案の定、後続部隊が着いたのは13:00、4時間遅れ。 トラックが又故障した様子。 問題の個所も大分ひどかった様子。 スタックしたランクルをトラックで引っ張って事なきを得たとのこと。 トラックを本格的に直すのに3時間強。 今日はここで泊まりと思いきや、どうしてもニャラムまで行くとのこと。 なぜこんなに急ぐのか不審に思ってたずねてようやく納得。 なんと、連中の中には明日中に中国領を出ないとビザが切れてしまう人が数人。 これが強行軍の原因。 我々は何処までこの連中に振り回されるのか。 多勢に無勢、仕方がないか。 この間、往きに泊まったロッジの脇の小屋で昼食を食べて待つ。街の散歩も飽きた。 16:15 ようやく、修理完了、スプリングを締める部品を新たに製作して修理完了、出発。 真新しい橋を渡って右岸へ。 一番危惧した急坂の登坂、思ったほど道は荒れていない。この辺はあまり雨量が多くなかった様子、一安心。 18:00 急坂の上の峠に到着。 ここからは平原を走るのでかなり楽になる。 右手にはヒマラヤの山々が夕日を浴びている。 相変わらずシシャ・パンマは雲の中。 前方に虹が美しい。 19:00 湖畔にて休憩。 20:00 真っ暗の中、チェックポイントに近づく。 我々の接近を知ったのか、今までついていた照明が全て消える。 所謂、狸寝入り?彼らも夜遅くに仕事はやりたくないということか。 我々も一旦停車の手間が省ける。 お互いが楽チン。 遮断機の上がった関門を猛スピードで通過する。 遠くには遊牧民のテントの明かりがポツポツ見えるものの、直前は漆黒の闇。 カーブの多い路を走っているにもかかわらず、ヘッドライトに照らされた範囲が狭いためか直線に見え、何処までも真直ぐな路を走っている錯覚にとらわれる。 見覚えのある国道・中尼道路への合流点、ようやく平坦な道路に出る。 峠を二つ越えてショートカットを徹底的に利用して、ニャラムに近づいた頃、再びトラックが故障。 荷物をランクルに分散して運ぶことも覚悟したが、何とか騙し騙し走る。 ようやくニャラム着24:15。 気が遠くなるような、気違いじみた17時間。 400Km走破。 K、Hの両君、疲労困憊のはずなのに、外で食事を、と出かける。 小生、出かける気力なし。 部屋で持参の粥、うどんを食す。 完全ダウン。 8月23日 (火) ニャラム→タシゾン、走行距離185km、行動時間12時間朝、国際電話で会社へ連絡。 特に問題なし。 三日ぶりにひげを剃る。 気分よし。10:40 インド人グループ、国境に向けて出発。 永久の別れ?を惜しむ。 今夜はカトマンズのホテルのベットで。 なんだか皆うれしそう。 ビールで乾杯、ビーフステーキにかぶりつくなんてことをするなよ! 我等は今日まで連中に引きずり回されたがこれからは独自の行動が可能となる。 12:15 我々三人ランクル1台でチョモランマB.Cに向けて出発。 今日の予定は行ければロンボク寺院まで。 昨夜下りてきた中尼友好道路を再び登り始める。 我々に同行する中国人ガイド、エコトレ・スタッフの2名は国境越えのメンバーに同行。 手続きを終わり次第、引き返して途中のティンリーで我々に合流の予定。 13:45 トン・ラ(峠)着。 前回とは違い、5000mの高さにも体の異常は全くなし。 すっかり高度順応している。 ![]() サガへの分岐点を越えたところからは初めての路。 暫くして山間の道は開けた川沿いの平坦な道に出る。 この川は確かヒマラヤを横切って直接ガンジス河に流れ込んでいるはず。 川沿いには日干しレンガで造られた建物の崩れた遺跡があちこちに。 寺院や城跡とか。 発掘調査をしている所も有る。 15:15 ティンリー着。 その前後数kmは完成2車線の立派な舗装道路。(写真) 平坦性の有難さを感じる。前後の集落の中では大きい街。チベット風の建物が道路沿に並ぶ。 ![]() 中華料理屋で遅い昼食。野菜メンと肉モモ。美味し。 運転手も一緒に食事をしたが、彼は決して我々の奢りを受け付けず。 会社の規則にあるのか、中国人のプライドか。 茶を飲み、テレビを見て時間を潰す。街中に出て散歩。 若者はビリヤードがお好き。 あちこちで屋外に置かれたテーブルでゲームをしている。(写真) ![]() 遊びはこれと丁半賭博らしきもの。 さいころ二つを皮のコップ状の中に入れてエイヤッと掛け声をかけて皮の小さな座布団の上に。(写真) 売っている肉がヤギからヒツジに変わった。 ![]() 太陽熱湯沸かし器? 真ん中のヤカンに熱は集中する仕組み。 道具の下の日陰で犬が昼寝、一石二鳥?面白し。(写真) 小さい子供の乞食多し。 周りを団体で囲まれて立ち往生。 後でおばさんが操っている。 フランスのジプシーと同じ。 19:30 ようやく後続車到着。 国境で連中を送り出した後の帰りの道が大渋滞。 それで思わぬ時間がかかったとのこと。 ティンリーの町のはずれで、チョモランマB,Cへの入山料 65元を払う。 国道から分かれてロンブク寺院へ向う路へ。 入山チェックポイントを通過後、道は二手に分かれる。 日が落ちて暗くなってきた。 右ロンブクの標識を左に入る。 ガイドの誤りではないのかともめたが、結果的には正解。 右の道路はあちこちで崩れて現在は使用不能とのこと。 遠回りでも左の道から行かなければならなかった。 ところが、この道が大変。沢沿いに高度を上げて峠を越えたかと思ったら,今度は高度をぐんぐん下げてタシゾンまで下る。 この間、道は降雨でズタズタ、暗黒の中を道に迷いながら2台のランクルで走る。 一歩間違ったら谷に転落の場所もあちこち。幸いなのは暗くて見えないこと。 ガタガタ道は我々に車上ツウィストを強制。 揺れる車の中で体を支えるためにしっかりとどちらかの手でつり革を握り続けるため、肩がずきずき痛む。 運転手の技術力、体力、忍耐力に敬服。 しかし彼も限界に来ている様子。 2時間でタシゾン到着の予定が、4時間にしてようやく最初の部落に到着。運転手はもうこれ以上は走れないと怒り出す。 付近でテント設営を検討したが、部落の案内人が同乗してタシゾンまで行くことにする。 24:00 タシゾン着。ロッジ泊。 ロンブク寺院までの行程は諦める。 連日の強行軍、疲労困憊。 遅い夕食。 遠慮せずに肉野菜いため、トマトスープ、チャーハンなどを食す。 ラサビール、チベット製のブランデーを飲む。 就寝 2:00。 (写真はクリックで拡大出来ます)
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