【チベット・カイラス山トレッキング−その6】8月18日(金) キャンプサイト→ ダルチェン→ホール→マナサロワール湖畔キャンプサイト 徒歩 10km 走行距離 100km![]() 犬がすぐそばで鳴き騒ぐのも知らず、ぐっすり。 これでは水が中に入ってきても気がつかなかったかも。 幸い何事も起こらず。 湿原の反対側の高みの岩陰でキジ打ち。 お日様に照らされて気分よし。 7:30 天気がいいのでカイラス東壁の写真を撮りに昨日歩いた道を逆行。 ボン教の子供たち、ダルチェンを出て既にここまで到達している。 15Kmぐらい歩いた勘定か。 明るく元気、人なっつこい。 “ンガトデレー(おはよう)、タシデレー”と声を掛け合う。(写真) ![]() 25分で東壁を見渡せる場所へ。 はっきり見えるものの西壁と同じ感じ、北壁のような威圧感は無し。 40分で往復。 9:40 朝食後皆より早めにスタート。 10:10 ズルフク・ゴンパ着。 お賽銭を弾んでミラレパ派仏教発祥の地の仏像を拝む。(写真) 10:40発。 マーモットが穴から出て盛んに警戒の声を出して鳴き続ける 。好奇心の強い連中。 H君はマーモットと会話が出来た、と主張。 一緒についてきた茶色の犬、様子を窺い捕まえようとするが全く歯が立たず。 甲斐性なし。 歩くほどに広い谷から両岸が迫った狭窄部にかかり、起伏の多い地形となる。 そして前方が急に開け、プンドクタン平原が展開、そしてその先には、マナサロワール湖、ナム・ナニ峰が。 14:10 ランクルの待機場所、タンザーに至る。 腹ぺコペコ、茶店には例の辛いインスタント・ラーメンだけ。 諦めてペプシコーラを飲む。 気圧のせいか、腹の中はすっかり膨らんだ空気で満腹感。 本隊15:00着。K君ここでトマとお別れ。 随分チップを弾んだ様子。 15:30 ダルチェン着、昼食。 我々は早速ホテルの中華料理屋へ。 タンメン、野菜炒めを食す。 タンメン、塩味に非ず、トマトスープ味、なれど美味し。 3人で45元、安し。 ![]() 16:20 ダルチェン発、国道に戻って間もなく、道路、河川氾濫で寸断。先頭のランクル途中でスタック。 エンジンふかすほどに深みに。 ここでトラックの登場。 おんぼろのいすゞ製だが流石に馬力はある。 あっという間に引っ張り揚げる。 夫々、トラックの世話になりながら20分ほどで脱出。(写真) 我々が苦労しているそばを軍用車が小馬鹿にした顔で通過していった。 ようやく脱出して走っていくと左路肩に例の軍用車は横転。 軍服が右往左往している。 怪我人はいない様子。 それを見た我がランクルの運ちゃん手をたたいて大喜び。 いずこも権力者への反感は強いものらしい。 写真を撮ってやろうとしたが、慌てて制止された。 やっぱり恐いらしい。 ホールの町を過ぎて国道から分岐、マナサロワール湖畔へ。 茶店、兼ロッジのそばに数パーティー、沢山のテントが集まって賑やか。 トラックの着くのが遅れた為、いい場所がとれず。 ヒンズーのお客さん何かそわそわしていると思ったら、今日は満月で、彼らにとっては特別の日らしい。 隣の4,50人のパーティー。 この為に車を連ねてやってきた様子。 我々のメンバーよりは明らかに地位の低い人達といった感じ。 皆、湖畔に沐浴に出かけていく。 湖岸は泥地であまり気持ちのいい場所ではないが、水の中に入って浴びている。 風が強く寒そう。 明日も4時半に起きて沐浴とか。 満月が湖面に映って反射し、一本の道が通じるように見え、歩いていけるように見えるとか。 意外と詩的。 カイラス、ナムナニ峰は雲の中だが、夕日もきれい。 雲が切れて満月も登場。 とても明るい。 無数の 星が。 人工衛星が西から東へ。 昨夜ほど寒くない。 標高の差か。 夕食、白菜、きのこの煮物、しょうゆ味。 白米、トマトスープ。美味し。 8月20日(土) 停滞日 雨後曇り朝から雨が降り止まず。 初めての長時間の降雨。 我々は8:00 起床。 朝食、昨日の昼の麺に似たもの、フライドエッグ、肉が入っていた。 特別食?連中は今朝も雨の中、湖の中に入ったらしい。 隣の大テントからは祈りの合唱が聞こえる。 我々はノホホンとテントの中。 昼前雨止む。 ランクルで30分ほど走って再度、チューゴンパ温泉に挑戦。 前回に比べて湯温が低く感じる。 気温が下がっているのか。 頭を洗っていい気持ち。 茶店でラサビールを飲む。カ トマンズ以来。 トレッキングを終えた開放感か、美味し。 帰って昼食。 カレーチャーハン、ツナ缶、他のメンバーとは別のもの。 湖畔を散歩。 野ネズミの巣穴が沢山。 車で走っている時は慌てて穴に逃げ込むのが見えるのに、ここでは影も形もなし。 鶴が遠くにいるが近づくと逃げて又同じ距離。 シャッターチャンスなし。 ヒンヅー教徒諸氏からの提案。 運転手、スタッフにチップを渡すということで、100$/1人の拠出とのこと。 12,000円は高い。 これが我々の正直な感想。 チップ社会の人々にとってはこれくらい当たり前なのか。 結局我々は運転手に1人100元、計300元を払って終わり。 ケチだったか? 夕食後はダンス大会をやるとか。何事が起きるのかと窺う。 ダンス大会の開催に先立ち、チップの贈呈式?。 運転手グループ、スタッフグループが別々に大テントに呼ばれ、ドクターともう1人の男が、代わる代わる滔々と謝辞?を述べる。 その挨拶の長いこと。 そして最後に夫々の代表者にチップの袋を偉そうに渡し、相手は恭しく受け取ってセレモニーの終了。 連中皆大いに満足の様子。 まさしく旦那様と使用人の関係そのまま。 我々の感覚とは全く違うもの。 と言うか我々も根底にはその感覚でありながら、ここまで割り切って行動には移せないように思う。 これまた異文化。 我々は外の寒空で待つことしばし。 風が冷たい。 テント中央に裸電球を吊るしダンス大会の始まり、始まり。 石油缶をドラム代わりにエコトレのスタッフたちが歌を歌い、拍子をとり、踊る。 その輪の中に我々も引きずり込まれ一緒に踊る。 寒くてもうひとつ調子が上がらず。 考えてみれば、アルコール気全く無しでは調子も上がる筈もなし。 30分ほどでお開きに。 空は晴れ渡り、周辺の山々は満月に照らされて鮮やか。 連中は明日朝4時半起床で又沐浴とか。 8月21日(日) マサロワール湖畔→オールド・ドンパ、 走行距離320km、行動時間12時間![]() さあ今日からやって来た道をまっしぐらに帰る。 6時起床。 早スタートのはずが結局出発は9時過ぎ。 走行開始早々に我々のランクル調子悪し。 後輪の不具合、ボルトを締めなおす。 一昨日の車の修理といい、本日の不具合と言い悪路の中を2週間、車のへたりが少しずつ出てきている感じ。 前回昼食をとったタルチョ、賽の河原の石積みのある峠を越えて再び国道に。 いよいよ、帰り道。 往きには雲の中だったナム・ナニ峰が雪の頂上をずっと見せてくれる。(写真) あっという間にチェックポスト通過。 往きのキャンプサイト脇の売店で昼食。 子供たちは相変わらず手を出してカネ、カネ。 ![]() パヤンを通過、暫くしてトラックが停止。 運ちゃん、前輪の下に潜っている。 どうやら騙し騙し走ってきた前輪のスプリングを締める金具が破損した模様。 我がコンボイはここで大休止。 車軸にジャッキをかませて緩んだスプリングをタイヤチューブを切ってひも状にしたもので巻き始めた。 世界に冠たるいすゞのトラックといえども、ここまで使い込めば故障も許さざるを得ないと言うもの。 この間我々は何もすることなし。 気がつくと、周囲は特異な景観。 岩石累々たる岩山の代わりに、緩やかな傾斜の砂丘が続く。 何でこんなところに砂が?ここもかつての海底か。?(写真) 1時間半のロス。 ニュー・ドンパ入り口の試験施行区間の立派な道路上で休憩。 K君の携帯電話を借りて日本に電話。 衛星電話ではなく、第三世代の携帯とか。 近くに携帯電話用のアンテナさえあれば通話は可能。 皆元気な様子。 総選挙の日取りが決まったとか、面白い選挙になりそうだとか。 オールド・ドンパ到着、21:00。 国道筋のロッジは自動車修理工場付き。 小奇麗だが、ベットの布団は湿っている。 夕食後、就寝24時近く。 星空、暖かい夜。 遠くに点々と明かりが見える。 放牧民のテントの明かり。 ソーラー発電で蛍光灯を灯している。 蛍光灯の青い光が近代的な雰囲気を持っているにもかかわらずそこには極めて原始的な生活をしている人々がいるというギャップ。 (写真はクリックで拡大出来ます)
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