チベット・カイラス山トレッキング

【チベット・カイラス山トレッキング−その3】

8月14日(日) キャンプサイト→チュー・ゴンパ、走行距離310km、行動時間8時間、晴、暑し  

 
 9:15出発。 30分ほどで長大橋梁を渡る。 6径間コンクリート橋。(写真) 

10:15再びチェックポスト通過。ここは狭隘な谷間、恐らくここしか抜ける場所はないのだろう。 プ河に沿って高度を上げる。
 11:00 マユム・ラ(峠)標高5216m。 あっけなく本日最高高度を越える。 左手にナム・ナニ峰(7694m)が大き見えてくる。
13:00 プ河源流を詰めると峠、大きな丘、タルチョがはためく。 石積み多数。(写真)

 はじめてマナソワール湖、カイラス峰が眼前に登場する。 なるほど、聖湖、聖山のたたずまい。 左手にはナム・ナニ峰、遠くにはパキスタン国境の山々。 ようやくカイラスの入り口にたどり着いた。 昼食、ジャガイモカレー味、ビーンズ、ライス。 これだけ!(写真)

14:00 発 マナソワール湖畔(標高 4550m)に下って湖岸を時計回りで走り出す。 なんと、地図上のトレッキングル ートは車が走れる周回道路となっている。 湖の水はきれい。ヒ教徒の要望で大休止。 一部は沐浴、海水パンツになって水浴。 巡礼のチベット人老婆二人、湖岸をひたすら歩く。 中間のツルゴー・ゴンパ参詣。 対岸のカイラス峰が見事。 湖と山、まさしく対の聖地か(写真)。 

 ナム・ナニ峰から流れ出る沢を渡河。 沢水深し。 午後になると氷河の雪解けのため増水して渡河が難しくなるとのこと。 ぎりぎりの渡渉か。
 湖を3/4周したところで湖岸を離れ、山の上でネパールとの国境の街、プランに向かう道に合流。 合流点から隣の湖、ラカスター湖を俯瞰する。 風もなく湖面は鏡のよう。 対岸の山々を見事に映している。静寂。(写真) ラカスター湖畔に下り、暫く湖岸を走り、再びマ湖の湖にあるチュー・ゴンパへ。 この地点が一番低く、増水時にはマ湖の水がラ湖に流れ込む地点。 湖岸の小さな山に古い寺院。(写真)

 17:00着、湖岸のロッジ泊まり。いずれも似たような造り。 3人一部屋。ベットが4,5個。 馴れ馴れしい放し飼い?のロバが入り口にやってくる。 K君にすっかり馴れ、暫く遊ぶ。 ソーラー充電器活動開始。 快調。洗濯物良く乾く。

 夕食、ヌードルスープ、インゲン、ニンジン炒め、スパゲティ。 我々には特別食、ツナ缶が支給。 3人だけ隔離されて食事。 ツナ缶美味し。
【チュー・ゴンパ】
 昔、“サ湖”と“ラ湖”がけんかをした。 双方 がぶつかり合った場所に温泉が噴出した。 チューとは温水。 ゴンパはお寺のこと。 明日は3人で久しぶりの入浴と洒落こむか。

8月15日(日) チューゴンパ→トリタプリ温泉→ダルチェン、標高4520m、走行距離230km、行動時間6時間方晴、曇り時々雨 

日本を離れて1週間。あっという間。 日の出8:00 太陽は湖の彼方に出る。 快晴ではないがまずまずの日和。 今日15日はヒンドゥー教徒にとって大事な祈り(プージャ)の日。加えてインドの独立記念日とか。  早朝から湖岸に設置した沐浴場で儀式。  皆さん夫々、一級の正装をしてうれしそう。  朝食、白米かゆに梅干、しあわせ。

食後、10:00ゴンパ裏の温泉に浸かりに行く。 入浴料20元。 小屋の中は5個の個室(仕切りのみ)に分かれ、各部屋は洋式のバスタブと洗い場、更衣場所、二畳ぐらいの広さ。 屋根はガラス張りで陽が燦燦と入る。  ガラスが所々割れているのがたまにキズ。  湯の温度はまずまず、アルカリ泉か。 4日ぶりの風呂。 土ほこりを落とし、洗濯もする。 お互いの声を聞きながら個室で一人ずつ浸かる温泉と言うのも妙なもの。
  13:00 昼食後、オプションで140km離れたトリタプリ温泉へ。  カイラス峰の南壁、西壁(写真)を右手に見ながら新蔵公路(国道219号線)を西へ。  ダルチェン入口で車の修理、50分。

 そこを過ぎると道は極端に悪くなる。 洗濯板のような路面。 何箇所もの川をジャブャブ渡る。 深い谷には石造りのアーチ橋。   恐らく、我らがここま走ってきた道も数年前までは同じだったのだろう。

 15:50 モンツアーで国道から南に分岐。 モンツアーはチベットの古い街?  新しい建物はほとんどない。 いわばチベットの昔を残した街といえよう。

 16:00 脇道に入って10分、トリタプリ温泉到着。 変わった地形。 ランチェンツアンポ川(象泉河・インダス河源流)脇の台地の数箇所から温泉湧出。 熱湯、沸点に近いか。 流れ出た湯は適当に流れて川へ。
 大分下流に湯船状の掘り込み。 誰か浸かった跡あり。 熱湯が冷めるまでにはこれだけ流れないとだめか? こんな事をやるのは日本人ぐらい?  流れが造る棚田は石灰の凝結したものか(写真)。 トルコ、パムッカレのミニチュアを思いださせる。

 すぐそばの山にゴンパ。 名前不明。 仏教寺院ではあるが、ヒンドゥー教も一部祀ってあるとか。 同行のメンバーもひれ伏していた。 周辺の修験場所も含めて赤い塗料が岩々にベッタリと塗ってあり、なんとも異様な光景。 赤は邪気を払う役目をすると  か。 流石にここまで来る観光客、巡礼は少ない。 周辺は閑散としていた(写真)。 17:10 トリタプリ発、来た道を戻る。 モンツアーで30分停車。 ドライバー不在。 良く分からないが、飯を食っている様子。 昼飯にしては遅く、夕飯にしては早すぎる。 社会主義の国ではお客様のサービスよりは個人の権利が優先する感じ。 なんとなくすっきりしない。

17:45 モンツァー発。 目的を達した後の悪路は流石に堪える。 カイラスが見え始めたところで国道から分岐、ダルチェンに向かう。 部分的に雷雨。 あまり天気はよくない。

 19:05ダルチェン着 標高4520m 聖山カイラスの麓に広がる門前町といったところか。 入村許可を得て中に。 今晩もロッジ。 立派なコンクリート建てのホテルに近いくらいの建物。 診療所も兼ね、国際電話も可能。 三人部屋。 但し、トイレは相変わらず、遠く離れた場所に独立。 歩いていくのも億劫で、小は建物の影でそっとする。
   夕食、ロッジの食堂と交渉するもうまくいかず。 諦めて、あてがい扶持の野菜料理を食す。

    (写真はクリックで拡大出来ます)
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